Deadguy Aleについて
こんにちは。やつはしです。
今日は私がMtGのレガシーで使用しているデッキ、Deadguy Aleの構築について解説します。晴れる屋のレガシーメタゲームにおいてもここ数か月の間浮上してきており、環境上位とはいかないまでも強力なアーキタイプの一つであるこのデッキについて、より広く知ってもらうことを目的としております。また、自力で特に目立った成績を残したわけではありませんが、MH3で環境が激変する前に自分用の記録として残しておくことも、もう一つの執筆理由であります。
著者プロフィール
HN やつはし
MtG歴 ISD~THS(スタン)BFZ~MH2(スタン、パイオニア、モダン、レガシー、EDH)BRO~(パイオニア、レガシー、EDH)
よくいるカドショ 流山Good Game、晴れる屋千葉
好きな色 黒
好きなカード 思考囲い、ヴェールのリリアナ、ファイレクシアの抹消者
アーキタイプの歴史とコンセプト
アーキタイプの発端は、最初のラヴニカで闇の腹心が登場した頃にまで遡ります。古豪Chris Pikula氏が同カードをアドバンテージ源とした黒タッチ白ミッドレンジデッキを持ち込み、GPフィラデルフィア05で準優勝を収めたことから、レガシーにおける非青フェアデッキの一つとして認知されるようになりました。
暗黒の儀式からの惑乱の死霊早期着地でハンデスを仕掛け、ソープロで脅威を取り除き、闇の腹心でアドバンテージを稼いでいきます。
石鍛冶の神秘家登場後は、数ある石鍛冶系デッキの一種のような立ち位置になり、死儀礼のシャーマンが登場すると、更に緑をタッチした、アブザン型が主流となりました。死儀礼のシャーマン禁止後は白黒の二色構成に戻るものの、WAR以降急速に進んだインフレに置いていかれ、冬の時代を迎えます。
転機となったのが、オークの弓使いの登場です。ハンデスデッキの天敵であるドローによる解決を強烈に咎めるこの一枚によって、悲嘆+ブリンクやリアニメイト=scamギミックがより強烈なものとなりました。そして現在に至ります。
現在のDeadguy Aleのコンセプトとしては、
・scamギミックによる複数枚ハンデス
・オーク、シェオルによるドロー阻害
・ダウスィーの虚空歩きを中心としたメインからの墓地メタ
の三本の軸が挙げられます。これだけを見ると現在流行しているUB Scamと変わらないのではないか? と思われますが、青の代わりに白を採ることによって、剣を鋤にや孤独による高い除去性能や追加のブリンク手段を獲得できています。その代わり、意思の力を始めとした打消しや渦まく知識・思案によるドローを失っています。その結果、UB Scamのような柔軟さにはやや欠けるものの、除去やハンデスが効果的な対面に対してはかなり有利に戦うことができるようになりました。
構築サンプル
私が3月に入賞した際の構築になります。アーキタイプ名が「白黒アグロ」になっていますが、誰が何と言おうとこれはDeadguy Aleです。
こちらが現在使用しているものです。サンダージャンクションの無法者で害獣駆除を獲得し、苦手なチャリスにメインから無理なく対処できるようになったほか、デルバー系に対して更に有利がつくようになりました。
カード解説
悲嘆
現代Deadguy Ale の核となるカードです。Scamによる2枚ハンデスを基本としつつ、中盤以降は通常キャストにより打点としても使っていきます。序盤であっても安易に想起せず、暗黒の儀式を使って4マナで唱えるのも重要なテクニックになってきます。ハンデスで相手をもたつかせている間に殴り切ることがこのデッキで勝つ上で何よりも重要になってくるので、能力だけでなく3/2威迫のスタッツも存分に活用しましょう。
ダウスィーの虚空歩き
