起業2ヶ月目、雇用と経営
川崎・横浜を中心に消防設備点検・工事を手掛ける会社、長沢防災の吉川です。前回「独立2ヶ月目、起業」で書いた通り、会社を設立しました。
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3月に入り、現場仕事と並行して会社としての事務作業を行う事、会社の雇用第1号となる父の過去からのやり方をどうアップデートしていくか、そして新型コロナウイルスにどう対処していくかが課題となっています。
父との雇用契約
長沢防災という会社はそもそもが父の個人事業時代の屋号でした。
その個人事業を法人化するにあたり、代表が私になりました。
名前を変えたらお客様が混乱するだろうという意見から企業名はそのまま「合同会社長沢防災」。
そして設立してから就業規則、給与面の整備を行うこと約1ヶ月、父を従業員として雇用するに至りました。
人を一人雇用するということは、当たり前ですが自分の家庭と相手(この場合は父)の家庭、2家庭分の収益が必要ということです。
そのために合同会社長沢防災としてやることを決めました。
・個人事業の顧客情報を確認し現状を洗い出すこと。
・今後雇用を継続、拡大する体力をつけるために必要な収益を設定。
・いつまでにどれだけ稼げたら次の雇用を開始するか決定すること。
当たり前のことを書いていますが、サラリーマン時代にもあった収益目標とは違い、その収益で何をするかが明確です。
サラリーマン時代は稼ぐこと自体が目的でしたが、経営者目線になって稼いで何をしたいかまで見据えるようになりました。
人を雇い会社を経営するってこういうことなんだと感じ始めています。
一人で受ける消防検査
先月、自動火災報知設備を新設した横浜市瀬谷区の現場で消防検査。
前職では管理者や設計者側の立場で受けていた検査。
自分が動いて受ける初めての検査。
しかも同行者なしの自分一人。
工事段階から検査を意識。
当日は待ち合わせの時間より30分早く現地入りして、道具を用意して、鍵開けして、手順を確認して、気持ちを落ち着けて…。
そして迎えた消防検査。
どことなくぎこちなさはあったかもしれないけれど、あっけなく問題なしで検査終了。
こういう経験の積み重ね、一つひとつが成長につながると思います。
3人目の誕生
話は前後して消防検査前日の朝7時、いつも通り子どもたちに朝食を食べさせていると、奥さんが「陣痛来たかも」と。
予定日より半月以上早いけど、それは2人目の時に経験済みなので、これは来たなと感じました。
(2人目は1ヶ月近く早くて後65g小さかったら未熟児でした。)
この日は誘導灯の改修工事があり、2人いないとしんどい現場だったことから一瞬仕事行くか悩んでしまったものの、父に事情を連絡して出産立会いを優先。
今回初めて助産所で出産することにしていました。
なので状況を助産所に連絡…と思ったら助産所の時間外連絡先に電話が繋がらない。
1時間近く連絡を取ろうとしても繋がらず、陣痛は間隔が短くなり破水も来てしまった。
そうこうするうちに助産所の開所時間も近くなってきたので、きっと誰か居るだろうと考えタクシーを呼び助産所へ。
この時の八重洲タクシーの運転手さん、とても丁寧かつ慎重な運転でした。ありがとうございました!
9時ちょっと前、私達と同時くらいに助産所院長と助産師さんも到着。
電話が繋がらなかった話も早々に診てもらうと、もうじき生まれるような状態だったみたい。
そこからはあっという間で、9時44分、私が奥さんを抱えている目の前で無事3人目が生まれました。
生まれてすぐパパの仕事と言われ、へその緒を切らせてもらいました。太めのゴムみたいな感触はこそばゆい体験。
母子ともに健康で一安心。
子どもたちも赤ちゃんとの対面に緊張と嬉しさが混じりながらのぞき込む。また1つ守るものができました。
人を雇えるようになったら、こういう時に即 ”仕事を休もう” と判断できる、そんな企業文化を持てたらいいなと思います。
仕事の仕方
合同会社長沢防災は個人事業からの法人成りのため、現時点では個人事業時代の仕事の仕方を踏襲しています。
そのため、複数人で働くことを想定しておらず、あらゆる情報が個人に集中しています。
これでは仕事のシェアも、情報共有も非常に難しく、時間がかかってしまいます。
そこで今後雇用を拡大した時にスムーズな引継ぎ、対応ができるようにするためにも、今のうちから多人数がいる前提で仕事をするようにしました。
使用しているツールとしては、こんな感じの使い方。
・Googleドライブ(書類、写真の共有)
・slack(進行中の案件の情報共有)
・会計freee(経理系の事務効率化)
・人事労務freee(人事労務系の事務効率化)
・zoom(オンラインミーティング、試行中)
ありきたりかもしれませんが、個人事業でやってきた人間(父)にコレを導入させるのは中々至難の業。
一つずつ使い方を説明して、ツールを使う文化を構築していかないといけません。
税理士顧問契約
会社設立freeeを利用したあと、書類作成にご協力頂いた企業からご連絡を頂いたことをキッカケに、その企業と顧問契約を締結。
基本的には対面せずリモートでの対応になるのですが、私としては対面でもリモートでも、自分のわからない点のサポートをして頂けるのであれば頼もしい限りです。
担当になって頂く方は、出身が近いのとお子さんがいるとの事で接しやすい印象。
これからよろしくお願いします!
自分への初報酬
さて2月からスタートした合同会社長沢防災。
曲がりなりにも利益を出し、無事自分に予定の報酬を振り込む事ができました。
まぁ予定通りといえばそれまでなんですが、新卒で入った会社からもらった初任給とも違う感覚。
自分で自分に振り込んでるからだろうか?
説明できない感覚。
1つ言えるのは、今の報酬額だといつか家庭崩壊してしまうので、来期以降報酬を上げられるように全力を尽くさないといけない。
…そんな矢先のコロナウイルス。
コロナウイルスの影響
3月上旬から既に気にはしていました。
でもその時はまだ対岸の火事。
中旬になった頃には4月の予定を組みづらい状況になりました。当社の場合、仕事で悩む理由は2つあります。
1つは "現場の多くを占める共同住宅の点検で室内に入らなければならない" 事です。
室内点検は3密と呼ばれるうち2つが該当してしまいます。
しかもそれが何件も続きます。
自分たちが罹患するのももちろん避けたいですが、自分たちが媒介になって拡散させるのはもっと避けたい。
でも仕事をするには室内に入らなければいけない。難しいジレンマです。
現在のところは、マスクはもちろん、作業前後の消毒、不要箇所は触らないなどできる対策を講じながら点検にあたっています。
2つ目は "従業員の父が高齢かつ透析者である" ということ。
高齢、透析のどちらも罹患した場合に重症化しやすい条件で、父は現在の体力的に恐らく罹患したら持たないと思われます。
一方で、会社としての体力は現段階では正直乏しい状況です。
経済的に生きるためにリスクを最小限にする努力をしながら点検(仕事)を続けるか、物理的に生きるために経済活動自体を控えるか。
起業して2ヶ月目で迎える経営判断。
正直、まだ私と父の家族経営の状況だから良かった。
これが従業員が2人、3人と増えていてこの状況だったら、生きた心地がしなかったと思う。
どんな形であれ、家族全員が無事に生きていられるように今後の対応を判断します。
まずは次のひと月です。