いのちのものがたり外伝 老師編3
「お久しぶりですね、お待ちしていました」
振り返るとそこには3年前、私に手紙を渡した若い弟子がいた。
「ええ、近くまで来たので」「さあこちらへ」
弟子は軽く微笑んで、道なき道を歩き出した。
30分ほど歩くと、山の中腹で弟子は立ち止まった。
「ここです。お待ちください」
彼が茂みに姿を消したと同時に、初老の男が背後からやって来た。
「よくいらした、旅は順調かね」「なぜそれを」
「なんでも知っているよ、わしはあなたの守り神のような者さ」
そう言って老師は笑った。私は薄気味悪さを感じて身震いした。
この老師と名乗る者は何者なのだ。