実装当初はそこそこ注目されたものの、長らく活躍することが少なかった一枚。ちなみに私は初動で拡張Foilと通常を4枚ずつ買いました。先に置いておくだけで濁狼の執政が出なくなります。あとハンデスと組み合わせて相手のファッティを奪う動きも強力です。基本ブロッカーとしては使えない点には注意しましょう。ぶっちゃけ2T目雑置きはあまり強くないです。できれば暗黒の儀式を絡めて初手で投げつけたいところですね。
オークの弓使い
モダン以下のフォーマットに黒の時代をもたらした、現環境最強カード。どのタイミングでこいつを投げつけるかが勝敗を左右するといっても過言ではないです。青対面で活躍するのはもちろん、非青対面に対してもコンバットトリックとしてめちゃくちゃ使います。相手もオークを持っていると思われる時は、なるべく先出ししないように気を付けましょう。
カザド=ドゥームのトロール
当初は4枚採用していましたが、諜報ランドを入れたため3枚に。沼サイクリングで墓地に送りつつ、再活性で釣り上げるだけです。たまーに暗黒の儀式を絡めて素出しも狙いますが、かなり弱い動きなので余程グダッた時にしかやらないです。土地が6枚並んでいたら概ね負け確なのでさっさと投了した方が時間の無駄になりません。
黙示録、シェオルドレッド
自由枠です。オークと併せてドローを咎めるのと、思考囲い再活性でライフを投げ捨てるこのデッキの貴重なライフゲインカードなので採用しています。カラカスでバウンスできるのは強みでもあり、同時に弱みでもあるので何とも言い難いですね。あと無暗に殴るのは辞めておいた方がいいです(自戒)。基本棒立ちさせておいてライフレースを崩壊させるのが仕事です。
墓地の侵入者
自由枠その2。虚空歩きを先出しできなかった時の墓地対策として採用していましたが、抜ける枚数が少ないのと、攻撃が誘発条件に指定されているのが難点です。しかし、ひとたび裏返れば圧倒的な殴り性能をも発揮するため、一概に悪い札とは言えません。比較対象として、下水王、駆け抜け候が挙げられます。こちらは本体が弱い分、毎ターン勝手に誘発するのが強みです。
騎兵隊の血抜き師
自由枠その3。某黒使いの方曰く黒い寓話とのこと。個人的には投げ捨てたライフを回収しつつ手札を整えられる点を評価しています。Legacyの3マナ生物に求められる、生き残ったら勝ちレベルの性能も+1/+1カウンターを自力でどんどん乗せていける点で担保できています。しかし、出たターンや殴れない盤面では本当に何もしないので、除去とハンデスできちんと守ってあげる必要があります。
戦慄の朗詠者、トーラック
自由枠その4。単純にハンデスが欲しいのであれば賛歌の方でもいいのですが、プロテクション白がとにかく偉い。他のハンデスでも育つので、キッカー+思考囲いでも撃てば十分フィニッシャー級の生物になります。デスタクなんかにはキッカーなしで出しても十分パワフルです。
思考囲い
最強の1マナハンデス。思考停止で初手から叩きつけるのはもちろん、シェオル等を出す前の安全確認にも使いましょう。ただし、2点ライフルーズが地味に重たいので、初手以外引いたらとりあえず撃つのは厳禁です。このカードの使いどころを見極められるようになるのが、黒民の第一歩です。
再活性
Legacyのscamギミックの核となる古代兵器。思考囲いより遥かにライフルーズが重いので、中盤以降は盤面や残りライフと相談しながら使ってください。基本的には悲嘆を釣り上げてscamしますが、高速で攻める必要があり安全確認も取れているのであればトロールを釣り上げます。
暗黒の儀式
古代兵器その2。土地1枚からオークを投げたり、初手虚空歩き+思考囲いを仕掛けたりと、ハンド次第で無限の使い方があります。割とアドリブ力が求められる一枚なので、場数を積んで使いこなしてください。
剣を鋤に
古代兵器その3。正味この一枚のために白をタッチしているまであります(除去の色とは……)。自軍生物の除去に対応して使い、ライフを得るテクニックも覚えておいて損はないかと。
シェオルドレッドの勅令
