現行ポケカを引退します



はじめに

 こんにちは。やつはしです。

 昨年、現行ポケカに対するお気持ち表明

を勢いで書いたところですが、今月をもってサナと調整用カードを残して現行ポケカを売り払い、完全引退する決意が固まりましたので報告いたします。また、それに伴い、総括として現行ポケカに対して私が感じたことを良い面悪い面両方からまとめて記事にしようと思い、このnoteを作成します。

ポケカ復帰(2021年8月)から今までを振り返る


私は2021年の8月、大学時代の友人たちに誘われてポケカに復帰しました。正直なところ、私はあまり復帰に乗り気ではありませんでした。何故なら、BWをもって私の愛した00年代ポケカは完全に消え失せたと最初の引退時(2013年1月)の時点で認識していたからです。ポケモンEX(BW・XY)による急速な単純化とインフレ、ふしぎなアメの弱体化、トロピカルビーチの存在、それら全てが許せませんでした。そんな私はVISIONやMtGに流れ、二度とポケカに戻る気はない、そう思っていたのです。
 とはいえ、人間関係を続けるには周りに合わせることも大切。そこで私は、ネットでデッキリストを漁り(情報封鎖が当たり前だった時代から来たのでリストが無数に溢れているのは驚きでした)、一番心惹かれた白馬スイクンを作ることに決めました。次の休みの日には秋葉原へ出向き、必要なパーツを全部シングル買いしました。
 また、それと同時に学生の頃使っていたDNを再開しました。そこで出会ったのが寒天さんの記事です。最初の引退時にも思い出が勝って売れなかったPCG以前のカードを使った、所謂「過去レギュ」が今は遊ばれていることを知り、私は興味を持ちました。旧裏のコミュニティについては以前から存在を知っていたものの、新裏初期の私が愛したポケカで今も遊んでいるコミュニティが令和の時代にできているとは思ってもいませんでした。早速、寒天さんの記事を片っ端から読み、気が付いたら当時小学生だった私のしょぼいカード資産を見ながら足りないカードを通販やフリマアプリで買い漁っていました。
 そんなこんなで、私は当時MH2でデッキを全て破壊されモチベを失っていたMtGを放り出し、現行ポケカと過去レギュの収集を始めたのです。
 しかし、ここで問題が。現行ポケカを一緒に始めた友人たちはすぐにポケカに飽きてしまったのです。それも無理はないでしょう。剣盾中期のあまりに単純なカード群はMtGの複雑性に慣れ親しんだカードゲーマーにとっては物足りません。ところが、私は2021年の末にはMtGモダンの資産をほぼ売り払ってポケカに換えてしまっていました。なんだかんだでこの頃は現行ポケカもジムバに出て楽しんでいましたし、過去レギュも界隈にうまいこと馴染んで心底楽しめていたからです。
 2022年の頭には初のシティリーグに参加し、結果は散々だったものの現行ポケカに対して競技的に向き合う切っ掛けに。過去レギュもどんどんパーツを集めてデッキを増やし、界隈で対戦を楽しむようになりました。
 また、当時の職場でも現行ポケカをプレイしている同僚を何人か見つけ、大会に行かずとも仕事の後にスタンダードで対戦ができるようにもなったのです。この時点で現行ポケカの単純さや早すぎる速度に不満を抱いてはいたものの、環境に恵まれたおかげで続けるモチベが生まれていました。
 そんな状況であったため、FレギュからGレギュ前半にかけて、私は毎弾必ず箱を複数開封し、足りないカードはシングルで集め、複数の環境デッキを構築していました。結果こそ大して出せていないものの、常に現行ポケカの最前線を追いかけていた、そう自負しています。この期間はとにかくポケカが楽しかったです。
 しかし、楽しい時間はそう長くは続きませんでした。昨年から職場でいじめに遭うようになったのと、ジョブローテーションで多忙な担当に回されたのとで、職場の同僚とポケカを楽しむ余裕が一切なくなったのです。ついにはうつ病が悪化し休職にまで追い込まれてしまいました。
 結局、半年弱休職して無事復職し、部署異動で今年度からは快適に過ごせる部署に異動はできたのですが、現行ポケカをフリーで遊ぶ環境は完全に失ってしまう結果に。仕事自体は楽になったので、再びジムバに参加できるようにはなったのですが、休職期間中に本格的に復帰したMtGに押される形で現行ポケカに対するモチベは消え失せてしまいました。
 ここで時系列を少し戻して休職期間中の話を。休職中にMtGの大会で私の相棒的なカードである「ヴェールのリリアナ」の新規イラスト版が、MtGのスタンダード大会の景品になるという情報が出ました。これに参加するためスタンダードのデッキを数年ぶりに組み、「ヴェールのリリアナ」を獲得するまで大会に出ることにしました。こちらは無事10回ほど参加したところで獲得できました。
 また、それとほぼ同時にMtGレガシーで愛用してきたDeadguy Aleが久々の強化を受けました。早速新規カードと持っていなかったパーツを揃え、レガシーも復帰を果たしたのです。
 それに、行動圏内(流山)にMtGに強いショップ(Good Gameさんです)ができたのを知り、「ヴェールのリリアナ」が景品の大会をきっかけに通うようになったのも大きいです。総じて、MtGのモチベが上がる要素と現行ポケカのモチベを失う要素が同時に押し寄せたといえるでしょう。
 こうした経緯から、最近は現行ポケカはとりあえず買うだけになり、全くといっていいほど遊ぶ機会がなくなってしまいました。それと相反してMtGは遊ぶ機会がコロナ禍以前のレベルに近いところまで戻り、メインフォーマットこそモダンからレガシーEDHに代わったものの毎週のようにカドショへMtG目的で行くようになりました。
 つまり、現行ポケカがかかる費用に対して遊べる時間が見合わなくなったのです。そうして、私は現行ポケカ引退を決意しました。


