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10月20日(日)名古屋甚句から読み解く、老舗企業物語

10月20日(日)、【やっとかめ文化祭プレイベント】「名古屋甚句から読み解く、老舗企業物語」は名古屋の老舗料亭河文さんの旧屋敷跡「THE KAWABUN NAGOYA」にて幕を開けました。

まずは中日新聞経済部の中村禎一郎さんより、ご自身の経験や人脈をフル活用して手掛けた記事から100年続く企業の物語が語られます。

LED台頭の時代、あえて光源でなく熱源としてローテクを極める事で産業用ヒーターの道が拓けた炬燵ヒーター企業、
燃えやすいセルロイドが販売停止となり、逆風のなか書家としての紙の知識や塩ビの産業団体の経験を活かし、宮内庁でも採用される新たな素材を開発した企業、
何度も失敗を重ねるなか、家族と楽しむ釣りの中での発見が日本初の自動洗車機のヒントとなった企業、
縮小していく伝統的な素材の弦の活路を海外に見出し、国を代表する古琴職人との出会いが運命を変えた企業、

胸が熱くなる物語とベテラン記者として多くの人の心を掴んできた中村さんの語り口にお客様も引き込まれていきます。

「日本人は、長く続いたモノや組織に感情移入するのが好き」と語る中村さん。確かにずっと親しみ生活と共にあった老舗企業の物語は、古い友人の思い出話を一緒に振り返るみたいで温かい気持ちになります。老舗企業は時代の求めに応じて強みを活かしたり、「ここぞ」の瞬発力を発揮して変化し続け、こつこつと信頼関係を築き、人や地域に愛され続け、きっとこれからも私達の生活に寄り添い続けてくれますね。

講義の後は老舗両口屋さんの和菓子とお抹茶のブレイクタイムを挟んで、華房小真師匠の軽やかで艶のある歌声の名古屋甚句が奏でられます。歌詞に込められた老舗企業からも古くから地元の皆に愛され親しまれている事や名古屋の盛況ぶりが伝わってきますし、他県で演奏しても喜ばれるという名古屋弁全開の「名古屋名物」の「おそぎゃあ」歌詞に会場からも笑みがこぼれました。

「伝統芸能は料亭や劇場とも深い繋がりがあり、老舗企業の名士達とも縁が深い」と語る小真師匠。先の講義でも登場した伝統的な弦は師匠も愛用されていて、紡がれる音でも老舗企業と伝統芸能の見えない糸での繋がりに触れる事が出来て嬉しい時間でした。

最後は師匠や家中の皆様、お客様も一緒に軽快な名古屋甚句を歌い、楽しい時間は幕を閉じました。
やっとかめ文化祭本祭は、来週開幕。賑やかで笑顔溢れるプレイベントで弾みも付き、益々楽しみです。今年も皆様が楽しく歴史文化に触れられる良いお祭りでありますように。

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レポート:近藤加奈子  写真:あ
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