藍鉄鋼と化石の唄

手探り 鞄の底で固く当たる
スティングレイのコインケースがある
使い時を分からずにいた
分からずにいるけど 入っていた
雨降り 諦めて傘を買ったあとで
その日のうちに 置いてきた木曜
ぼくには 必要だった
何かわからないけど足りなかった

そういうとき また顔を出す

記憶は青い鉱石になって 見覚えのない輝きになって
夢中で探した小石みたいで 急いで机に仕舞った
朝が来る度に他人みたいに 背中を睨むカーテンの裏の
無邪気に青くなる空みたいに
じっと君が見ていたんだ 引き出しの奥の方で

遠くの海の クジラの骨を見つけた
青く揺れる骨を
遠く昔の 巨大なサメの歯を見てから 眩んでいた
遠い未来のことを 考えてた

ぼくは そんなことを 君に話したかったんだ

記憶は青い鉱石になって 見覚えのない輝きになって
夢中で探した小石みたいで 急いで机に仕舞った
朝が来る度に他人みたいに 背中を睨むカーテンの裏の
無邪気に青くなる空みたいに
じっと君が見ていたんだ 
それに怯んでたぼくは
美しいものから 次第に 目を逸らした
あれから気づいた
ぼくが思い出にしていたのは多分違う
君じゃない 君に似た誰かだった

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