雑記 222 Unexpected Joy
檸檬ーー
一昨年花が咲いて結実する前に、蝶の幼虫(イモムシ)が、花芽や葉を食ってしまったので、昨年は、頃合いを見て、野菜用の殺虫剤をかけた。
そうしたら、枝はスクスク伸び、花も咲いたけれど、蝶が寄り付かなくて、受粉がうまく行かなかったのかもしれない。
昨年は実は少ししかならなかった。
実がならない、ということは、樹形を保つのに精一杯、ということもあるのではないか。
まず、一番は、木に水分や栄養を送る根が十分機能することと思って、ひと抱えもある大きな鉢に植えてあった木を、庭の端に穴を掘って植え替え、大地に預けた。
狭い庭の端っこで、日当たりも風通しも、もともとそんなにいいわけではない。だから檸檬の木が育つための理想の環境などと贅沢は言えない。
植え替えた後、少し枝を切って形を整えた。
今年は春になってもどういうわけか、いっこうに花は咲かなかった。
檸檬は一年に何回か花を咲かせるという話よ、と友人が言い、私も、以前、夏近くなって2度目の開花は見たことがある。
だが、今回は、2度目の開花も見なかった。
仕方がない。
自然のものに無理は言えない。
今年は見送り、
と思っていたけれど、
さっき見たら、木の下の方に、
ひっそりとひとつ檸檬がなっていた。
嬉しかった。
ジューンベリーの木に登って行った薔薇も、ひっそりとローズヒップを膨らませている。