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Amazonサスペンドの恐怖と対策 – 体験談から学ぶアカウント停止リスクと復旧方法

ある朝、突然 「本出品アカウントにおいて、当サイトの規約に抵触する行為が確認されましたため、アカウントを一時停止させていただきました。」 というメールが届きました。

送信元は alliance@amazon.co.jp――Amazonセラーにとって、最も見たくない差出人からの通知です。

こんにちは。
大越です。


私は長年Amazonで物販ビジネスを運営してきましたが、ある日突然、19日間の出品停止(サスペンド) という処分を受けることになりました。

「まさか自分が…」
そう思っていた矢先の出来事でした。

サスペンドされた理由を探ると、販売していた並行輸入品の一部がAmazonの規約に抵触していた ことが原因でした。慎重に運営していたつもりでしたが、18万点もの商品を扱っている中で、一部のチェックが甘くなっていたのです。

結果、突然の出品停止。売上はゼロ。
これはAmazonに依存したビジネスにおいて、「死刑宣告」に等しい出来事 です。

しかし、私はこの危機を乗り越え、最終的にアカウントを復旧させることができました。

本記事では、

  • Amazonサスペンドの実態とその影響

  • サスペンドを防ぐためのリスク管理

  • アカウント復旧の具体的なプロセス

  • Amazon依存から脱却し、安定したビジネスを築く方法

について、実体験をもとに詳しく解説していきます。

もしあなたがAmazonで販売をしているなら、「自分は大丈夫」と思っていても、いつサスペンドされるかわかりません。
本記事を参考に、事前にリスク対策を講じてください。

それでは、始めましょう。


第1章:Amazonサスペンドの実態とその影響

1-1. サスペンドとは? – 出品停止とアカウント停止の違い

Amazonで販売をしているセラーにとって、最も恐ろしいのが「サスペンド(出品停止・アカウント停止)」です。サスペンドにはいくつかの種類があり、それぞれ影響が異なります。

① 出品停止(Listing Suspension)

特定の商品がAmazonの規約違反とみなされ、販売が停止される状態です。アカウント自体は利用できますが、問題のある商品を削除したり、Amazonへ改善計画を提出しないと解除されません。

② アカウント停止(Account Suspension)

Amazonが出品者アカウント全体の利用を停止することです。すべての商品が出品不可となり、売上の入金も保留されます。この状態になると、アカウント復旧のために改善計画(Plan of Action, POA)を提出し、Amazonの承認を得る必要があります。

③ アカウント閉鎖(Account Ban or Termination)

最も深刻な状態です。改善計画を提出しても復旧が認められず、最終的にアカウントが閉鎖されることを意味します。一度アカウントが閉鎖されると、同じ個人情報や銀行口座では新規アカウントを作成できなくなります。

今回のケースでは、「アカウント停止(Suspension)」が発生し、19日間の出品停止となりました。


1-2. サスペンドされるとどうなるのか? – 売上停止とビジネスへの影響

アカウントがサスペンドされると、以下のような影響が出ます。

  • 売上が完全にストップする → 売上ゼロの状態に

  • FBA在庫が凍結される → Amazon倉庫にある商品が販売できなくなる

  • 入金が停止される → 売上金が保留され、振り込まれなくなる

  • 広告運用が停止する → Amazon広告が使えなくなる

  • アカウント復旧のために時間と労力が必要 → 改善指示書を作成し、Amazonと交渉する手間

ビジネスの売上がAmazonに依存している場合、サスペンドされると大きな損害を受けることになります。特に、売上の大部分をAmazonに頼っているセラーにとっては「ビジネスの死」を意味することもあります。


1-3. 実際に受けたサスペンドの詳細

今回のサスペンドの原因は、「並行輸入品の一部がAmazonの規約に抵触していた」ことでした。Amazonでは、並行輸入品を販売する際に「並行輸入品」と商品タイトルに明記する必要があります。

しかし、今回のケースでは18万品もの出品がある中で、一部の商品がこの規約を満たしていませんでした。その結果、Amazonの審査に引っかかり、アカウントが停止されることになったのです。

「気をつけていたつもりでも、チェックしきれなかった」というのが大きな落とし穴でした。


このように、サスペンドは一瞬で起こり、売上やビジネスに大きな打撃を与えます。次の章では、「サスペンドを防ぐためのリスクヘッジ方法」について詳しく解説します。


第2章:サスペンドを防ぐためのリスクヘッジ方法

Amazonでビジネスを継続するためには、サスペンドのリスクをできるだけ回避することが重要です。サスペンドの原因はさまざまですが、多くの場合「規約違反」が関係しています。ここでは、Amazonの規約と違反しやすいポイント、並行輸入品の取り扱いルール、そしてリスク管理の方法について詳しく解説します。


