そういえば、

“ ページをひらくことは世界をひらくことでした。” たぶん、きっと、たくさん考えて内側から静かに溢れ出す、たとえ少なくても、纏わりつく濃密な知識が出来上がっても、それでも飲み込みづらいものばかりの此処に、生き続けられるのは、別の場所に行ける手段があるから、ゆるゆるなひととき、ねむくなってきたときのおつまみ、現実に近いようで夢うつつな、この本一冊持っていればどこにいても優しい気持ちになれます。
目次を見て、選んで、嗜む、最後の一行でにやけさせてくるお話、内緒話、少しの荷物で旅したくなったり、初対面の人のどうでもいい話を聞きたくなったり、もはや現実がオプションになる。
それだけで、それだけが良い、そう思えることがあるから生きちゃうんだろうな、だって愛しい。青いインクの万年筆、欲しくなります。

2019/07/20




左手の、人差し指を引っ掛けて、頭の上に、それから、上下を逆に。ぼくは今日も、本に甘えている、
手が届く贅沢に溺れて、ぬるくなる前に全てをこぼしている、
黒色のボールペンを、いくつも買ってしまう、
思い込みって、いやらしいわ
おやすみなさい

2020/01/13




気づいたときにはもう、遅い、僕の、ぼくが見てきたはずのことと、こころと頭が生み出したこと、どちらも手放した。視界が明るくなって、時間が流れていくことを確認して、指先で溶ける君の一部、かなしいこともあったのに君は笑う、一生懸命、ほどいていく。ふたりを包む空気だけが、許された世界で、わずかな変化も、愛しい、それだけあれば、それさえあれば。言葉が、隙間の邪魔をする、埋めるのではなく、纏わせる、丁寧に、僕を置いていく。どうしようもない、この手ですくった君が、泳いで行かないように、ぼくは、静かに息を吐き出した。隙間から、すり抜けていく音がした。見えない温度が恥ずかしかった。すべてを忘れた綺麗な君が、ただ、じっとして、そこにいた。

2020/02/08




抵抗するのも、ずいぶんと体力がいる。黒板を背に立つ教師や、世間のルールに刃向かう人を見ると、より一層、そう思う。

ぼくはきみを知らない。心の滲んだものを取り出してみても、テレビで紹介されてる流行のシンガーソングライターのほうが、ぼくの何倍も、きみに寄り添えてる気がする。

目の前を見つめてよ。こっち、向いてよ。


お金を払って得たもののほうが安心する?









ねえ

2020/3/30









好きは、今も突っかかったままで、君からは受け取れないままで、存在が全てなのに、それだけが僕なのに、暗闇が、星を照らすのに、
汚いものを美化しなくていい、汚いものは汚いままだし、たとえ必死に覆ったって、いつか剥がれてまたくるしいだけ、







どっかの世界はまるで、昨日も明日も同じことである
死に対して固執した不味さは、生に対しても魅了している

知りたいのは事実ではなくて、手にしたいのは本物ではなくて
どう感じるか、が、果てることなく排出されているのに、
自分の勝手で摘んで、もぎ取っていることに恥じている
ということを、それ自体を、また自分の体内で実感できているか、気付けているかどうか、他者の概念を守りすぎてはいないか

どっかの世界はまるで、拾うも捨てるも同じことである
僕に対して固執した優越感は、君に対しても纏わりついている







全然ただの言葉すぎて胡散臭いわ

2020/08/31








たとえば、夜行バスに乗って、東京に向かってた頃を、そのときの冬の寒さを、思い出すような一曲。目的を抱えながら、音楽を垂れ流して眠ってた。今よりもっと、ガムシャラに生きてたな。どうしてか、過去の自分が常に頼もしい。特別な場所なんてどこにもなくて、自分が行くから特別になる、くらいの感覚で。


それでも、






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