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民主党、全国大会、オバマ元大統領の心揺さぶる感動のスピーチ。全訳

皆さん、こんばんは。皆さんが既に見てきたように、これは通常の民主党大会ではありません。今は通常時ではないのです。ですので今夜、私は今回の選挙における利点を出来るだ明確に話したいと思います。なぜなら、私たちが今後(選挙までの)76日間に行うことが、次の世代に反響するからです。

私はフィラデルフィアにいます。私たちの憲法が起草され、サインされた場所です。それは完璧な文章ではありませんでした。非人道的な奴隷制を許し、女性だけでなく、財産を所有しない男性が政治的進展へ参加する権利を保証していませんでした。ですが、このことを憲法に埋め込んだことが、次の世代の道標になりました。その道標は、代議政治のシステム「民主主義」となり、その民主主義を通じて、私たちは自分たちにとって最高の理想とは何か、より気がつくことが出来ました。南北戦争や様々な苦い経験を通して、私たちはこの憲法を改善してきました。一度は取り残された人々の声を含めるためにです。そして徐々に、私たちはこの国を、より正義があり、より平等で、より自由にしてきました。

それら全ての人々によって、選挙で選ばれた憲法上のオフィスが大統領職です。ですので少なくとも、私たち3300億人——見た目や宗教、性別や富、あるいは誰に投票するかに関係なく、全ての人の安全と繁栄の責任の意味を感じて欲しい、と私たちは大統領に当然期待します。

しかし、私たちは大統領に、この民主主義の管理人でいることも当然のように期待すべきです。エゴや野心、政治理念に関係なく、本当に大勢のアメリカ人が行進し、その結果として刑務所行きとなったり、戦ったり、亡くなったりしてきた自由と理想を失わず保護し、そして守るものだと、私たちは大統領に当然期待すべきです。

私はオーバル・オフィス(大統領執務室)で、共に大統領選に出馬していた男性と話したことがあります。私は、自分の後継者が私のビジョンを受け入れたり、私のポリシーを継続するだろうと期待したことはありませんでした。私は確かに希望を持っていました—-私たちの国の利益の為なら、ドナルド・トランプが大統領職を真剣に受け止めることに、少しは関心を持つかもしれない、と。トランプがホワイトハウスの重さを感じ、彼が関心を寄せるべき民主主義がずっと目の前にあることに少しは敬意を払うかと期待しました。

しかしながら、彼は1度もそうしませんでした。4年近くもの間、彼は真剣に仕事をすることに、様々な人々と共通する土台を築くことに、彼のいるホワイトハウスが持つ素晴らしい力を、自分とその仲間たち以外の人を助ける為に使うことに、全く関心を示しませんでした。自分が何がなんでも欲しいアテンションを得る為のワイドショーのようにしか大統領職を扱いませんでした。

ドナルド・トランプは大統領として成長できなかった。何故なら彼には出来ないからです。そして、その失敗の結果は悲惨だ。17万人の人が亡くなりました。何百万という仕事が無くなる中、トランプとその仲間のトップ達は未だかつてないほど手にしているのです。私たちの最悪な衝動が世に放たれ、私たちの世界中に誇れる評判を地に落としいれ、そして私たちの民主主義的な制度は過去に類を見ないほど脅かされています。

今、これらのことが優先事項になる間に、皆さんの多くは既に心を決めたと思います。でももしかしたら、まだ誰に投票するか決めかねていたり、投票自体をするかしないか考えている人がいるかもしれません。もしかしたら、私たちが向かわされる道の先に、もううんざりしているのに、それより良い道が見つけられるていないかもしれませんし、道を導きたいと望んでいるリーダーのことをまだよく知らないだけかもしれません。

ですので、私の友人ジョー・バイデンについて話させて下さい。

12年前、副大統領には誰が相応しいか探し始めた時、最終的にブラザーと呼べる人を見つけられるとは思っていませんでした。ジョーと私は違う場所、違う世代から来た人間ですが、私が直ぐさまジョーに感心し始めたことは、難しい環境に生まれながらも抜け出した、彼のその復活力です。ジョーの有り余るほどの嘆きや悲しみから生まれた、その共感力です。ジョーは人生の早い時期に、彼が出会った人全てにリスペクトと尊厳を持って扱わなければならない、と学んだ男です。彼の両親が教えた「あなたより素晴らしい人はいないわ、ジョー。だけど、あなたは誰より素晴らしということではないのよ」という言葉と共に生きてきた男です。

