経過観察とキダタロー
コシタがキダタローに目覚めた。
コシタの入院してるお部屋は赤ちゃん用。
4人部屋とかそういう感じではなく、ざーっと赤ちゃんが均等に並んでいる。
そうなると起こりがちなのは、エーンエンリレーだ。
Kくんが泣き、
刺激されたYくんが泣き、
遅れてUくんも泣く。
いや待て、ここは心臓の病棟だ。
みんなあまり泣いちゃダメ。
看護師さんがすぐに飛んできてくれる。
進めないといけない仕事もたくさんあるだろうけど、赤子は泣き止ませないと泣き止まない。
少ない人数で赤ちゃん泣き止ませリレーだ。
なので、長時間の面会が比較的歓迎されてるように感じる。
私がいれば、コシタはリレーにエントリーしない、
もしくはエントリーしても私にまかせてしまえばいい。
比較的ごきげんな子なので泣き止ませるのは簡単なのだけど、今彼女は水分制限をされている。
水分の排出がうまくいってないと心臓に負担がかかるので、軽い脱水症状で身体機能の様子を見てるのだ。
つまり、お腹いっぱいまでミルクを飲めない。
か細い声でニャーニャー泣いてたはずが、突然病棟の入り口まで響くとおる声に成長した。
そんな声で泣いたら、リレーの起点になってしまう。
ここにおいて、私の責任は重大なのだ。
お腹がすいてきて泣きたい。
でも決められた時間まで結構あるとき。
私にできることは
コシタをご機嫌にすることか、寝かしつけることだ。
今のところこの子は聴力には問題はなさそう。
(視力は…見えてるが、眼球の揺れが気になる)
というわけで、どんな歌が好きか。
リズムを探り探り母は歌うわけである。
これまでコシタに試してみたのはこちら。
https://note.mu/yawn/n/n03ac7f973dee
あ。
今読んだら、ここにもリレーの話書いてるな。
どんな歌がいいかなーと、SNSで他の方の寝かしつけ歌を聞いてみたが、やはり童謡が多い様子。
(余談だが一度『童神』を歌ってみたら、私の涙が止まらなくなってしまった……。よければググってみてください)
私はあまり童謡やポップスを知らないので、最近CMの歌を試してみている。
そして見つけたのだ。
確実にコシタに喜んでいただける歌を。
とれとれピチピチカニ料理。
とれとれピチピチカニ料理。
そう。
かに道楽である。
浪速のモーツァルト、キダタロー作の『かに道楽』の曲である。
これがまた、まったく意味がわからないくらい喜んでいただける。
同様に、こちらはローカルな話ではあるが、広島のお好み焼きチェーン店『徳川』の曲も喜んでいただける。
ダウン症の赤ちゃんは基本ご機嫌という話を聞いていたが、ご機嫌すぎやしないか?
とれとれピチピチカニ料理。
とれとれピチピチカニ料理。
手術前は笑うときは声を出して笑っていたが、今は声を出してくれない。
そもそもダウン症の子は話せるか話せないかの問題もあるので、どうか早く笑い声を取り戻していただきたい。
そのために母は今日も、かに道楽の歌を歌うのである。