2-1. Amazonの規約と違反しやすいポイント

Amazonは顧客体験を最優先するプラットフォームであり、厳しいルールを設けています。セラーは規約を守らなければ、すぐに警告やサスペンドの対象になってしまいます。

Amazonで特に注意すべき規約違反のポイント

  1. 知的財産権の侵害(商標・著作権・特許)

    • 他社のブランド名やロゴを無断で使用する

    • 偽物や模倣品を販売する

    • 許可なくキャラクターグッズを販売する

  2. 出品規約違反

    • 正しく商品情報を記載していない(例:「並行輸入品」と記載しない)

    • カタログのタイトルや商品説明に誤解を招く内容を記載する

    • Amazonが禁止している商品(危険物・医薬品など)を出品する

  3. 顧客対応の問題(パフォーマンス指標の悪化)

    • 遅延配送や注文キャンセル率の増加

    • 低評価のレビューが増える(商品やカスタマーサービスに問題がある)

    • 不適切な返品・返金対応を行う

  4. 複数アカウントの運用(ポリシー違反)

    • 同じ事業者が複数のセラーアカウントを持つ(許可なしの場合)

    • 過去にサスペンドされたアカウントと関連付けられる(IPアドレス・WIFI・銀行口座の共有)

特に、「知的財産権の侵害」と「出品規約違反」はサスペンドの主な原因になりやすいため、出品前にしっかりとチェックすることが重要です。


2-2. 並行輸入品の取り扱いルールと注意点

今回のサスペンドの原因となったのは、並行輸入品の一部がAmazonの規約に抵触していたことです。並行輸入品を販売する際には、特に以下のポイントに注意しましょう。

並行輸入品とは?

並行輸入品とは、正規代理店を通さずに海外から直接輸入した商品を販売することを指します。例えば、海外のブランド品を現地の販売店から仕入れて、日本で販売する場合がこれに当たります。

Amazonの並行輸入品に関するルール

  1. 商品タイトルに「並行輸入品」と明記する

    • 例:「Nike スニーカー AirMax 90(並行輸入品)」

    • これを怠ると、消費者が「正規品」と誤解し、規約違反とみなされる

  2. 正規品であることを証明できる書類を用意する

    • 仕入れ先の正式なインボイス(請求書)

    • 商品の真正性を証明できる書類(メーカーや販売元の証明書など)

    • これがないと「偽物」と疑われるリスクが高い

  3. 正規代理店とのトラブルに注意する

    • 一部のブランドは、日本の正規代理店が独占販売権を持っている

    • 正規代理店からのクレームにより、Amazonが出品を停止することがある

並行輸入品を安全に販売するためのポイント

仕入れ先を慎重に選ぶ(信頼できる業者から購入)
商品タイトルや説明文に誤解を招く表現をしない
Amazonの規約を定期的にチェックする(規約は頻繁に変更される)


2-3. セラーがやるべきリスク管理の方法

サスペンドのリスクを減らすために、セラーができる対策を紹介します。

① 出品前にしっかりとチェックする

Amazonの規約を確認する(特に出品ポリシーと知的財産権)
商品タイトルや説明がルールに沿っているか確認する
仕入れ先の信頼性を確認する(偽物リスクを回避)

② 出品後も定期的に商品リストを見直す

定期的にカタログをチェックし、違反リスクがないか確認
過去に削除された商品や警告を受けた商品をリスト化し、再発防止

③ サスペンド時に備えて、事前に準備をする

仕入れ先のインボイスや証明書を保管する
アカウントのパフォーマンス指標を定期的にチェックする
サスペンドされた場合の対応マニュアルを作成する


まとめ:事前の対策がサスペンドを防ぐ鍵

サスペンドは一瞬で起こりますが、未然に防ぐための対策を講じることでリスクを最小限に抑えることができます。

特に、

  • Amazonの規約を理解し、違反しないように出品すること

  • 並行輸入品の販売ルールを守ること

  • 日々の運営でリスク管理を徹底すること

これらを意識することで、サスペンドのリスクを大幅に減らすことができます。

次の章では、「アカウント復旧のプロセスと対策」について詳しく解説します。


第3章:アカウント復旧のプロセスと対策

Amazonでサスペンドされてしまった場合、多くのセラーは焦りや不安を感じるでしょう。しかし、適切に対応すればアカウントを復旧できる可能性は十分にあります

この章では、サスペンドされた際の最初の対応、改善指示書(POA)の作成方法、Amazonへの交渉のポイントについて詳しく解説します。


3-1. サスペンドされた際の最初の対応

① Amazonからの通知を確認する

サスペンドされると、Amazonから「出品アカウントの停止に関する通知」がメールで届きます。メールの送信元は、以下のようなアドレスです。

📩 alliance@amazon.co.jp
📩 seller-performance@amazon.co.jp
📩 notice@amazon.co.jp

このメールには、サスペンドの原因や復旧のための指示が書かれています。まずは、内容をしっかり確認しましょう。

② すぐにAmazonセラーセントラルにログインする

セラーセントラルにログインすると、アカウントのステータスが**「停止」または「出品制限中」**になっているはずです。

この時、焦ってAmazonに電話をしたり、適当な対応をしてはいけません!
Amazonは感情的な対応を嫌い、適切なプロセスを踏まないと復旧が難しくなります。

③ アカウント健全性(Account Health)をチェックする

セラーセントラルの「パフォーマンス」→「アカウント健全性」のページを確認し、具体的な違反内容を把握しましょう。

例:

  • 「知的財産権の侵害」 → ブランドの権利を侵害している可能性

  • 「出品ポリシー違反」 → 商品情報の記載ミス、禁止商品など

  • 「顧客満足度の低下」 → 返品率・クレームの増加など

違反内容に応じて、次のステップ(改善指示書の作成)を進めます。


3-2. 改善指示書(POA:Plan of Action)の作成方法

Amazonがアカウント復旧を認めるかどうかは、「POA(改善指示書)」の内容にかかっています。POAは、サスペンドの原因を特定し、具体的な改善策を示すための重要な書類です。

POAに必要な3つのポイント

1️⃣ 問題の原因の特定(何が違反だったのか?)
2️⃣ 問題の改善策(どうやって修正したのか?)
3️⃣ 今後の防止策(二度と違反しないためにどうするか?)

POAの具体的なフォーマット

📌 件名: 「出品アカウントの復旧申請」

📌 1. サスペンドの原因
「当方の出品していた商品の一部において、並行輸入品の表記が不十分であったことが原因で、Amazonの出品規約に違反していたと認識しております。」

📌 2. 具体的な改善策
「該当商品の出品をすべて停止し、商品タイトル・説明文の修正を行いました。また、並行輸入品の正しい記載ルールを改めて確認し、全商品の見直しを行いました。」

📌 3. 今後の防止策
「社内にて出品チェックリストを作成し、新規商品を出品する際には必ずAmazonのガイドラインに従っているかを確認する体制を整えました。また、月に1回、全商品の出品内容を監査し、規約に抵触しないよう管理を徹底いたします。」

このように、冷静かつ具体的に記載することが重要です。


3-3. Amazonへの交渉と復旧のポイント

① POAを提出する

POAが完成したら、セラーセントラルの「アカウント健全性」→「異議申し立て」の画面から提出します。

📌 注意点:
一度で的確な内容を送ることが重要(曖昧な表現は避ける)
Amazonの規約に従っていることを明確に示す
誠実な態度を示すが、感情的な文章は避ける

② Amazonの返信を待つ(通常24〜48時間)

POAを提出すると、Amazonの担当者が内容を審査します。通常、24〜48時間以内にメールで返信が届きます。

考えられる返信のパターン:
🔵 「アカウント復旧が承認されました」 → 出品再開!
🟡 「追加の情報が必要です」 → 詳細な情報を求められる(修正して再提出)
🔴 「アカウント復旧はできません」 → 再度POAを見直し、改善する

③ もし拒否された場合の対応

Amazonの指示をよく読み、追加情報を提供する
改善策が具体的でない場合、より詳細に記載する
改善の証拠(修正したスクリーンショットなど)を添付する

何度かやり取りをしながら、Amazonの要求に沿った改善策を提示することが大切です。


まとめ:冷静に対応すれば復旧の可能性は高い

サスペンドされたとき、焦って適当に対応すると復旧が難しくなります。しかし、原因を分析し、具体的な改善策を提示すれば、Amazonは復旧を認めてくれることが多いです。

🔹 サスペンドの通知を正しく確認する
🔹 POAを作成し、適切に提出する
🔹 Amazonの指示に従い、必要があれば修正・再提出する

冷静に、論理的に対応することが復旧へのカギです。

次の章では、「プラットフォーム依存のリスクと複数の収益源の重要性」について詳しく解説します。


第4章:プラットフォーム依存のリスクと複数の収益源の重要性

Amazonでの販売は非常に魅力的ですが、プラットフォームに依存しすぎることには大きなリスクがあります。今回のサスペンドのように、突然アカウントが停止されると、売上がゼロになってしまう可能性もあります。

この章では、プラットフォーム依存のリスク、Amazon以外の販路の確保、自社ビジネスを強化する方法について詳しく解説します。


4-1. Amazon依存のリスクとは?