その共感力、その良識、皆んなが頼れると思えるその信頼—-それがジョーという人間です。

仕事を失った女性とジョーが話していた時に、彼は自分の父親が失業したと話した時のことを思い出していました。

ジョーはシングルの親が全てを1人で抱えている、という話を聞いた時、自分もシングルで子育てする父親として、1日も欠かさず電車で自宅のあらるウィルミントンに戻り、息子をベッドに寝かせられるようにしていました。

ヒーローを失った軍人の家族に会った時、ジョーは同志としてそれを受け止めました。アメリカの兵士の親として、受け止めがたい喪失感を耐えなければならない者として。

8年間、私が難しい決断に迫らた時はいつでも、部屋に最後まで残っているのはジョーでした。彼は、私をより良い大統領にしてくれました。そして、彼は自分の特徴を掴み、私たちのその経験こそが、より良い国にしてく力となりました。

そして私の友人カマラ・ハリス。ジョーは、誰よりも大統領しての仕事の準備を欠かさない理想的なパートナーを選びました。障害物を乗り越えることがどういうことなのかを知り、他者がアメリカンドリームを生きることを助ける為に戦うことを仕事にした人物です。

物事を成し遂げるには、それに伴う経験を必要とするのです。ジョーとカマラは揺るぎないポリシーを持っています。より良く、よりフェアで、より強い国を作るというビジョンを現実に変えるポリシーです。

彼らは、このパンデミックをコントロールするでしょう、H1H1(2009年の新型インフルエンザ)を何とかコントロールし、エボラ大流行がアメリカの岸に辿り着くのを阻止する私をジョーが手伝ってくれたように。

彼らは、より多くのアメリカ人に医療を拡大するでしょう。ジョーと私がやったように。私が医療保険制度改革(オバマケア)を作り、法律にするために票を確定させるのを手伝ってくれた10年前のように。

彼らは、経済を救うでしょう。グレート・リセッション(戦後最大といわれた世界的金融不況)の後ジョーが私を手伝ってくれたように。リカバリー・アクト(復興法)、それは歴史上、長期間に渡る雇用の拡大の活性化を図る政策で、私はそれをマネージメントして欲しいとジョーに頼みました。そして彼は今、この瞬間を私たちが元いた場所に戻るためのチャンスではなく、大幅に遅れている変化を起こすためのものだと見ています。変化を起こすことで全ての人——自分1人で子供を育てているウェイトレスたち、常にレイオフの危機に晒されているシフト労働者達、来期の授業料をどうやって支払うか常に頭を悩ませる学生達が、本当の意味で少しでも生き易くすなるのです。

ジョーとカマラは私たちの世界での立ち位置を修復するでしょう。私たちがコロナパンデミックから学んできたように、それはとても重要なことです。ジョーは世界を知り、世界はジョーを知っています。彼は、私たちの本当の強さは、世界がフォローしたくなるようなお手本を作ることで生まれると知っています。独裁者ではなく、民主主義を支持する国家です。気候変動やテロリズム、貧困や疫病などの脅威を乗り越える為に、他者をインスパイアし集結させる国家です。

しかし何よりも私がいいたいのは、私がジョーとカマラについて知っていること…それは彼らは本気で全てのアメリカ人を大切に思っているということです。そして、民主主義を深く大事に思っています。

彼らは民主主義を信じ、投票の権利に敬意を払っています。そして私たちは人々が投票しやすくすべきなのです。より難しくするのではなく。

彼は誰ひとりとして—大統領を含んだ誰ひとり—-法を侵していいはずがないと信じています。そして公務員1人として—-大統領を含んだ公務員誰ひとり—-自分たちや自分たちの支援者が金儲けするために、公務オフィスを使うべきではないと信じています。

