「怒り」をポジティブに考えてみた(成長機会に変える3つのステップ)
周りを見回すと、最近怒っている人が意外に多いことに気付きます。 外出自粛の今、見えないストレスを誰もが感じてます。怒りの感情について、昨日考えをまとめてみました。
怒り自体は、あるべき姿とのギャップが引き金になる、と昨日の記事では整理をしました。今の緊急事態宣言が発令されている環境は、誰もがみな「あるべき姿」と程遠い環境にいる、超イレギュラーな状態。そう考えると、誰もが「怒りやすい」環境とも言えます。
「怒り」自体は、現状を改善し、より良い状態に持っていく健全な感情だと思います。しかし、そこは人間。正直、怒りの感情と付き合うのはめちゃ疲れます。私も基本は温厚派ですので、へとへとになります。。
怒りの感情を引きずらないためにはどう処理すれば良いのでしょうか。これまでにやってみた効果的だった対処法をまとめてみます。
「怒り」をコントロールする5つのテクニック
1.時間を置く
「時間薬」とよく言いますが、少し時間をとれば意外なほど冷静に客観的に思考が安定します。逆に言えば、時間が治してくれるとはじめから分かっておれば「この怒りはいずれ鎮まる」と考えて、気長に付き合うのも手ですね。
2.深呼吸&上を向く
やはり落ち着きたい時に深呼吸は有効です。「吸う」と「吐く」では特に「吐く」に意識を向けます。肺の中の空気をゼロにするイメージで、吐いて、吐いて、吐き切る。自分の中のネガティブな感情もすべて外に出すイメージでやると、短時間でスッキリします。
また、吸うときは思い切り上を向きます。新鮮な空気を取り入れるイメージ。実は感情を脳で処理している時、私たちの視線はだいたい下に向いています。腕を組んで考える時、視線は下に行きがちですよね。そこで、怒りの感情と決別するには、上を向いて感情を司る脳へのアクセスを遮断する。単純ですが、気分も上向きになるのでおすすめです。
3.歩く
カラダに刺激を入れることで、集中力が分散します。怒りでマインドフルな状態を「逆マインドフル状態」にする、という発想です。私は昨日イライラした後に軽いランニングをしました。すると、嘘のように落ち着きを取り戻せました。
4.鏡の前で作り笑顔
心理学者ウィリアム・ジェームズとカール・ランゲが提唱した、ジェームズ=ランゲ説というものがあります。感情は体で先に知覚し、後に心で感じるというもの。例えば、「悲しくて涙が出る」という状態は、「悲しい→泣く」ではなく、「泣く→悲しい」という順番で感情を処理しているという考え方です。
私は常日頃から「笑った方が幸せだ」と思っていますが、それはこの説に裏付けられた考え方です。楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しいのです。
「人は悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しくなるのだ」
この言葉も、聞いたことがある人もいるかと思いますが、同じ考え方ですね。怒りの感情の場合は、眉間にしわができ、歯を食いしばるといった反応が現れます。こういう表情をするから怒る、ということです。
つまり、感情を変えたければ、顔の筋肉の状態を変えるという発想。鏡の前で作り笑いでも構わないので無理に笑顔になることで、感情もおのずと怒りから遠ざかっていきます。人間の体は不思議ですね。
5.メタ認知(俯瞰で自分を見る)
自分の気持ちを自分というカラダから切り離して考えるのも有効です。鳥の目で俯瞰で自分の存在を上から見ているような感覚。客観的に自分を見て冷静になれます。また、「相手の言い分も一理あるな」「実は彼には別の意図があったのかな」と、相手の立場にも立てるので、暴走している自分に気付いたりもします。
以上のような対処法を試すだけで、怒りの感情はビックリするほどどこかへ行ってしまいます。
とはいえ、怒りの感情は消えても、「怒った」という事実は残ります。特にその後も関係を続けていく相手との間には、後味の悪さや気まずさが残ります。この「怒った」という事実をどう受け止めるのがよいのでしょうか?
「怒り」=成長の機会と捉える
「怒った」という事実をポジティブに捉える方が精神衛生上も、人間の成長としても有効です。
事実、怒りは「あるべき姿」と「現状」に大きなギャップを感じた時に表出する感情であり、「そのまま放っておくとよくない」というサインです。その怒りは、その瞬間は苦しんだり、困ったり、辛い時間になりますが、そのアクションをきっかけに物事が変わったり改善されたりする可能性は大きいのです。
事実、私はコンビニで接客態度があまりにも酷い定員に怒りの感情を伝えたことがありますが、その後その定員の接客態度は変わり、私はストレスを感じなくなりました。(私を覚えているかどうかはわかりませんが・・)
そう考えると、今は「あの時怒って良かった」と思えるのです。
「怒り」の経験の先には、状況が改善したり、大きな学びや成長があったりします。怒りは成長の機会であると、ポジティブに受け止めると、怒りとの付き合い方が180度変わります。
そして、怒りを成長の機会とするためには、3つのポイントがあると思います。
「怒り」を「成長」に変換する3ステップ
①「怒り」を自覚する
理想と現状のギャップに憤りを感じている自分を自覚します。これは同時に問題を発見した瞬間でもあるのです。成長のチャンスに出会ったと自覚する事が大事です。
②原因を特定し対処する
理想と現状のギャップの間に生まれた感情が怒りなら、次はその怒りの原因を探ります。それこそが「問題」です。この怒りはなぜ生まれたのか?そこがメスの入れどころです。そのためにはある程度冷静でいる必要があります。前述の5つの手法で、冷静さを取り戻しましょう。
問題の原因が特定できれば、アクションを起こします。相手に改善ポイントを伝えます。時に勇気がいりますが、この一歩が成長となるかどうかの分かれ道です。
③振り返る
アクションを起こした後、その事態がどうなったかを振り返ります。時には言い過ぎて「ごめんなさい」ということもあるかもしれません。しかし、そういう摩擦を経て人間関係がより強固になったりすることもあります。「ケンカするほど仲が良い」というのは、お互いにギャップを埋め続けて、問題が解決した先にある良好な関係とも言えます。振り返ることで、成長を実感できます。
まとめ
昨日の記事では「怒り」は悪者じゃない、という気づきで終わっていましたが、今日改めて整理しなおし、「むしろ成長の機会である」というところにたどり着きました。
実体験としても、「はじめはひどい人間関係だったチームが、ぶつかり合ってよいチームになっていった」という経験は過去にもありました。チームビルディングのメソッドとして、早い段階で「ストーミング(もめる)」をする」とう手法があります。これは正に、お互いの認識の違いを怒りのパワーも使いながら、ぶつかり合って腹を割って話すという事。衝突しケンカすることもあります。しかし、本音でぶつかりあったその先に、強固なチームワークが築けるというメソッドです。
「怒り」という敬遠しがちな感情を、ポジティブに捉えて、自分や周りの成長の機会に変えていけるといいなと思います。
みなさんも、ストレス多めのこの時期、今一度「怒り」という感情との向き合い方を考えてみてはいかがでしょうか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました!