「田舎でのんびり起業」当たりのビジネスは当初想定の隣にあるかもね

僕は今八ヶ岳南麓(山梨県北杜市)で暮らしています。「新しい働き方。暮らし方」でハッピーになろう!という企業パーパスのひとり法人を立ち上げてコンサルティングや地方関係人口創出に関することが仕事です。(ヘッダー画像はnoteギャラリーから挿入しました。cectne9さんありがとうございます!)

今回は「田舎でのんびり起業」当たりのビジネスは当初想定の隣にあるかもねというタイトルで起業初期のピボットについて書いてみます。


田舎でのんびり起業とは?

僕がおすすめしている「田舎でのんびり起業」はお金よりも人生を大切にするライフスタイルです。もちろん生きていくにはお金は大事。だけどお金だけを目的にしたギラギラ起業とはちょっと違う。人生を楽しむための起業です。詳しくはこちらの記事も参照ください。

そもそも起業初期は期待通りにはならないもの

僕は今は主に3つの事業で生計を立てています。

  • 法人向けコンサル事業:主に地域中小企業向けに戦略・DXコンサル

  • 個人向け起業支援:田舎でのんびり起業を目指す人への支援

  • 地域向け事業:移住・ワーケーション推進を中心に地域関係人口創出

とはいえ最初からこの3本柱で起業しようと思っていたわけではないんです。むしろエフェクチュエーションの末にここに落ち着いたというべきでしょうか。(エフェクチュエーションについてはこちらの記事も参考にしてください)

今回は「当たりのビジネスは当初想定の隣にあるかもね」ということで僕が「当たり」のビジネスを掴むまでの話をしていきます。

当初は違うビジネスで食べていくはずだった

実は当初はブログのアフィリエイトと個人向けライフ・キャリアコーチで起業するつもりだったんですよね。

会社員の頃から八ヶ岳暮らしのブログ(ヤツナビ)を書き始めてて、小銭程度のアフィエイト売上がありました。まずはこれを毎月10万円以上まで引き上げよう、という腹づもりです。

また、会社員の頃にコーチングの資格を取得しました。当時は外資系IT企業の管理職だったので管理職としてのスキル取得目的で勉強したコーチングでしたが、勉強したらこれが面白い!

練習として低価格モニタークライアントを募集したところ、移住相談や転職相談が多かったので、ライフ・キャリアコーチとして独立できるんじゃないか?と考えたのです。

独立・起業はしたものの売上は立たず…アフィリエイト編

とはいえ世の中そんなに甘いものではありませんでした。まずアフィリエイト。これが思ったより稼げませんでしたね。

僕のブログは月間1〜2万PV程度。アフィリエイト収入は月に1万円行けば良い方です。この程度のアクセス数でもアフィリエイトで稼いでいる人もいますけどね。

稼いでいる人はいわゆる高額アフィリエイトですね。たとえば転職エージェント登録とか、不動産査定とか、金融商品の見積もりとか。高額な商品へ誘導するアフィリエイトは単価も高くなります。

でも僕が書きたいブログは八ヶ岳移住・ワーケーション情報。せいぜいAdSenseと田舎暮らしで必要なツールのAmazon・楽天紹介リンク程度なのでそんなに単価が高くならないんですよね。

お金を狙うなら違うジャンルのブログが必要だとわかった時点でアフィリエイトを主軸にするのは難しいな、と感じました。

独立・起業はしたものの売上は立たず…コーチ編

個人向けコーチングもそこまで売上は伸びませんでした。知人・友人などがクライアントになってくれて、何回かのセッションは続いたのですがそれ以上は広がらず…

転職やキャリアに関してはコーチング単体だけではなく、転職エージェントとの連携まで繋げられれば事業化もできたかもしれませんね。

結局クライアントが望むものを言語化するだけのコーチングサービスにお金を払ってくれる人があまりいなかったんです。望むものを手に入れる(たとえば転職で年収を上げる)具体的な手段まで揃えないと難しいな、と感じました。

移住相談を中心としたライフコーチもマネタイズは難しかったですね。ブログをやっていることもあり、問合せは受けるのですが有料コーチングまで話が進むことはほとんどありません。

自治体やメディアが無料で移住相談を受けている中、移住(ライフ)コーチに何万円も払ってくれる人とは出会えませんでした。

足掻いているうちに「当たり」に出会った

とはいえ暮らしていかなくては行けないので足掻くわけですね。どうすれば売上が立つだろうか…できることを考えます。

Udemyでキャリアデザインの動画を作ってみたり → 数回売れたけどね
ココナラ・ランサーズに登録してみたり → そこはそこで競争が激しい

まあ単発の売上はありましたが、なかなか継続しなかったんですよね。

継続したのは…え?法人向けコンサル案件?

