ストレス多めの今、「怒り」との付き合い方を考えてみた(怒りは道具としてコントロールされている)
生きていれば嫌なこともあります。時に沸き起こる「怒り」の感情、どう処理すべきか…?
「嘘でしょ!?この状況でなぜあんたはそんな態度がとれるのか?どういうつもりだ(怒)」
今日、久しぶりに仕事中に怒りの感情がこみ上げた。相手のあまりに無責任な態度に感情的になってしまった。少し反省しつつも、果たしてこの怒りの感情、本当に悪いことだったのだろうか?
そこで、この「怒り」の正体と、どう付き合うべきかについて考えてみました。
ストレスフルな今、少しでも参考になればと思います。
1.怒りを感じる人、感じない人
そもそも、同じ状況に直面しても、怒る人と怒らない人、2通りの人がいます。
怒らない人は①現状に満足している人、②あきらめている人。つまり、元々怒ろうとも思ってない、もしくは怒っても仕方がないと思っているので怒りが芽生えない。
一方で怒る人とは、「こうありたい」「こうあるべき」という理想があり、それが実現しないと分かった時にイライラ、ムカムカという怒りの感情が芽生えます。
つまり、怒りによる行動とは、理想に向けて何かを変えようとする前向きな感情と行動とも考えられる。
2.怒りは悪い感情なのか?
「事態を良くしたい心の現れ」が怒りと言えます。そう考えると、一見大人気ない感情に見える「怒り」は、実は健全な感情なのではないかと思います。
例えば、コンビニで買い物をしていて店員からお釣りを投げて渡されたとします。その時に思わず「あなた、接客の態度としてそれはおかしい!」と怒ったとします。実はこれ私が実際にやった事があるケース(汗)
このケースは今思うに、ひどい接客レベルを放置しておくと、先々ずっとストレスに苛まれる事を連想し、怒りの行動に出たのだと思います。毎日使うコンビニのサービスレベルが上がる事を期待してのこと。
未来を考えて、あるべき姿から目の前の現状を放置できない、という感情はとても正しい感情なのでは、と思うのです。
3.怒りは沈めるべきか?
あながち悪い感情ではない「怒り」。でも、周りの人からすると不快なものだったりします。では、怒りは沈めるべきなのでしょうか?
特に日本は「和を持って尊しとなす」の文化。「どうぞ」と相手に譲るのは、日本人の美徳と思われがちです。
ですが、自分の事を後回しにし過ぎるのもいかがなモノかと思います。怒りの感情まで相手に「どうぞ」と譲ってしまうのは美徳とは言えないのではないのでしょうか。むしろ、自分の気持ちを軽視しているのに他ならないのです。
自分を無視してほしいと思う人などいません。相手に遠慮して気ばかり遣っていると、結果として自分を無視してしまう。これが癖づいてしまうと、自分からも周りからも無視され、結局私は誰の為に生きているのかと見失ってしまう恐れすらあります。
「自分を無視する者はやがて誰からも無視される」
自分を大切に出来るのは誰でもなく自分であると改めて思うのです。
4.アドラー心理学から見る「怒り」の正体
アドラー心理学の「嫌われる勇気」の中で、「怒りは捏造される」との記載があります。
ショッキングな表現ですが、これはつまり、怒りはコントロールされており、出し入れ可能な「道具」ということです。
よくお母さんが子供に怒鳴ったりしますが、それは母親が自分の思い通りに子供を動かしたい時に怒りの感情を道具として使っているということです。
「怒りに駆られて衝動的に怒鳴った」というケースは実は「反論するため」などの目的があり、持っていきたい方向へ導くために、怒りの感情を作り上げ、語気を強めた、という事。
また、アドラー心理学の重要な考え方に原因論と目的論があります。
原因論:「過去の出来事が原因で、現在の自分がある。現在は常に結果。」
目的論:「現在の自分は、未来の目的を達成するために生きている。現在は常に未来への手段。」
目的論は未来への手段として現在を捉えています。このアドラーの考え方が素晴らしいのは「未来は変えられる」というスタンスであることです。とても、ポジティブな姿勢ですね。
そして、怒りは「道具」であり。その道具で未来をあるべき姿に持っていく行為なのです。
まとめ
怒りは未来視点のコントロールされた道具であり、その前提には「もっとよくありたい」という前向きな目線があるという事がわかりました。
自分を押し殺して怒りを抑える行為は、自分を無視し、あるべき理想から目を逸らすということ。
逆に自分の怒りを表現するという事は、実は自分を大切にしている行為、自分の人生を生きているという事だと思います。
こう考えると「怒り」はとてもポジティブな感情だと思います。改めて、自分を大切にし、より良い未来に向けて、上手に怒りと付き合っていきたいと思います。
ストレスのたまりやすいこの時期、我慢しすぎず、無理せず、なるべく自分に素直に感情を表現していければよいですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。