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自己肯定感の低さが生むのは「自縄自縛」と「他責思考」


はじめに|私が「自己肯定感に言及する理由」

これまで、私は自ブログで「自己肯定感」について、何度か言及してきました。というのが、私自身、これまで「自己肯定感の低さ」から来ると思われる自己否定感に苦しんできて、いろいろとメンタル調整を試してきたからです。

そういうわけで、私自身の興味のアンテナが立っているからかも知れませんが、ここ最近、「自己肯定感が低いとは何なのか」という話題を、ネットやラジオなどで見かけるようになりました。

「自己肯定感」という言葉は、自己啓発ワードとして広まっていますが、その感覚の実態や、その感覚がもたらす影響についてはまだ十分に理解されていない部分も多いように思います。
「自己肯定感」という一見ライトなキーワードが、実は、社会における様々な課題を生み出す一つの要因になっているのではないか、と考えています。

「自己肯定感が低い」とは

一般的に「自己肯定感の低さ」は「自信のなさ」とイコールの文脈で語られることが多いです。

しかし「自己肯定感が低い」というのは単なる「自信のなさ」とは異なり、より深刻な自己評価の低さに根ざし、行動や決断に制約をかけることにつながることです。

それをきちんと自覚し、対応しないと、自分にも他人にも「害」を及ぼしてしまいます。

自己肯定感の低さが生む「自縄自縛」

自己肯定感が低い人は、

  1. 「できない」と自分で自分の設定を決めてしまう

  2. 「やってはいけない」と自分の欲を持つことを禁止する

の2つを特徴として持っています。

「自分にはできない」「挑戦してはいけない」という固定観念を、「真実」として、自分自身に設定してしまっています。自分で自分を縛りつける、いわば「自縄自縛」の状態にあります。

子供の頃に、「絶対的に正しさを持った誰か」(親や先生など)に何かを禁止された、という経験はないでしょうか。
大人になっても、もう誰も自分に禁止していないのに、自分で自分に禁止することを続けてしまう。これが「自己肯定感の低さ」の感覚です。

「自分がなにかやりたい」と思っても、「だめ!」「できない!」と行動を抑制してしまう。行動だけではなく、「◯◯したい」という思いさえも、「そんな事を考えてはいけない」と自分に禁止してしまう

そういう厳しい自分が自分の中にいるために、自分の感情や欲求に素直になれない。そして「自分で自分に禁止する」という状態に、当の本人も苦しんでいるのですが、どうすればいいのかわかりません。

自縄自縛から生まれる「他責思考」

そしてここからが「害」を生む構造ですが、自己肯定感の低い人は、前述のような状態であるため、基本的に「自分で何かを決める」ということが苦手です。苦手というか「自分で決めてはいけない」「自分が決められるわけがない」と思い込んでいます

そしてどうなるかというと「意思決定を人に委ねる」「自分の行動に対して許可をもらう」状態になります。

  • 人に迷惑がかかるから、私は我慢しないといけない

  • 私なんかがやっていいのか。そんな資格はない

という思考になってしまうのです。

これは自己肯定感の低い人にとっては自然な行動です。なぜなら「自分は決めてはいけない」と思っているためです。

しかしその人の周囲の他者からすると、そういう物言いは「意思決定をこちらに委ねられている」構造です。つまり「他責」の構造になっています。

自分のことなのに、自分で決めることをせず、こちらに判断や意思決定を委ねてくる、そんな人への対応は、非常に疲弊することは想像に難くないと思います。

自己肯定感の低い人の心のややこしいことには、「禁止しているのは自分」なのに、「本当は私は◯◯をやりたいのに」という思いも同時に持っているため、「ふてくされる」「いじける」という感情もわき起こるところです。他者にとっては迷惑極まりないでしょう。

このように「自縄自縛」で「他責思考」で、自分の欲求に責任を持てない状態は、自分の心を満たさないばかりか、他者から「面倒くさい人」というレッテルを貼られることにつながります。
こうして「やっぱり自分はだめだ。思ったとおりだ」とさらに自己肯定感を下げるという、負のスパイラルに陥ってしまいます。

「自己肯定感の低さ」に着目してみよう

このように、自己肯定感の低さとは、単に自信が持てないだけではなく、「自縄自縛」「他責思考」という負のスパイラルを生み、人生を毀損してしまう、極めて深刻なものものだと思います。

知らず知らずのうちに、人間関係を築くのを困難にしていたり、自分の人生を豊かにすることにブレーキを掛けてしまったり・・・そんなことが起きているかもしれません。

しかし逆に考えると、それに気づき、どうにかすることで人生を幸せにすることができる機会でもあると言えます。

まずは、自分がそんな状態に陥っていないか、それに自覚的になることです。もし知らずのうちに「自分のことを自分で決めている感覚がないな」と気づいた方は、上記のスパイラルが起きていないか、ちょっと立ち止まって考えてみることをおすすめします。

私も日々、「自己肯定感の低さ」に苦しんでいる一人です。「自縄自縛」と「他責思考」を少しすつ、解きほぐすことを一緒にやっていきましょう。

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