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親子でポッドキャストを聴き続ける日々

「ゆる言語学ラジオ」をリピート視聴する小3女子

家事をしているときや移動中、入浴中など、耳がヒマしているときはほとんど常に、ポッドキャストを聴いています。

小学校3年生の娘も同様に、自分の部屋でも車の中でも、私が貸しているiPadでお気に入りの番組を聴いています。

娘がハマっているのは「ゆる言語学ラジオ」。

最初は私が聴いて、赤ちゃんの言語習得についてのエピソードが面白かったので「こんな面白い話があってね…」と話し始めたら興味をもったのがきっかけです。「お母さんは説明が下手だから、よく分からない。そのポッドキャストを直接聴かせて」と(文章を書く仕事をしている私ですが、口頭での説明は確かに苦手…… 笑)。

かなり難しい話もしているのですが、パーソナリティの水野さんと堀元さんの掛け合いの面白さもあり、とても楽しんでいます。

その様子を見て、私も中学生の頃、TM NETWORKの3人がマニアックな話をしているラジオが好きだったことを思い出しました(それ以来、大人の男の人たちが好きなことについて嬉しそうに語るのを聴くのが好き)。

「ゆる言語学ラジオ」は現時点で190回以上配信されているのですが、娘は先日、全ての過去回を聴き終えました。今は、新着のエピソードがないときは好きなエピソードをリピートして聴いているそう。凄いな!

ちょっと困るのは、小学生に聴かせるには際どい話も出てくるところ。

先日は「お母さん、オナニーって何?」って聞かれました。性的なことを話していたのではなく、比喩表現として「それってオナニーじゃん」みたいな会話があったんですね。それ以前に小学生向けの心と体と性についての本を一緒に読んでいたので、簡単な語義と、それを比喩的に使っているという説明をし、事なきを得ました(多分)。

車で移動中に聴いていて、「このエピソードは一緒に聴いて面白いとは思えない。飛ばしてくれない?」と頼んだこともあります。

まあ、こういうことはテレビを見ていても本を読んでいても起こり得るので仕方ない。それ以上に、「当たり前に使っている言葉を、深く探求する言語学というものがある」とか、「研究者の人って、こんなこと考えて、こんな仕事をしてるんだ」といったことを、この歳で知ることができるコンテンツに触れられて、幸せなことだと思います。

ズルズルとポッドキャスト沼にハマる母

娘が聴き始めてから、私自身は「ゆる言語学ラジオ」を再生しなくなりました(しょっちゅう漏れ聞こえてくるので)。その代わりに、最近はその派生コンテンツである「ゆるコンピュータ科学ラジオ」を初回から順番に聴いています。

他にも、ひとつの番組が面白かったら、同じパーソナリティによる他の番組や同じテーマの番組を探したりして、どんどんフォローする番組が増えてきました。ここで紹介しようとして数えたら、常に最新のエピソードを追っている番組が14も! すっかりポッドキャスト沼にハマった感じです。


私のApple Podcastsの画面(NHKは最近ほとんど聴いてません)

いま聴いてる番組

ここからは、その14の番組の紹介です。

ゆるコンピュータ科学ラジオ

娘はこれも聴いてみたものの、さすがに難しかったようで、「お母さんが聴いて、説明して」と頼まれました(「説明下手」って言ったくせに……)。ガチでコンピュータ科学の解説をしている部分は数学や理科的な知識も必要で、私にもなんとなくしか分からない……。でも、意外と人生や仕事にまで発展する話題が多く、いろんなヒントをもらってます。

こんにちは未来

ポッドキャストを聴くきっかけになった番組。語り口はゆるいんだけど、社会派な話題満載。アメリカの現状が話題にのぼることが多く、日本を相対化して見られるのが面白いです。

コクヨ野外学習センター

「こんにちは未来」の若林さんがやっているということで、聴き始めました。人類学者の方々が異文化の世界を語るシリーズは、自分の常識が大きく揺さぶられる感じで気持ち良い。もう更新されないのかな。またやってくれないかな〜。

もしもし世界

「こんにちは未来」の佐久間裕美子さんが、お友だちのeriさんとおしゃべりする番組。2021年で更新が止まってしまったかな? 私が気候危機について真剣に考えるようになったのは、この番組の影響が大きいです。

