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自己否定に邪魔されずに目標を立てるための「思考構文」
ブログ・ヤトミックカフェの主催/自己肯定感の探究家・矢口泰介と申します。
2025年も始まり、目標をたてたり、目標を振り返ったりする人も多いのではないでしょうか。目標を立てるときに肝心なのが、「できたことをきちんと賞賛し」「できなかったことに対しては冷静に対策を立てる」ということです。
しかし、私もそうなのですが、何かを考えるとき、振り返るとき、目標を立てるとき、つい「自己否定」の思考が浮かんでしまう、という人もいるでしょう。
冷静にファクトを見たいのに、つい「自分なんか・・・」とバイアスが働いて冷静に考えられなくなることが、私は本当に苦痛でした。
そこで私は、2025年の目標を考えるにあたって、「自己否定」のインナーボイスに邪魔されずに考えを深めるための「思考構文」というものを考えてみました。おすそわけするので、よければ使ってみてください。
思考構文とは?
「自己否定」は自分の頭の中の声や考えとしてやってきて、思考を邪魔します。
それに引っ張られると、客観性や冷静さが失われ、特に「きちんと自分自身を評価する」ということができなくなってしまいます。
今回考えた「思考構文」は、
頭の中に響く自己否定の声をいなしながら、
逆に問いかけていくことで、自己否定を止め
思考を深めるチャンスを作る
というものです。
思考の内容はあくまで私自身にチューニングしてあるので、よければ皆さん自身にチューニングしてみてください。
思考構文の例
①自分ができていることをきちんと認めたいとき
自己否定の声:結果が出てるのはたまたま。それも他の人のおかげで、自分は何もしてない。だから何も振り返ることはないね。
それに対する思考構文:
「まあたしかにな。自分が直接ゴールを決めたわけじゃないもんな。それはわかるよ。でも聞きたいのはゴールの瞬間じゃなくて、自分がどんなパスを出したり、どんな悪あがきをしてたか、ってところなんだけど、それはどうかな?」
ポイント:「お前は結果を出すことに対して何も貢献していないじゃないか」という声に対し、その声はいったん受け止めつつも、その手前や「あえて格好悪いところを聞きたいんだ」と返してみます。それによって「しぶしぶ」ながら、自分が何をしていたかを考えることにつなげます。
②プロセスをフェアに振り返りたいとき
自己否定の声:結果が出てないんだから、途中にどんなにがんばったって結局は意味ないよ。
それに対する思考構文:
「まあたしかに、結果は出ていない。それは残念だよな。だけど、そうだなあ、二百歩くらい譲ってみて。途中のところで、ちょっといいところもあったよな?ほら、あれとか」
ポイント:「結果が出ていない」ということにひっかかりすぎて、全てを否定してしまうとき、あえて「二百歩譲って」とおどけながら自己否定の声に譲歩しつつ、「プロセス」にあった良さを考えることにつなげます。
③他の人と比較せずに自分のよさを認めたいとき
自己否定の声:自分よりうまくできる人はいるんだから、自分が得意だなんておこがましいよ。何も言いたくない。
思考構文:
「まあたしかに、模試でいえば全国一位ではないよな。でも偏差値で言えば、60そこそこは行ってるんじゃない?ね?だとしたら、それを出せてるコツってあるのかな?」
ポイント:「自分よりも得意な人はいる」という自己否定は認めつつも、でも「偏差値60」という単語を出すことで、比較的得意であることを認めさせつつ、あくまで自分が持っているものに目を向ける提案をすることで、人との比較から目をそらさせます。
自己否定を合気道のように「いなす」
まだまだ私も自己否定をなくすための努力中で道半ばなのですが、自己否定の難しいところは、自分の中では限りなく強い「世界の真実」として聞こえてきてしまうところです。
「自分はだめだ」とか「自分には意味がない」という声が、「ひっくり返せない事実」として、痛みとして突き刺さってくるのですね。
なので、単に自己否定を否定することは難しく、またそれだけで思考リソースを使って疲労困憊してしまいます(私がそうでした)。
そこで今回考えてみた思考構文では、自己否定を否定せず、いちど「受け止める」という戦略を取ってみました。
自分でも試してみましたが、いちど受け止め、そして提案のように思考を促すことで、自己否定の痛みを感じにくくなりました。
もちろんそれだけでは完全に自己否定をやめることにはつながりませんが、毎日の工夫の積み重ねが大事ということで・・・。
皆様ももしよろしければ、目標を立てたり、振り返るときに思考構文を使ってみてください!