彼らはこの民主主義において、最高司令官が、全てを犠牲にするリスクを背負い私たちの国を守る軍隊にいる男性、女性たちを、私たちの国の土の上で平和的抗議活動をする者たちに対して配置するための政治的手段として使ってはならない、ということを理解しています。彼らは政治的に対立する者が”アメリカ的でない”ということではなく、彼らは自分たちにはただ賛同しなていないだけだ、と理解しています。報道の自由は”敵”ではなく、公務員の責任を保つものだと理解しています。彼らは、私たちの一緒に働く能力の重要性を理解しています。パンデミックのような大問題は、事実や科学、そして作り上げだデタラメではない理論に忠実でいることが解決するために必要だ、と理解しています。

この中の1つでも、大炎上するような議論を巻き起こすべきではないのです。これらは、共和党の原理だ、民主党の原理だ、ということにすべきではないのです。これらはアメリカの原理なのです。しかし、今この瞬間、大統領と彼の行動を可能にしている人たちは、自分たちは民主主義を信じていないことを示し続けています。

今夜、私は皆さんに、この国を暗闇から抜け出すためにリードし、より良く作り上げるジョーとカマラの能力を信じて欲しい、とお願いしています。しかし、問題もあります。アメリカ人誰ひとりとして、1人でこの問題を解決できないのです。もちろん、大統領ですら1人では無理です。民主主義は取引的であってはならないのです。あなたが投票してくれたから、私が全てを良くできるわけではないのです。民主主義とは、皆が参加することで形造られるのです。ですので、私はあなた自身の能力——市民としての責任を積極的に活用する能力を信じて欲しい、ともお願いしています。私たちの民主主義の基本が持ち堪えているのか、確かめるために。

なぜなら、それこそが今まさに危機に瀕しているからです。私たちの民主主義が。

実際、私はなぜ大勢のアメリカの人たちが政府に嫌気がさしているか理解しています。沢山ルールが作り続けられ、議会で前進を止めることに特に関心のある人にとって濫用され続ける、そのやり方です。うそじゃない、私は分かっているんだ。白人の工場労働者が賃金をカットされ続けたり、彼らの仕事が海外に委託され続けていることに、もしかしたら政府はもう自分たちのことなんて気にかけてもいないんじゃないかと感じたり、黒人の母親が一度も政府が自分たちを気にかけたことなど無いと感じていること、私は理解しています。新しくこの国にきた移民が、国を見回して、まだこの国に居場所があるのか思い悩んだりしていること、私は理解しています。若い人たちが今の政治を見て、まるでサーカスのように無意味で嘘だらけで気が狂ったような陰謀論だらけだと思い、そして考える、これら全てに意味はあるのか?と。

そう思うかもしれませんが、意味はあります。現大統領と彼の周りいる権力者—-大統領たちが行なっていることを放置し続けることで利益を得る者たち—-彼らはあなたの不信感を当てにしています。彼らは、あなたに自分たちのポリシーを納得させて味方にすることは出来ないのです。だから、彼らはあなたが投票するのを出来るだけ難しくします。そして、あなたを納得させるのです。あなたの投票に意味などないと。彼らはそうやって勝ったのです。彼らはそうやって、あなたの人生やあなたの愛する者たちの人生に影響する決定をしているのです。そうやって経済は、富を持つ者と政界に繋がる者によって、ねじ曲げられ続けるのです。そうやって、私たちの医療制度は、そのひび割れに人々を落とし込んでいくのです。そうやって、民主主義はしぼむのです。民主主義など完全に無くなるまで。

私たちは、それを引き起こさせてはならないのです。彼らにあなたの力を奪わせるな。彼らにあなたの民主主義を奪わせるな。どうやってあなたを民主主義に巻き込み、投票するか今すぐに計画しよう。出来るだけ早く計画し、家族や友達に、どうすれば彼らも投票できるか話そう。今より厳しい場面に直面しても200年以上、アメリカ人——行進を続ける勇気を見つけ、困難と不正を跳ね除け続けた、全ての沈黙のヒーロー達がしてきたことをしよう。