多くのセラーはAmazonの集客力や利便性を活用し、売上の大部分をAmazonで作っています。しかし、その依存度が高すぎると、次のようなリスクが発生します。

① アカウント停止のリスク

Amazonのルールは厳しく、どんなに気をつけていても突然のサスペンドに遭う可能性があります。サスペンドされると、すぐに売上がストップし、収入がゼロになります。

② ルール変更による影響

Amazonは定期的に規約を変更します。例えば、特定カテゴリーの商品が規制されたり、販売手数料が引き上げられたりすると、今までのビジネスモデルが通用しなくなることもあります。

③ 価格競争と利益率の低下

Amazonでは競合が多く、価格競争が激化しやすいです。特に、大手セラーやメーカーが直接参入すると、中小セラーは価格で勝負できず、利益率がどんどん低下してしまいます。

④ アルゴリズムの変更

Amazonの検索順位(SEO)や広告の仕組みが変わることで、突然売上が落ちることもあります。例えば、過去に広告の表示アルゴリズムが変更され、多くのセラーの広告効果が低下したことがありました。


4-2. Amazon以外の販路を確保する重要性

Amazonだけに頼るのではなく、他の販路も確保することでリスクを分散できます。では、どのような販売チャネルを持つべきなのでしょうか?

① 自社ECサイトを運営する

メリット:

  • Amazonの規約に縛られずに販売できる

  • 自社ブランドを確立し、リピーターを増やせる

  • 広告運用の自由度が高く、利益率を改善できる

おすすめのプラットフォーム:

  • Shopify(ショッピファイ)

  • BASE(ベイス)

  • COLOR ME(カラーミーショップ)

② 他のECモールでも販売する

Amazon以外の販路を持つことで、リスクを分散できます。
主なECモール:

  • 楽天市場(集客力が強く、独自のポイント制度あり)

  • Yahoo!ショッピング(出店コストが比較的安い)

  • Qoo10(女性向け商品や韓国コスメなどに強い)

③ 実店舗や卸売を活用する

実店舗や小売店に商品を卸すことで、安定した売上を確保できます。
最近では、ポップアップストア(期間限定の実店舗)を出すことで、ブランドの認知度を高めるケースも増えています。


4-3. 複数の収益の柱を持つことでリスクを分散する

サスペンドに備えて、いくつもの収益の柱を持つことが重要です。

① 物販以外の収益源を作る

  • コンテンツビジネス(ブログ・YouTube)
    → 物販のノウハウを発信し、広告収入を得る

  • オンラインスクール・コンサルティング
    → Amazon販売の経験を活かして指導する

  • デジタル商品(電子書籍・ノウハウ資料)
    → 仕入れなしで利益を得られる

② 定期購入・サブスクリプションモデルを活用する

消耗品(サプリメント・化粧品など)を定期購入プランで販売
会員制サービスを提供し、毎月安定した収益を確保

③ 海外販売にチャレンジする

Amazonの「海外販売プログラム」を活用し、米国や欧州市場に進出
eBayやShopeeなどの海外ECサイトに出店


4-4. 実際にサスペンドされても生き残れた理由

今回のサスペンドで、私のAmazonアカウントの売上は約3分の1を占めていました。しかし、それでもビジネスを継続できたのは、複数の収益の柱を持っていたからです。

✅ Amazon以外の販路を持っていた(楽天・Yahoo!ショッピング)
✅ 自社ECサイトを運営していた
✅ 物販以外の収益源(コンサルティング・ブログ)もあった

そのおかげで、Amazonの売上が止まっても、ビジネス全体が崩壊することはありませんでした。


まとめ:Amazon依存から脱却し、リスクを分散しよう

Amazonでの販売は魅力的ですが、一つのプラットフォームに依存することは危険です。

🔹 Amazonの規約を守り、サスペンドのリスクを最小限に抑える
🔹 他のECモールや自社ECサイトを活用し、販路を広げる
🔹 物販以外の収益源を作り、経営の安定性を高める

複数の収益の柱を持つことで、万が一Amazonで問題が発生しても、生き残ることができます。


おわりに

今回のサスペンドを経験し、改めてAmazon依存のリスクとリスクヘッジの重要性を痛感しました。

もし、あなたもAmazon販売をしているなら、ぜひ「今、自分のビジネスがAmazonに依存しすぎていないか?」を考えてみてください。

✅ Amazonの規約を守る
✅ 他の販売チャネルを持つ
✅ 複数の収益源を作る

これらを意識することで、「プラットフォームの影響を受けにくい、安定したビジネス」を築くことができます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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