現行ポケカの楽しかったところ


 復帰から再引退までの経緯を振り返ったところで、本題に入りましょう。
 皆さん知ってのとおり、現行ポケカは00年代に生きていたプレイヤーからは信じられないほどの絶大な人口を抱えています。それは現行ポケカにそれだけ人を惹きつける魅力があるからに他なりません。ここでは、そんな現行ポケカに対して私が感じた魅力を語りたいと思います。


・テキストが単純明快
 最近の遊〇王やD〇、MtG等歴史の長いTCGを遊んだことがある方なら分かるかと思いますが、今も生き残っている老舗TCGはどれも異常なまでに複雑化しています。テキストはやたら長く、処理も複雑、毎弾のように新規キーワード能力が出てくる、といった具合で今から完全新規で始めるにはハードルが非常に高いものとなっています。
 対して現行ポケカはスタン落ちをうまく活用することによりテキストの冗長化を回避し、単純明快なゲーム性を維持できています。私が約10年ぶりでもスムーズに復帰できたのも、このシンプルさのおかげだったと思っています。
 最近、遊〇王やD〇で久々に遊ぶ機会があったのですが、どちらも信じられないくらい複雑になっており、効果処理で手一杯で私はあまり楽しめませんでした。MtGは初めて触った2011年から途中離れていてもデッキが全くない状況は全くなかったですし、離れている期間も情報自体は追っていたので、複雑化にもなんとかついていけているところです。
 完全新規でTCGを始める人にとって、現行ポケカほどゲーム性の面で入りやすいTCGはないと思います。バブルが弾けて約1年が経った今でもこれだけの競技人口を抱え続けられているのはこの点が大きいでしょう。


・人口が多い
 人の多さが人を呼ぶ、とでも言えばいいのでしょうか。私が00年代の低迷期にポケカを遊んでいた頃は、学校はおろか店舗にすらほとんど人がいませんでしたから、対戦相手を探すのにも一苦労だったものです。それが今では一番勢いと人気のあるTCGに。
 ジムバで小学生の対戦相手から聞いた話では、「学校ではポケカが一番人気で、D〇が次に遊ばれている。遊〇王は全く遊んでる人がいない」とのことでした。00年代は真逆だったのでとても信じられない話です。
 TCGは対戦相手が居てこそ成り立つものですから、人口の多さは絶対的な強みだと思います。



現行ポケカのつまらなかったところ


 次に、現行ポケカを辞める理由でもある不満点について述べたいと思います。


・あまりに早すぎる発売ペースと環境変化
 かつて新弾は3~4ヶ月に一回のペースで発売されていましたが、今は1~2ヶ月という物凄い速度で新弾が出ます。それなりに収入のある社会人の財力をもってしても、それを追いかけ続けるのはかなりしんどいものがあります。また、SNS等の発達により強いデッキリストは瞬く間に世界中に広まるようになり、自分のデッキを毎週のようにアップデートする必要があるようになってしまいました。
 週に何回も遊ぶ機会があるならまだしも、社会人の場合は中々そうもいきません。結局、カードを買っても十分に楽しむ前に環境が変わり、次のパックも出て、気が付いたらスタン落ち、という状況に私の場合は陥ってしまいました。社会人で現行ポケカの環境を追い続けられている人は本当に時間やお金の使い方が上手いんだなと思います。


・相変わらずな「ポケモンカード2」のゲーム性
 前に述べたように、私はBWのインフレと高速化、単純化が嫌になって一度ポケカを完全引退しました。現行ポケカは、それらの問題点を何一つとして解決していないのです。
 まずインフレと高速化について。現行ポケカはBW期よりも更に酷くなっています。毎ターンのようにサイドが進み、200、300ダメージは当たり前のワンパンゲーなのが現行ポケカです。「逆転がテーマ」と言いながら、途中で展開技を使ったりして盤面を立て直せるチャンスはほぼなく、一度崩されるとそのまま負けが確定するのが不満でした。
 次に単純化について。これは強みと表裏一体なのですが、私の好きなADV-PCGやDP-Lに比べてテキストが短いカードがあまりに多すぎます。その結果、対戦で強いカードと弱いカードの格差はどんどん広まり、「もしかしたらジムバ程度なら勝てるかも?」といったレベルの面白カードが非常に少なくなっています。最近は多少マシになりつつありますが、それでもプレイアブルなカードは00年代のレギュに比べてまだまだ少ないと感じます。


まとめ


 以上のように、現行ポケカは、ゲーム性の分かりやすさと人口の多さから、非常に始めやすいゲームとなっています。事実、私も約10年ぶりながらスムーズに復帰できましたし、MtGの熱が冷めている期間は思いっきり楽しむことができました。
 しかしながら、現行ポケカを追いかけ続けるのはあまりに多大なリソースを要します。週に何度も対戦して遊べる環境にいるのであれば、それに見合った体験を得られるかと思いますが、そうでない場合には重すぎる負担でしかありません。私のような他のTCGやレギュが主戦場の人間にとっては、サブで遊ぶには少し大変すぎたかなと思っています。
 さて、今後はADV-PCGとMtGに更に注力していきたいと思っています。今後ともよろしくお願いします。

いいなと思ったら応援しよう!