me time の過ごし方とは? スナフキンに学ぶ一人時間を持つ意味
「本当に落ち着いた気持ちになれるのは、一人の時間かもなぁ…」
しみじみとそんな事を思う週末です。今週はいつもよりゆったりと過ごす時間を持てました。
ちょっと濃い目に抽出した水出しコーヒーをいつもより多めのミルクで割って、図書館から借りて来た読みたかった本を数冊読む。
やってる事は質素そのものですが、流れる時間は贅沢です。
こうした「一人時間」の価値について考えます。
me time の価値
「一人の時間」と聞いてどんなイメージを持つでしょうか。
大きく二つに分かれると思います。「一人」をどう捉えるか、によりますが、寂しいという風に捉えるか、自由と捉えるか。
これは置かれた境遇や、その時々の環境や気分によるかも知れません。
上記の二つの捉え方は英語ではこう言い分けるそうです。
Lonely time 孤立した寂しい時間
Solitary time 自由で心地よい時間
なるべくなら後者の表現で、「価値ある時間」と捉えたいものです。
ベターライフには一人時間が欠かせません。上記の二つとは別のくくりとして、リラックスして一人で好きなことをして過ごす「自分の時間」のことを、英語ではme time と言います。
先行き不透明でも、最後に自分を支えるのはこのme timeではないかと思います。
このme timeの達人、というか師匠的なキャラクターがいます。それはムーミンに登場するスナフキン。男性は特に、誰もが憧れるクールで優しいあのスナフキンは実はme timeを人生の軸に置いているキャラクターです。
スナフキンの人生哲学に学ぶ
トーベ・ヤンソンの名作ムーミンシリーズの中でも特に人気の高いスナフキン。旅人で、詩と音楽と自由を愛するミニマリストです。スナフキンは一人の時間がとにかく良く似合います。
スナフキンは何からも縛られる事を嫌います。身軽に生きるために物を所有する事をも嫌います。そんなスナフキンから一人時間の持ち方について学びましょう。
me time のバランス
スナフキンは一人の時間を愛しています。その究極のアクティビティが一人旅。ムーミン谷の仲間たちと楽しく遊んでいるかと思えば、ふらりと一人旅に出かけてしまいます。何かに染まったり、何かを背負う事を嫌っているかのように見えます。
でも一人の時間を大切にしながらも、周りの人を拒んでいるかというとそうではありません。スナフキンはムーミン谷の仲間たちをとても大切に思っています。
そんなバランス感覚が絶妙です。どちらか一方でもダメで、両方やる。そのウェイトはスナフキンの感覚に従う、という感じです。旅に行きたくなったら行く。
自分の本音を無視しない
この感覚が、自立したスナフキンの大きな魅力であり、我々が学ぶべき点とも言えます。
「自由」を知る
自立したスナフキンは自分を自由な状態にしておく達人です。そんなスナフキンのセリフをご紹介します。
「おまえさん、あんまりおまえさんがだれかを崇拝したら、ほんとうの自由はえられないんだぜ。」
自由を愛するスナフキンらしい、シビれるカッコ良さを感じるセリフです。異父兄弟であるミィもですが、彼らは自由について良く分かっています。誰かに依存してしまうとそれはもう自由ではない。それでいて人との接点は大切にする。心地よい距離感の中で自分の自由を尊重するスナフキンは、他のメンバーから愛され尊敬されています。
一方で、尊敬されすぎたり、特別扱いされることもスナフキンは嫌います。自分という価値に対して、過大に評価される事なく、自然の一部かのように、皆と平等に「あたりまえの存在」として受けとめられる。そんな事を願っているのかも知れません。
「感性」を大切にする
次に紹介するスナフキンのセリフは今の時代の我々にとても大きな学びを与えてくれます。
「なぜみんなは、ぼくをひとりでぶらつかせてくれないんだ。もしぼくが、そんな旅のことを人に話したら、ぼくはきれぎれにそれをはきだしてしまって、みんなどこかへいってしまう。そして、いよいよ旅がほんとうにどうだったかを思いだそうとするときには、ただ自分のした話のことを思い出すだけじゃないか。そういうことを、どうしてみんなは、わかってくれないんだ」
とても哲学的なセリフです。旅で経験したことを人に話してしまうと、実際に体験した事、その時に感じた事、考えた事などはどこかへ行ってしまう。いざ旅について思い出そうとした時には、自分が誰かに話した断片的な情報を思い出すだけになってしまう。それはとても残念なことなんだと嘆いています。
これはSNS時代の我々には耳の痛い教えかも知れません。旅先で美味しい料理が目の前に出されても、出来立ての食べ頃を無視してSNSで映える写真をいつまでも撮っている人をたまに見かけます。誰かに話をするネタのために行動をする。これは自分中心ではなく他人中心の行動です。
そうではなく、その時に、その瞬間に「自分が感じている事」に目を向ける事の大切さをスナフキンは教えてくれているように思います。
旅の記憶を記憶のまま大切にしたい。だからそっとしておいてほしい。スナフキンは「人のための時間」ではなく「自分のための時間」を最優先しています。自分が価値を感じていたらそれでいい。この発想は自分で自分の人生のステアリングを握っている感覚です。
自分だけの大切な記憶を、自分の中だけにそっととどめておく。これはとても贅沢なことなのかもしれません。そんな風に一人の時間の価値や豊かさを感じられると、人生はもっと豊かになるのかも知れません。
まとめ
一人の時間は自分を内省し、自分と向き合う大切で貴重な時間です。なるべく何からも縛られずに自由な時間を確保したいものです。
一人時間の達人のスナフキンは自分の本音を無視せずに、感性を大切にして行動する素晴らしさを教えてくれています。
自由を愛し、誰かに依存し過ぎず、自立した自分を持つ。それでいて仲間との調和も大切にするバランス感覚。あくまでそのバランスの舵は自分の感性や自由さから判断する。
身軽に生きながらも、心豊かに、人に優しく生きているスナフキンの生き方から学べる事は多いです。
そんなme timeの達人スナフキンに学び、より自由な一人時間を過ごせたら、人生はより豊かになるのかも知れません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。