君に届け
椎名軽穂が作者の漫画作品。
少女マンガを読まない人たちも名前ぐらいは聞いたことがあるであろう大ヒット漫画ではないでしょうか。この作品が発表されたのは、2006年の1月号だそうです。今が2037年なので大体30年前ぐらいですね。
10年前にやっと完結したこの作品ですが、私は今も読んだことが無いので内容は分からないのですが、当時ニュースになっていたのを思い出します。
えっと、明日ですね。京都人間フェスティバル。
いや、ちゃんと言えば20年前の明日、か。今僕はもう2017年に来ているので明日vox-hallで開催される京都人間フェスティバル、あれかもう20年たったと思うと、なんというかまだ心の整理はついていないんですが。
わんぱく清水が死んでから20年。
毎年、夏が終わる頃いつもあの事件を思い出すんだ。
あの時清水は笑ったんだよね。あんな事があったっていうのに。あの顔を僕はまだ忘れられなくてさ。
5年前、友人がタイムマシーンを完成させたなんて悪い冗談を言って僕を誘いに来たんだが、タイムマシーンは現実にそこにあった。
僕は半信半疑ながら意気揚々とした友人と一緒に乗り込み、時間旅行を初めて経験したのが五年前だった。
それから翌年、友人に頼み込みタイムマシーンを一度貸して貰った。
あの時の事件を防ぐ為に。
しかし出来なかった。正確に言うと覚えていないんだ。
いざ会場についた僕は緊張を抑えるために一杯ビールを飲んだ。
昔の姿のままの皆を隅っこの方で見ながら懐かしさや嬉しさ、色々感じちゃってつい涙がこぼれたなあ。清水もいたよ。
人懐っこい笑い声が僕の耳に届いてたなあ。
その時はもうビール8杯ぐらいのんでたかな。まだ19時過ぎだってのに。
十杯目のビールを頼んだ時だった。もうわんぱく清水の出番だって事も気づいて無くて、へべれけの俺はタバコを吸いながらぼーっとしてると女性の悲鳴が聞こえた。
俺はハッとした。
「しまった。忘れてた!!」
あの事件を防ぐ為にわざわざ未来から来たってのにすっかりライブが楽しくて飲み過ぎちまったんだ。
まあ終わったもんはしゃーねえと強気の俺はそのままタイムマシーンで未来に帰った。
酔っぱらってタイムマシーンなんて乗っちゃ駄目だぜ。
あれは酷く気持ちが悪いもんだ。
帰って友人にも酷く怒られた時間旅行中に船内にゲロ吐いたもんだからさ。
「お前にはもうタイムマシーンは貸さないからな!!」
あれから四年、友人に何度も頭を下げようやくまたタイムマシーンを貸してもらえる事になったのが先月の事だった。
俺は早めに過去に行き、微妙だった集客の手助けになればと思い居酒屋で出会う人々にライブの告知をして回ったもんだ。
俺えらい!
違う違う、そうじゃない。
明日こそはわんぱく清水を救ってみせる。
なあしみちゃん、この文章しみちゃんに見せれたらなあなんて。
君に届け。