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雑記 338 青い鳥を探して

朝9時。外気温2℃。
この辺りで青い鳥として有名なルリビタキを探すウォーキングツアー出発。
陽射しはうらうらとしているが、風があって寒い。
フード付きの上着があって助かった。

泊り客の方が撮影したという写真

2時間ほどのウォーキングで、標高1500mの辺りの林までルリビタキを探しに行く。

ゆるゆると坂を上がり、左手に湧水が流れる小川がある。
川音はかなりの音量があり、空は風が通り、白樺や水楢の木々が揺れて音が鳴り、飛行機が空を斜めに飛ぶ。
周りはそれらの音に満ち満ちて、鳥の声は聞こえない。

ふっと川音が途切れると、
ウグイスの鳴き声が響き渡った。
これもあちこち鳴き交わしているわけではなく、やっと鳴き始めたウグイスの声。
川の流れる音が遠のくと、
ジシュウカラ、コガラ、ウソ、などの鳴き声が木立の上から聞こえてくる。

双眼鏡の使い方は出発前に教わったが、スズメほどの鳥が大きな木の枝から枝へと俊敏に飛ぶのを、追うのは難しい。
枝にじっとしていてくれれば、初心者でも、見ることはできるが、丸いレンズの中に鳥の姿を捉えると、当然のことながら全体は見えないので、慣れないものにとっては、双眼鏡を目に当てたり外したり、無駄なことが多いようだ。

ドウダンツツジが群生している場所まで来たら、ルリビタキの鳴き声が聞こえる、とガイドが言う。
広大な林の中で、小さい青い鳥を探すのは、至難の業だ。だから、鳥探しは、勿論、ガイドがいなければ、初めての者には不可能なことだ。

バサバサ、と音がして、見上げると、サシバという鷹の一種が、飛び去った。下から見ているので、腹側は白く、大きくて、威厳がある。双眼鏡で見る必要はないが、レンズには入りきらない大きさで、飛んで行く姿を追う。
鳥が飛ぶ姿は、瞬間のことなので、カメラに収めることは出来ない。

鳴き声を頼りに探していると、ドウダンツツジの林で、ルリビタキを発見。探して出かけても、遭遇出来ずに帰ることもあると言うから、幸運だった。あまりに小さく、デジカメやスマホで撮影することは出来ない。

林の中で微かな鳥の声に耳を傾け、空を見上げ、小さな影が動くと息を呑んで双眼鏡を覗く。
2時間半のウォーキングで、出会えた鳥の数は僅かだったが、生まれて初めて、噂に高い「ルリビタキ」を自分の目で見た。勿論「サシバ」も初めて。

帰り道、坂を下っていたら、庭に不思議なものがあった。

節分の頃、牡鹿の角が取れて、落ちるのだそうで、それを重ねてあった。

4月の今頃は角が生えてきて、その角を木の幹で研ぐ。

熊の爪痕かと思ったが、これが、牡鹿が角を研いだ跡の傷だと言う。

何でも体験してみるものだと思った1日。

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