君の翅

すごく個人的な、友達への思いを歌った歌。

誰かが世界へ向けるまなざしとか、何かへ向ける愛とか、
どこかへ向かう足どりこそが、その人らしさであって、
誰かのそれを好きだって気持ちは、とても暖かくて素敵だ。

そういう愛を歌にしたつもりだったけれど、
なんだか劣等感の塊みたいな歌詞になってしまった。

あなたのその翅はずっと素敵です。

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君の眼鏡越しに 斜め後ろから除いた世界は
少し緑がかっていた

いつかそこで隣同士 同じ泥濘を歩いていたころ
同じ転び方をして
ぼくはのたうち回って なにかを汚していた

それで 君が翅乾かすのをただ見ていた

君の見つけ方で 愛し方で
ぼくも世界を見てみたいんだ
隠れた方の翅の模様の美しさを
知っていた君みたいに

いつも通りの夏に
いつもと違う場所
いつもの君
ぼくら通りがかりで

君の車に乗り 知らない道を登り
ぼくは左 君は右で
ぼくはゆらゆら揺られて
君はひらひら飛んだ

そこでやっと ぼくは蛹になっていた
で、まだ蛹のままだ

夢見がちのぼくが
目開けていられるのは
君のその翅が見えるからだよ
たまに振り返ってくれるから

君の歩き方で 進み方で
ぼくもどこかへ行きたいんだ
ぼくらの頭上に月は出ないけど
ぼくらが光源だった

君の見つけ方で 愛し方で
ぼくも世界を見てみたいんだ
隠れた方の翅の模様の美しさを
知っていた君みたいに


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