そうこうしているうちに案件が舞い込んできました。とあるIT企業の事業戦略に関する伴走コンサル案件です。

月10万円程度の案件です。プロジェクト案件なので半年ほどで終了しましたが、その間安定した売上になりました。

その時気がついたのが法人事業の安定性。個人客が毎月10万円払うのは大変なこと。せいぜい月1万円のサブスクとしても10人集客しなければ毎月10万円にはなりません。

でも企業にとって毎月10万円というのはそんなに大金ではありません。10万円なんて九州出張1人分、接待ゴルフ1回分ですからね。

ともあれ法人事業で(まだ金額は小さいものの)毎月売上が継続するようになりました。

法人向けの案件が複数獲得できるようになった

そのうち法人向けの案件が複数獲得できるようになりました。きっかけは僕のブログを見ていた知人のIT会社社長が、(地方移住という内容は別として)ブログ+メルマガというマーケティング自動化の仕組みそのものに興味を持ったことです。

僕は使っているHubSpotというCRMツールでブログとメルマガを連携させる基本的な方法を紹介しました。そしたらそのままその仕組みを導入してほしい、ということでその場で案件が決まりました。

え?まじ?こんなことで毎月お金払ってくれるの?という感じです。だってそれまで毎月数千円のアフィリエイトを獲得するためにブログやメルマガを毎日のように作っていたので僕にとっては日常の当たり前な作業でしたからね。

その後、僕がホームページやCRMを構築・運用できる、という話を聞いた別のIT会社からも超特急でのホームページ構築の依頼が入りました。

このクライアントは新たに分社化した会社で、業界展示会に出展することになり、それまでに(3週間)ホームページを作りたい、という要望でした。また同時に問合せを獲得する方法も期待していました。

僕はHubSpotの基本機能でできるデザイン制約でいいなら、という前提で3週間でホームページと問合せ管理の環境を作り、今もメンテナンス契約が続いています。

その後中小企業のCRMに特化したコンサルメニューを作り、案件プラットホームサービスで応募して複数の継続案件獲得。今となっては安定収益のある中核事業です。

個人向け事業も移住→起業へシフトすることで事業化へ

その後個人向け事業も改善していきます。地方移住や転職に対する個別のコーチングセッションではなく「田舎でのんびり起業」に特化してビジネスコミュニティ化したところ登録者も順調に増えてきました。

マネタイズポイントも個別セッションではなくオンライン講座へ切り替えるようにしています。これは立ち上げてまだ数ヶ月なので売上は限られていますが、これまでのライフ・キャリアコーチと違い、再現性もあり手応えを感じています。

「当たり」事業は当初期待領域の隣にあった

こうして法人向け事業が売上の柱となり、個人向け事業も(まだ小さいけど)再現性のある売上ができ始めました。

一見すると当初期待していたものとは全然違う事業ですが、僕は当初期待の隣の領域だと考えています。

当初の期待(スキル)+自分の経験=差別化できる独自価値

コーチングを学んだことは今のコンサル事業にも役立っています。一方的に知識を伝えるのではなく、傾聴によりクライアントの課題の本質を抽出できるようになったからです。

僕はコンサルといっても伴走型、壁打ち型。僕の中ではコーチングの一環だと考えています。

ただし課題を言語化するところで終わりではなく、具体的な解決策(CRMやITツールの活用)を示すことでコンサル価値を創っています。僕は会社員時代、営業・マーケティングの事業責任者だったので単にツールの導入だけでなく、具体的にどう営業・マーケティング業務の中で活用していくか?という実践性も提案できます。

これはコーチングというスキルに自分の経験(CRMやITツールの実践的活用)を加えたものです。起業初期はコーチングというスキルがあればマネタイズできると思っていたのですが、スキルを持っている人は世の中いくらでもいるもの。

自分の経験を加えることで独自価値を創り、事業化できたんだな、と考えています。

ちょっと隣のマネタイズできるストーリーを探す

個人向け事業についても同様です。もともと自分自身の地方移住経験をストーリーとしてライフ・コーチを期待していたわけですが、残念ながら移住相談にお金を払ってくれる人はいませんでした。

転職なら(クライアントの収入が増えるシナリオなので)事業化できたかもしれませんが、法人コンサルでやったような具体的な(転職紹介などの)解決策を僕は持っていません。転職エージェントと連携すれば商売になったかもしれませんけどね。

僕自身が持っているストーリー化できる経験って他に何があるんだろう?そう考えると、地方移住よりもむしろ地域起業の方がマネタイズしやすいんじゃないか?と気づきました。

潜在的に地方移住に憧れる人はたくさんいる。けれど仕事や収入の理由で諦めている人がほとんどです。ならば、田舎で暮らしていける収入を起業することで得ればいいわけです。

世の中には起業塾や起業コンサルで高額なビジネスをしている人がたくさんいます。でも田舎でのんびり起業を目指す人はそもそもそんなガツガツ起業を目指してるわけでもないですよね。

なので安価な地域スモールビジネス起業に特化したプログラムなら他の起業塾とも競合しない、事業になるだろうと考えました。これは地方移住+コーチングという当初の期待領域を、地域起業+コーチングという隣の領域にシフトさせたわけです。

起業初期にピボットはつきもの。とはいえ全く違う事業を始めるのではなく当初期待していた事業のすぐ隣に当たりの事業はあるんです。起業初期でつまづいている人は、今の事業のちょっと隣を探してみるといいですよ!

参考情報:田舎でのんびり起業を考えているなら

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田舎、といってもあなたが気に入ったところが一番なので八ヶ岳にこだわる必要はありません。でももし八ヶ岳南麓に興味があるなら八ヶ岳で移住・起業を考えている人向けの交流・体験プログラム「ヤツクル」を運営しています。よかったらこちらのメルマガにも登録してみてください

あと、こちらは僕の会社(ひとり法人ですけど)のホームページです。よかったらこちらも見てみてください。

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