自由枠(スペル)その1。令和最新の万能布告除去。トークン横並びやコントロール対面でも腐りにくいのが便利です。突然の布告とどちらが良いかは好みとメタの問題です。
儚い存在
自由枠(スペル)その2。乗っているカウンターがリセットされるので、除去の回避に使うのはあまり強くないです。Scamの成功率を高めるために採用していますが、他のメタカード(害獣駆除が筆頭)に充ててもいい枠です。
Scrubland
不人気デュアランの一つですが、3枚は必須ですので我慢して買ってください。4枚目はフェッチを削ったり、諜報ランドのタップインを嫌ったりする場合に検討できます。私はまだ3枚しか持っていません。今年中に4枚目を購入したいところです。
諜報ランド
4枚目のScrublandとの選択になります。とにかくドロソがないデッキなので、トップの質を高められる点は非常に有用ですが、タップインを許せるかどうか自分の心や地域メタとよく相談してください。
基本土地
現物をどこまで採るかは使用者によりかなり変わってきますが、最低5枚程度は皆さん入れているようです。私は沼5平地1で安定しています。フェッチを嫌うなら計8枚くらいまで増やしていいと思います。
フェッチ
湿地の干潟は4枚必須ですが、それ以上は人によって現物を優先したりフェッチを優先したりと好みが分かれます。
カラカス
とりあえず1枚は入れて損はありません。レジェンダリーが跋扈する環境であれば2枚目も検討できます。
不毛の大地
人によっては3枚に減らしていますが、私は4枚必須だと考えています。ウルザの物語がかなりキツいので、置かれた返しで確実に割れるようにとの考えです。
外科的摘出
0マナで撃てる墓地メタ。単純な墓地メタ以外にもデルバー系のデュアランを引っこ抜いて色事故を起こさせられるのが便利です。メインに虚空歩きを採っているため、基本枚数を多くぶち抜く必要はないので大祖始の遺産等より優先されます。
害獣駆除
これが出たおかげで苦手なトークン系やチャリスを置いてくるデッキに対し、かなり強く出られるようになりました。メインサイド合わせて3枚は欲しいです。
敵対工作員
対面によってはただの瞬速持ちバニラのためサイドに回しているものの、環境によってはメイン登板もありな一枚。
耳の痛い静寂
ANT対面は本当にどうしようもないのでせめてもの対策として入れています。昔はサリアを入れていましたが、暗黒の儀式を再び使うようになった都合上こちらを優先するようになりました。
断割
害獣駆除が出てから重要度は下がりましたが、力線や寓話といった面倒な置物を割れるので引き続き採用しています。
封じ込める僧侶
元々ショーテル系には有利なので不要論がありますが、お守りとして残してあります。
虚空の鏡
MH3でほぼ上位互換がアンコモンで出てしまったので、来月には残念ながらお払い箱です。
基本的な動き
序盤は
1T 悲嘆想起からのscam、もしくは思考囲い(暗黒の儀式と虚空歩きがあればセットで)
2T オークを構えエンド
という動きを取ることが多いです。オークがあまり刺さらない対面では、2T虚空歩きや暗黒の儀式を絡めての3~4マナアクションでも問題ありません。
中盤以降は本当にドロー次第なので何とも言えないのですが、
ドローゴーを恐れない(オークを構えているフリをする)
動く時はハンデスから入って安全確認をする
の2点を心がければ概ね大丈夫です。ハンデスを使うタイミングがとにかく重要なので、決して無駄撃ちしないよう注意してください。
デッキ紹介としては以上になります。細かいプレイングや主要対面の相性等は私自身まだ理解しきれていないため割愛しました。誰か書いてくださいお願いします。MH3でどのように環境が動くか未だ未知数ですが、オークが禁止されない限りは(多分)それなりに戦えるデッキであり続けると思われますので、Scrublandを持っている、買うことに抵抗のない方はぜひ組んでみてください。
お読みいただきありがとうございました。