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見たことのない花

いろんな国に行くと、植生の違いが面白い。見たことのない植物でも、今ではGoogle Cameraで品種名までほぼ正確に同定してくれる。
この三連休を使って、もはや何度目かわからない台湾に行っていた。亜熱帯特有の緑と人工物がせめぎ合うような土地だ。猫空(MaoKong)という台北郊外の木柵鉄観音茶の産地で食堂に入ったが、百合のような強い芳香がするので目を向けると、花瓶に生姜のような葉に蘭のような百合のような白い花が生けられていた。葉の特徴に月桃の一種だろうかと思うが、あまりにも良い香りなのでGoogle Cameraで調べると、花縮紗(ハナシュクシャ)という和名だとわかった。別名では生姜百合とよばれ、ジンジャーリリーとして香水の材料になる花だそうだ。確かに、忘れられないくらい良い匂いだ。

台湾では自生するらしく、おそらく食堂の下に広がる畑に咲いていたものを切って無造作に生けたのだろう。南国の花は、甘くたおやかな香りの強いものが多い。

台湾旅行の際にはいつもこの猫空を訪れ、台北中心地を望む斜面のテラスで茶葉料理とお茶をのんびり味わうのが、この数年のお気に入りだ。
台風の影響を受けた雷を伴う大雨で客は私たち以外にいなかったが、そんな日でも朝から用意されたであろうその香りに、この土地のおおらかさと豊かさを感じた。

豪雨と言って良い雨。ロープウェイも運行停止した。
茶葉を混ぜ込んだ炒飯。お茶の香りが後を引いて美味しい。

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