#4鎌倉ぐらし-亡きハーブへのうた-
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ウェブマガジン「鎌倉めぐり荘の暮らし」
リーダーきむにぃ、ヒーラーさゆりさん、料理人ほっしゃん、私やつぽんの4人のシェアハウスメンバーの暮らしを、ゆるゆる綴ります
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家に帰ったら、同居人のほっしゃんが部屋の隅でひざを抱えてしくしく泣いていた。
ぽん:ほっしゃん、どしたん?!
ほしゃ:うっ、う、うちのハーブが.......。
話を聞いてみるとこういうことらしい。
お隣に住んでいる大家さんが、自分の庭の草刈りをするついでに、我が家の庭まで草刈りをしてくださった。そのとき、ほっしゃんが庭で大事に育てていたハーブを、あろうことかほぼ全部刈ってしまったというのだ。唯一残ったハーブは、フェンネルだけ。
▼トマトのサラダにあわせたフェンネル
もちろん親切心でしてくださったことだし、ハーブを植えたことをきちんと伝えていなかったこちらにも非がある。けれども、スパイスやハーブをふんだんに使った料理をするほっしゃんにとって、ハーブたちを失ったショックはあまりにも大きかった。
ほしゃ:うち、ハーブを守れなかった...。料理のインスピレーションも湧かなくなっちゃう。
目を泣きはらして、しょんぼりと肩を落とすほっしゃん。
同じ物をホームセンターに買いに行こうか、と訊いてみても、いろいろな花屋を回って少しずつ集めてきたものだからそんなに簡単に見つからないとのこと。それにハーブの苗は春先に出ることが多く、今の時期はなかなか店頭に並ばないのだそうだ。
しかも、ほっしゃんがハーブのことを大家さんに言いにいったとき、他のこと(主に私たちのマナーの問題)もあって少しトラブルになってしまったらしい。ほっしゃん、泣きっ面に蜂。翌日にきむにぃが大家さんと話し合いにいくということでまとまり、ともかくその日は寝てもらったのだった。
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翌日の夜。きむにぃが大家さんとの話し合いを終えるのを待ち、4人で海に行くことにした。
ほっしゃんはというと、夕方5時まで眠り続けてだいぶ回復したらしく、前日より明るい顔になっていてひと安心。夏の終わりの海の家で、ビールとタイ料理を注文する。
一同:かんぱーい
さゆり:きむにぃ、話し合いありがとう。どうだった?
きむ:うん、いろいろ話してきた。一番はあれだね、俺らが、大家さんにしていただいたことへのお礼が圧倒的に足りてない。草刈りもそうだし、他にもいろいろ気を配ってくださってるからね。
ぽん:失礼なことをしてしまったね。生活リズムが違ってなかなかコミュニケーションとれないけど、会ったときにきちんとご挨拶とお礼と、を徹底しないとね。
さゆり:ご近所づきあいって、今までの人生でほとんどしてこなかったからなあ。気を付けよう。
ぽん:とはいえほっしゃん、今回のハーブ事件は本当に残念だったね。
ほしゃ:うん…。
ブォー!(突然チャーンビールのびんの口を吹いて音を出すきむにぃ)
ぽん:わ!汽笛の音がすると思ったらきむにぃか。笛みたい、上手だね。
ほしゃ:さゆりさんさ、ディジュリドゥ(オーストラリア先住民の笛)持ってるよね。
さゆり:習ってたからね。
きむ:そうなんだ!俺のアサラト(きむにぃが特技としているアフリカの打楽器)とセッションしようよ。
ほしゃ:じゃあさ!4人でバンド組もうよ!
さゆり:いきなり中学生みたいなこと言ってどうしたほっしゃん(笑)
ほしゃ:うち、ボーカルやるけん!やつぽん作詞ね。
さゆり:あれだね、「亡きハーブへのうた」
ぽん:ほっしゃん、歌いながら泣くんじゃない?愛しきスペアミントおぉ、みたいな(笑)
きむ:バンド名は、「ザ・フェンネルズ」だね!
女子:あはははは!!!(爆笑)
ぽん:ひー。おなかいたい。
ほしゃ:くるしいーーー(笑)
きむ:よかったよ、涙を笑いに変えられて。
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ハーブ(フェンネル以外)はなくなったけど、私たちは元気です。
もしもこれを読んでいる方のなかで、以下のハーブの苗を持っている人がいたら、分けていただけないでしょうか?
・イタリアンパセリ
・ローズマリー
・スペアミント
・タイム
・パクチー
・コリアンダー
・オレガノ
どうか、よろしくお願いしますm(_ _)m
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