Emerald Practices–エメラルド プラクティシズ

サスティナブルな暮らしを模索する友人が教えてくれました。気候危機に関連する専門家やアクティビストがゲストに登場することが多く、勉強になります。気候危機に加えて動物の福祉という視点も、提供してくれる番組です。

荻上チキ・Session

新聞を購読していないのですが、「これを聴いていれば時事問題を追える」という安心感。ゲストの専門家の話が興味深く、知的好奇心も満たされます。国会の音声が流れることが多いのですが、それを聴いて政治家の言動に幻滅することが多々あるのが、良いのか悪いのか……。

たべものラジオ

最近よく人に勧めるのがこちら。味噌、日本酒、あるいは「冷やす」などの食にまつわるテーマについて、料理人兄弟のお兄さんが聴き手の弟さんを相手に、めちゃくちゃ詳しく掘り下げて語っています。「伝統料理」という印象のあるものも、歴史をたどればかなりの変化を遂げて今の姿になっているんだな〜ということが分かったり。そういうことを知ると、普段のスーパーでの買い物や食事が楽しくなります。

農と食のラボラジオ

農学部を出て企業の研究職に就いている”農学ガチ勢”のTTさんが、高校の野球部時代からの友人の”農学ビギナー”ゆとさんに、農業や食品を科学的な観点から語っています。「たべものラジオ」同様、野菜や果物を見る目が変わるのに加え、科学的な観点から料理を美味しくするコツなども教えてくれる、日常が豊かになる番組です。

ジェーン・スーと堀井美香の「OVER THE SUN」

「おばさん」という呼称がネガティブに聞こえなくなる番組。バッチリ対象の世代なので、お二人の言葉に素直に頷き、笑えます。

ニューQ ラジオ

哲学カルチャーマガジン「ニューQ」を創る人たちが、哲学的な対話をする番組。リスナーに対して話すというよりは、中の人たちがリラックスしておしゃべりしているのを、たまたま横の席に居合わせてなんとなく聴いている、そんな気持ちになります。

コテンラジオ

言わずとしれた、日本のポッドキャスト界の王様。「エリザベス1世」の回を聴いてから映画『エリザベス』を観たら、とても楽しめました(聴いてなかったら、よく分からなかったと思う)。最近では、若新雄純さんゲストの回も良かったです(皆さんすごく楽しそうに話していて!)。

これ以降はすべて、「コテンラジオ」から数珠つなぎ的に聴き始めたコンテンツです。

超相対性理論

COTENの深井さん、学びデザインの荒木さん、Takramの渡邉さんの3人が、順番にひとつの「問い」を立て、ああでもないこうでもないと話し合う。議論が収斂して着地しそうになったときに、それをひっくり返すような発言や、見えていなかった新しい観点がポーンと投げ込まれるような展開がすごく良いです。互いの異論反論を穏やかに受け止めて昇華していける、3人の関係もステキです。

みんラボ2(みんなの才能研究所)

COTENの深井さんと、才能研究者のたかちんさん、福岡で農業をやっているよっしーさんが、才能について考察する番組。「みんらぼ2」になる前の「みんらぼ」の初期の頃は、「才能のことは全てわかっている」という万能な雰囲気を漂わせていたたかちんさん。回を重ねるごとに迷いや思考錯誤の様子も開示されるようになり、最近は聴きながら一緒に考えているような気持ちになれて楽しいです。これも、3人がお互いに話を聴き合う良い関係性が感じられるのが魅力。

よっしーのワクワク天職ゼミ

「みんらぼ2」のパーソナリティでもあるよっしーこと中村さんと、僧侶でDJの友光さんが、ゲストを迎えたり迎えなかったりして仕事や人生について話す番組。中村さんは、かつてベンチャー企業の役員をしたり創業したりしていて、今は地方で農業という新たな生き方に挑戦中。最近は、選んだ道に後悔はないけれど、日々の暮らしには不安や焦りもある……という様子が垣間見える会話が多いです。「みんらぼ2」では悟りを得た人かのように達観して見えるので意外でしたが、かえって親しみがわきました。これも、中村さんと友光さんの関係性によるものなのでしょう。

以上、今聴いているポッドキャストを全部紹介してみました。

「私は何がおもしろいと思ってこれを聴いているのか?」をひとつひとつ考えてみたら、全体的に、話している人同士の関係性に魅力を感じているところが大きいのかな、と気づきました。もし同じものを聴いている方がいたら、ぜひその番組の魅力について語り合いましょう!

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