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なぜ意思決定は疲れるのか?決定する意味を考える

「で、結局あの時の決定は何だったのかな…」

色々心配したり悩んだりして、最終的に決めたことでも、後々振り返って、状況が変わっていないこともあります。そんな時「あの決断は何だったんだ」という徒労感を感じがちです。昨日、この「意思決定」について考えをまとめました。

生活の中で決断するシーンは多いですが、迷ったり悩んだりしながら決断するのは結構エネルギーを使います。実は、決める価値がある事と、無い事があるのではないかと思います。

決断するエネルギーの上手な使い方について考えてみます。

その決定、本当に意味があるか

コロナ禍において、メディアではいろんなネガティブ情報が日々溢れています。例えば、ようやく我が家にも届いた「アベノマスク」について考えてみましょう。

会社の同僚とも「アベノマスクの政策についてどう思う?」といった会話をしたりします。賛成、反対、各々の考え方があり、「賛成、なぜならば〇〇だから」、「反対、なぜならば▢▢だから」と、自分なりの考えをまとめ、意見を決めて(決断して)発言しています。

でも、この会話の後、何となく感じる徒労感があります。その原因は何でしょうか。それは、この会話をした後の自分の人生に変化がないからです。アベノマスクに賛成だろうと反対だろうと、マスクは届き、使いたかったら使う、それだけです。

ヒトはゴシップが大好きです。ワイドショーや週刊誌では芸能人の不倫騒動を大きく取り上げたりします。○○さんの謝罪会見は良かったのか、悪かったのか、そもそも不倫自体だめじゃないか、などテレビを見て考えたり、感じたりします。これも自分の意見を決めたところで、自分の人生に何の変化もありません。

つまり、決断する価値がある問いとは、「判断の先に自分の人生に変化がある問い」だと思います。逆にいくら悩んで考えて、決断しても、自分の人生に変わりがなければ、それはそこまでエネルギーをかけて考える価値がないということです。

日々の生活を振り返ってみましょう。意味のないことに悩んだりしていないでしょうか。

「課題の分離」という考え方

ベストセラーとなった「嫌われる勇気」という本があります。これはアドラー心理学を取り上げた書籍。この中に「課題の分離」という言葉が登場します。課題の分離はアドラー心理学の中でも大きな柱となる重要な考え方です。

アドラーは「人間関係の悩みは全て対人関係の悩みである」と説明します。この「全て」と断言しているところが、痛快です。私たちは皆、日々「誰かとの関係」の中で生きています。人との間と書いて「人間」と読みますが、人は人間関係の中で悩むのです。

では人間関係の悩みがなぜ生じるのか。その原因は「自分の課題」と「他人の課題」がごちゃまぜになってしまうことが原因であるとアドラーは説きます。

自分の課題:自分でコントロールできる課題

他人の課題:自分ではコントロールできない課題

非常にシンプルですが、実は混同している人が多いです。自分ではどうしようもないことにモヤモヤと悩んだり、イライライしたりしがちです。

分かりやすい例で「ちっとも勉強しない子供に対してガミガミ叱りつけているお母さん」がいるとします。アドラーの視点で言えば、お母さんは叱りつける必要なんてないと言います。なぜなら、子供が勉強しないのはお母さんの課題ではないからです。勉強をせず将来大変な思いをするのは子供なのです。だからそれは子供の課題です。「冷たいな」と思われるかも知れませんが、自分がコントロールできることに精一杯の力を注ぐべきです。お母さんは子供の勉強時間を確保できるようにご飯の時間を調整したり、勉強しやすいように部屋を掃除したりする。これらはお母さんがコントロールできることです。実際に勉強をするかどうかは子供の課題なのです。

自分の意思決定や行動は「自分の課題」にのみ向けることで、無駄に悩まずにシンプルに生きられるのではないでしょうか。

意志力(ウィルパワー)は有限

最近「ウィルパワー」という言葉を見聞きすることが増えました。ウィルパワーとは「意志力」のこと。注意や感情、意欲をコントロールする能力といわれています。ウィルパワーは脳の前頭前野にあるそうで、認知を制御する実行機能や、やる気を制御する報酬系などに関係しています。

メンタリストのDaiGo氏は自身の著書『自分を操る超集中力』の中でこう語っています。

どんなに疲れていても集中力を持続させるには、ウィルパワーを枯渇させないことがカギ。

人間の脳は選択や判断、意思決定をする時に集中力を使い、同時にウィルパワーを消耗してしまいます。仕事上の重大な判断だけでなく、「朝ごはん食べるか食べないか」「お昼に何を食べようか」「風呂にするかシャワーにするか」「LINEを返すか返さないか」など、日常生活の中で無数に判断が繰り返されています。それら全ての決定にウィルパワーを消費します。

元アップルCEOのスティーブ・ジョブズ氏は、毎日黒いタートルネック、ジーンズ、スニーカーという格好をしていました。これは「今日はどんな服を着ようかな?」と悩まなくて済むからです。余計な意思決定をなくすため、ウィルパワーの節約のために同じ服を着ていたのです。

つまりウィルパワーを節約するには「無駄な選択」をしないことが大切です。

まとめ

日々、無数に繰り返される判断、選択、決定。これらを繰り返しながら、私達のウィルパワーというエネルギーは減少していきます。そして、それらの決定の中には、「決めても意味のないもの」も多分に含まれています。

決めた後に自分の人生に意味がある事を決める。そう意識すれば、無駄に悩まなくて済みます。その時に役立つ考え方が「課題の分離」です。

その課題は自分の課題なのか?それとも他人の課題なのか?

課題を分離し、自分でコントロールできる課題に真摯に向き合いましょう。逆に他人の課題に、無駄に首を突っ込まないことが自分の精神衛生を保つ上でも大切なことです。

そして、決めた時はその先の自分の人生が良くなるかどうかをしっかりと見つめること。自分の決定の先に責任を持つことが、「自分の人生を生きる」という感覚につながっていくのだと思います。


過去も未来もコントロールできません。コントロールできる「今」と「自分の課題」に集中しましょう。意味のある決断に大切なエネルギーを使いましょう。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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やわらかメガネりょう
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