さよならFEZ
僕の青春は今日終わった。
FEZがサービス終了すると聞いた時は特別な感情は湧かなかったが、実際に終わりを目にすると寂しさが込み上げてくる。
所々隠居していた期間があるにせよ、青春を11年捧げたゲームなのだから感傷的になるのは無理もない。
こんなに遊んだゲームはこれまでの人生にはないし、これからの人生にもないだろう。
FEZを一番やっていたのは大学1回生~3回生の頃だったように思う。
今ではすっかり鈍色の輝きを放っている毎日だが、当時は綺麗に輝いていた。毎日が夏の日差しみたいにきらきらとしていた。
自主全休を錬成してFEZをしたり、徹夜FEZのせいでバイト中に貧血を起こしたり、FEZのやりすぎで彼女と別れたり、サークルの友人をFEZ沼に引きずり込んだり、サークルの合宿の朝にFEZをやったり、さんざん馬鹿をやった。
初代FEZ用Twitterアカウントを作ったのも大学時代だった。
Twitterでいろんな人と交流したり、部隊を作ったり、揉め事を起こしたり、揉め事を眺めたり、みんなでラーメンを食べに行ったり、別ゲーでもつるんだり……。大学の友人と同じかそれ以上にFEZ民と遊んでいたように思う。
僕は青春時代をFEZと共に駆け抜けたと言ってもいい。FEZは楽しかった大学生活にスパイスを加え、より楽しいものにしてくれた。
それだけに大学を卒業してから急激にFEZを触らなくなったことが悔やまれる。
FEZを触っていればもっとメリハリをつけて仕事ができたかもしれない。適応障害を起こさなかったかもしれない。
何よりも、もっと触っていれば今みたいに「もっとやっていれば」と後悔しなかったかもしれない。
FEZは僕にいろいろなものをくれた。友人や煽り耐性など色々あるが、その中で僕の人生に一等影響を与えたのは職業だろう。
僕が教師になったのはFEZ(というよりとあるFEZ民)の影響が大きい。
僕は中高社会科の教職課程を取っていたが、実のところ教師になるつもりはあまりなかった。
日本史が好きだったから、教員免許は「僕はこれぐらい日本史が好きなんだぞ!」という証明程度に考えていた。
しかし大学2回生の秋、FEZで知り合った人にひょんなことから「君は良い教師になるよ」と言われた。この呪いは非常に強力で、僕はこの呪いから抜け出すことができなかった。
教師になった今でも「いい教師」であろうとして藻掻いているほどに強力な呪いだった。
何度か教職課程が辛くなって止めようかと思い悩んだことがあったが、呪いのせいで止めなかった。教員採用試験に落ちた時も呪いのせいで前を向けたし、サラリーマンをやりながら勉強を続けることができた。
あの人がいなかったら、ひいてはFEZがなかったら、僕は教師を志すことはなかっただろうし、よしんば志したとして、教師になることはできなかっただろう。
僕にとってあの人は恩人だ。あの人を引き合わせてくれたFEZには感謝してもし足りない。
……あの人は僕に呪いをかけた後すぐに高校生と付き合っているのがばれて界隈から消えてしまったが、それはまた別のお話。
FEZの思い出をもっと語りたいところだが、収拾がつかなくなるから、もうやめる。
FEZは終わった。とうとうメルファリアから卒業する時が来た。
僕はもう、青春を捨てなければならない。
今までありがとう。そしてさようなら。FEZに出会えて本当に良かった。
11年間の思い出と友人に感謝を。ファンタジーアースゼロに万雷の拍手を。
機会があればまた馬鹿騒ぎをしましょう。
それでは皆さん。また……また、会いましょう。
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