産後入院中にすべきこと

これを読んでくださっているあなたは、
すでに赤ちゃんと対面されているのか、
またはもうじき赤ちゃんと対面するのか。
どちらにせよ、新しい命と向き合うための準備のために、この記事を開いてくださったのだと思います。ありがとうございます。

私は出産経験はたったの1回しかありません。45歳で初産だったので、その1回が最初で最後だと思います。
ですので、経験談はそれほど多くないのです。が、科学的なこと、中医学的なこと、の情報や知恵を持っています。
それらと自分の経験を照らし合わせて見たときに、おおよそ確からしい答えが見えてくるなと思いならが、日々育児をしています。

そんな私の考える「産後、入院中にすべきこと」。

実は、大体のことは、入院中に限らず、産後いつまででもやったほうがいいし、いつからでも始めたほうがいいことです。
何なら、始めるタイミングは妊娠中や妊娠前からでもよかったよね、と感じることが多い。
でも、入院中にしておくほうがいいことが、いくつかあるので、ご紹介します。

まず、入院中というのは、とても特殊な環境です。

  1. 育児の専門家がすぐそばに大勢いる

  2. 赤ちゃんと自分のことだけしていればいい

  3. 何なら赤ちゃんのことは少し専門家に任せて自分のことができる

この環境を生かして、いくつかのことを入院中に練習しておきましょう。
専門家が周りに何人もいる、というような環境は、次に出産する時までやってこないので、人によってはもう永遠にない素晴らしい環境なんです。

入院中に、沐浴の仕方は必ず教えてもらえますが、
抱っこの仕方、授乳の仕方、ミルクのあげ方、おむつの替え方なども教えてもらうのがおすすめです。

おむつの替え方は、タイミングや拭き方もありますが、
漏れにくいあて方を習っておくといいんじゃないかなと思います。
これは赤ちゃんごとに個性があります。外泌尿器の形や排尿の勢いによって、どの向きにどう出てくるかが違う。
だから、「大体こうあてておけば大丈夫」というあて方があるけれど、中には漏れちゃう子もいる。そこは、専門家さんにみてもらいつつ、どう考えてどう改善して行くのかを見せてもらうのがいいと思います。
もちろん、赤ちゃんはすごいスピードで大きくなって行くので、この時に教わった通りにしていても、漏れる日が来るかもしれません。が、一緒に考えた経験が、その時にも役立つはずです。

次に抱っこの仕方ですが、これは実は自律神経の調整機能に関係していると言われます。
ざっくり言えば、ちゃんとCカーブを維持して抱っこすること。そして、お母さんが反り腰になっていないことと、両足にきちんと体重が載っていること。
このあたりがポイントになります。
赤ちゃんのCカーブを意識するだけだとうまく行きづらく、まずはお母さんの骨盤のむきと重心の位置(低め、まん中)を整えることが先です。
※そのために、亘lab.では「コツ★トレ!」を推奨しています。無料記事があるので、そちらもご覧くださいね。

授乳やミルクの時の姿勢も、抱っこと同じで、赤ちゃんの神経発達に関連があるとされています。
ポイントはこちらもCカーブです。Cカーブを維持した状態で、「乳首を吸う」という動作をする(そのための筋肉や神経を使う)ことで、胃腸機能に関連する自律神経やその他内臓神経が発達していくそうです。
そして、抱っこもそうですが、授乳は特に「お母さんが楽な姿勢」であることも大事です。
乳児の育児は肩が凝ります。授乳の姿勢がカギを握ります。
赤ちゃんが飲みやすく、Cカーブを維持できて、お母さんも楽な姿勢。
これを叶えるように、うまく授乳クッションなどを使う、という考え方で、産院の看護師さんや助産師さん、保健師さんたちに相談してみてください。

そして、3食上げ膳で、お風呂も入れて、掃除をしなくてもいい。
この環境も、入院中だけの人がほとんどかと思います。家事を全部やってくれる家族かプロがいればいいのですが。
この環境を生かしてやっておきたいことは、
赤ちゃんに五感をフルで向けること。
五感とは
視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚
です。

中でも大事なのは触覚です。
視覚情報で相手のことを理解できるのは、表情や姿勢動作と感情などがリンクしている場面をいくつも見る経験をした後です。聴覚もそうです。ましてや「言葉」から相手のことを理解するなんてのは、言葉を理解してからですから、かなり後のことになります。
触覚は、とても原始的な感覚なのです。
動物によっては、肌表面の神経から入ってきた信号によって中枢神経系が構築されていく様子が、画像で解析されているものもあるほどです。脳ができて触覚を感じるのではなく、肌刺激があってこそ脳ができる、ということです。

お子さんと、肌同士で直接、また衣服の上からでも、ふれあい、たくさんしましょう。
手のひらでお腹や首、頭を撫でる。
ほっぺとほっぺ、お腹とお腹をくっつける。
抱っこで全身を包む。
いろんな触れ方がありますよね。
赤ちゃんのお肌、とても気持ちいいので、癒しにもなりますし、積極的に触れていって欲しいです。

そして。
かわいい我が子、
ずっと見ていたい。
見ていなければならない。
他の人が面倒を見るなんてもってのほか。
という風に考え方が変わっていくと、誰にも頼れず、じぶんでじぶんの首を閉める状態になっていきます。

昔と今とで育児の仕方が変わってきている。と言います。
例えば、甘いものを初めてあげる時期や、食器を大人と兼用するか否かというようなことが挙げられています。そのせいで、自分の親やパートナーの親にも任せられない、という話がSNSには溢れています。
が、誰にも頼れないでギリギリギチギチしているお母さんを見ていると、子供もそうなっていきます。それほどに、子供の学習能力、模倣力は強いです。

どれくらい離れられるかの線引きの練習を、専門家を相手に、入院中にできるといいですね。
私の入院していたクリニックでは、「お母さんのご飯中に赤ちゃんが泣いても、少しは泣かせておきなさい」と言われました。「赤ちゃんが泣いてたらご飯が食べられない」ということは、退院後、お母さんはずっとご飯が食べられないことになる、ということでした。
離れすぎは愛着障害の原因になるとされていますし、線引きを探っていく第一歩を入院中にしておくのがいいかも知れませんね。
このためにも、前述した、たくさん触れ合うことというのが大事になってくるともいえます。

具体的に教えてもらうといい項目はいろいろあるかと思いますが、
一番大事なのは、頼り方を覚えること。
退院後は周りに誰もいないというお母さんもいらっしゃると思います。
実は「周り」にはたくさんの頼れる人がいるのですが、頼り方がわからないと孤独になります。
頼る練習を、専門家を相手にしておきましょうね。


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