先月、私たちはアメリカの民主主義の偉大なる1人、ジョン・ルイスを亡くしました。数年前、私はジョンと公民権運動に参加した数名の存命しているリーダーと話ました。その内の1人が、自分がホワイトハウスに入り、自分の孫に似ている大統領に会うとは夢にも思わなかった、と話してくれました。そして彼は、色々調べたことを話てくれました。彼が独房に向かって行進し、南部のジム・クロウ法による隔離を終わらせようとした、まさにその日に私が生まれたことを知ったのです。

私たちがしたことは、次の世代に反響するのです。

私たちのバックグラウンドが何であれ、私たちは勇敢に戦った者たちの子供なのです。権利や異議を唱えられない搾取され続ける逃げ場のない場所で、偉大な祖父母たちは働いていたのです。農家の人々の夢は砂に消え、アイリッシュ、イタリア人やアジア人、ラティーノ達は、自分たちの国に帰れと言われ、ユダヤやカットリック、ムスリムやシーク教の者は彼らの崇拝の仕方に疑いを感じるようにさせられました。黒人たちは鎖に繋がれ、ムチ打ちされ、木から首吊りにされ、食堂に座ろうとすれば唾を吐きかけられ、投票しようとすれば殴られました。

この民主主義が機能しない、あるいは機能できないと信じる権利が誰かにあるとするなら、それはこれらのアメリカ人でした。私たちの先祖です。彼らは、彼ら全ての命には到底達しない、民主主義のかけらしか受け取れませんでした。彼らはアメリカのリアルな日常がその神話からどれほど掛け離れたものか知っています。それでも、諦める代わりに彼らは団結し、どうにか何とかして私たちが民主主義を機能させられるように、と言っています。私たちは、彼らの言葉を人生という私たちが創設する文書に入れておきましょう。

私はこの数年間、同じ魂の叫びが溢れているのを見てきています。家族が離ればなれにならないように(メキシコボーダーでの移民取り締まり)、様々な年齢やバックグラウンドを持つ人々が街の中心や空港、田舎の道路に集まって(抗議活動をして)いるのを見ます。新たな教室が銃撃にあうことがないように(銃乱射事件)。私たちの子供が無人の星で暮らすことのないように(気候変動問題)。アメリカの全ての人種は、アメリカのせいで不正や残虐な行為にさらされている人たちに、宣言するために団結するんだ。Black Lives Matter、それ以上でもそれ以下でもないんだ、と。この国の子供が誰ひとりとして人種差別の痛みを感じなくていいように、団結するんだ。

この夏、私たちを導いてくれた若い皆さん、私たちはより良くならないと教えてくれた皆さん、本当に沢山のやり方で、あたなはこの国の夢を埋め尽くしてくれました。古い世代の人たちは、全ての人は平等の権利がある、ということを追い求めねばなりませんでした。あなたにとって、それは与えられた強い信念です。これら全ての散らかりまくった状態や、なぜ良くならないのかという失望に対して、私があなたに知って欲しいことは、あなたが自分が何をしてもダメだ…と自制するシステムが、あなたがもつ強い信念に気が付くことを抑制させようとしている、ということです。

あなたは、私たちの民主主義に新たな意味をもたらすことが出来ます。あなたは、民主主義をより良くできるんだ。あなたこそ、欠けていた材料なんだ。アメリカのモットーに全力で応えることが出来る国になれるかどうか、それを決める1人なのです。

この選挙の後も、長く戦いは続きます。しかし私たちに勝利するチャンスがあるなら、それはこの選挙の結果に完全に掛かっています。現政権は、私たちの民主主義を叩き壊すことが彼らの勝利であると、示し続けています。だから、私たちは民主主義の立て直しに、直ぐに取り掛からねばなりません。選挙までの76日間に、私たちの努力を注ぎ込むのです。そして未だかつてないほどの投票数を叩き出すのです。ジョーとカマラ、そして都市部から地方までの候補者に投票するのです。私たちは愛するこの国が何に敬意を表して立っているのか、疑う余地を残さなくていいために。今日も、明日も、これから来る日々全てに(民主主義を疑わなくていいために)

Stay safe. God bless.









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