宅建業法やってみた ~免許制度③~
今回も免許制度の続きです。
前回は免許を取得するまでの審査の基準についてやりましたが、今回は宅建業の免許を取得してからの事をやります。
さて、宅建業の免許を取得して、事務所を開設したら事務所に設置するものが5つあります。
それは
①業務に従事する者の5分の1以上の割合の専任の宅地建物取引士
②従業員名簿
③帳簿
④報酬額の提示
⑤標識
の5つです。この5つがないと宅建業者の事務所として認められません。
①業務に従事する者の5分の1以上の割合の専任の宅地建物取引士
これは常勤の有資格者のことで、宅建業では各事務所(支店)ごとに一人は絶対に宅建士をおかなくてはならないのです。加えて事務所の従業員が5人ごとに一人の宅建士をおかなくてはならないわけです。
A支店:従業員3人
この場合は、三人のうち一人は宅建士の有資格者でなければならないわけです。
B支店:従業員14人
この場合は宅建士は二人おくことになります。五人ごとに一人おくということですので、14人なら二人で良いことになります。もし一人従業員が増えた場合は従業員15人ですので、その場合は宅建士は三人ということになります。
五人ごとに一人宅建士を置かないといけないわけですね。
②従業員名簿
これはそのまんまですね。誰が働いているかの名簿は当然用意してしかるべしでしょう。ちなみに保存期間があり、最終記載から10年の保存義務があります。この記載はパソコンでもかまいません。
③帳簿
事務所ごとの取引内容の記録になります。宅建業に関して取引があったつど記載する必要があり、保存期間は5~10年となっています。
④報酬額の提示
不動産業は不動産を直に売買する場合もあれば仲介する場合もあります。仲介手数料がいくらかかるかの基準がわからないと客は不安になりますよね。そのために仲介手数料の限度がわかるようになっているわけです。
⑤標識
標識はこんな感じのものです。
ちなみに宅建業者の名簿に登載されている内容を変更するときは、30日以内に知事に変更の届け出が必要です。
例を挙げれば……
・役員、政令で定める使用人の氏名
・商号・名称
・事務所の名称・所在地
・専任の宅建士の氏名
などがこれにあたります。
あとは、事務所の住所を変更する際に都道府県が変わったり、他県に支店を出したりすれば届け出先がかわります。
単体 → 複数の県 知事 → 国土交通大臣
複数 → 単体 国土交通大臣 → 知事
A県 → B県 A県知事 → B県知事
このように免許の届け出先が変わることを「免許換え」といいます。
最後に廃業したり、吸収合併されて会社がなくなったら免許はどうなるのか?
結論から言えばきちんと廃業届などを提出しなければなりませんが、誰がいつ行うのかということです。
廃業
・届出義務者:個人、役員
・廃業日から30日以内
・免許の効力喪失時点:届出時点
吸収合併などで消滅
・届出義務者:代表役員だった者
・吸収合併から30日以内
・免許の効力喪失時点:消滅の時
いかがでしょうか?免許制度は整理していけばそれほど難しくありませんので自分なりに整理していきましょう。
それではこれで失礼します。