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【本】オンラインでは「長所は普通に」「短所はより悪く」映る‐『オンラインで伝える力』

先日こんな本を見つけました。
「オンラインで伝える力」
KEE’S 代表取締役 野村絵里奈 ポプラ社

毎日のようにオンライン会議だ、ネットだ、SNSだ。。。少々オンライン疲れを感じている日々の中で、実地で失敗しながら学ぶ毎日ではありましたが、この本がストンと身に落ちましたので、忘備録としてメモします。全文読んでも5分くらいかなと、思います。

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オンラインコミュニケーション
非対面のコミュニケーションは、相手の気持ちがわかりにくく、自分の気持ちを伝えにくい。試されるのは想像力。足りない情報を補う”想像力"を働かせられるかどうかが、オンラインコミニケーションの質を決定づける。

オンラインコミュニケーション
1)心理的な距離が生まれやすい
 →心理的距離を縮める工夫が必要
2)情報伝達量が制限される
 →情報の質の向上が必要 
3)集中力を維持させるのが難しい
 →確実に理解させる伝え方の技術が必要 

上記も3つをスムーズに行う為に必要な力
印象力 → 良い印象を与えつつ、伝えるべきことは伝える。マナーを守りつつも、自分の熱量を相手との温度差なく伝える
伝達力 → 伝えられる情報量に限りがあったとしても伝えるべきものは正確に伝える
対応力 → 相手との距離を縮め気持ちを引き出す、傾聴力、共感力、質問力など
+ファシリテーション力

《印象力》 オンラインでは、視覚と聴覚のみ。視覚的にも聴覚的にも「長所は普通に」「短所はより悪く」映る
●身なりを整える
●背景・カメラの高さも気を付ける
●資料の準備は万全に
●見えない箇所にも気を配る
●表情は2割増し
●「きちんと聞いている」話している相手と目線を合わせる意識で
●テンション3倍で、口をあけてゆっくり丁寧に発音する(声を大きくするのではない)

《伝達力》 
●喉からの声ではなく、腹からの声で
●粒の揃った「A RI GA TO U GO ZA I MA SU」と脱落音だらけの「あざ~す」
●抑揚をつける 感情を込める、音に強をつける、スピードをゆっくり
●間を取る 引きつけの間 (1~3秒)理解の間(3~5秒)
●話の構成はロジックツリーで、伝える時はロジカルスピーチで 
結論を述べる→理由(ポイント)をあげる→理由(ポイント)の詳細を述べる→再度結論を述べる(結論のサンドイッチ)
●「こそあど言葉」の多用を避ける、抽象的な形容詞(たくさん、とても、すごく)を使う代わりに数字を使う。主観的な表現(驚くほど、信じられないような、絶対に)を避ける、ネガティブな印象表現(最悪の、絶望的な、どうせ、~なんか)を避ける
●1.指示の目的(ゴール)は伝え手の意図(WHY)は何か
  2.ゴールを達成するためのやり方(HOW)は何か
  3.   具体的にやってほしい作業(WHAT)は何か
●魅力的な資料(視覚的要素)とそこに足りない音声情報(コメント)を補完できるか。文字情報は映像を活かすものに限定し、足りない要素を聴覚情報で補完する。ハワイ不動産の例

《対応力》
●会をスムーズに進行し、成果に着地させるファシリテーションスキルは重要
●メンバー紹介、OARR (Outcome 成果・ゴール/Agenda 議題・スケジュール/Role 期待する役割の明確化/ Rule その会議の約束 例、一人発言XX分 )
●ファシリテーターの役割  言葉や最終的な結論だけではなくその<過程>の考慮が大事。単なる進行役や、強引に会をまとめる役目ではなく、会の参加者全員が納得する結果や会が目指す最大の成果を引き出すこと
ロジカルヒアリング  受け身ではなく能動的に相手の話を引きだす。一つ一つ相手の意図と自分の認識がずれていないか確認しながら聞き取るヒアリング。HOW, WHATのヒアリングの前にWHYからスタートするとお互いの認識のずれを小さく抑えらえれる
●ロジカルな問題解決  最初に結論(ゴール)を置く、左側に現在・過去ゾーン、現状と原因、現状の詳細・原因や問題を聞き取り、右側に未来ゾーン、対策と目標(今はXXXだが今後は○〇を目標としたい)
●ロジカルなまとめ
  ☑会議で議論した各項目をまとめ、再度伝達する。
  ☑会議での決定事項も再度確認し、確実に合意形成する
  ☑議事録をオンライン上で投影するなどして内容確認をする
     ☑会議を受けて決まった次のアクションを確認し、次のステップに向け実施する内容や期限、具体的な担当者について決める
  ☑リクエストがある場合や聞きそびれた質問などその他の事項をクリアにする
●感謝を述べて、参加者たちに好意的なラストインプレッションを残す

アジェンダ作成のコツ(参加者の当事者意識を高めるコツ
●問いかけ形式
1.新商品の概要
2.新製品の発売時期
3.新製品のネーミング

1.  ユーザー受けする新商品とは?
2.  発売時期はいつが最適か?
3.  ヒットするネーミングは?

役割分担を明確に
議事録はリアルタイムで、全員がシェア

オンラインミーティングを社員同士のコミュニケーションの場として活用するには?
①ミーティング冒頭で《WHAT’S NEW》を取り入れる 一人30秒
②バーチャル背景で、遊び心をつける
③ミーティング前後に小グループでプレ(アフター)ミーティングをする

オンラインコミュニケーションで大事なのは、オンラインを便利に使いこなし、出来るだけ楽をしてコミュニケーションする事ではない。本質は距離や時間の制限を受ける事なく、画面の向こうの相手と情報を交換したり、心を通わせたりしながらお互いを認め合ったり、高め合う事。本来私たちの人生を豊かにしてくれるはずなのは、テクノロジーではなく、人と人との出会い、誰かとのコミュニケーションを通して生まれる感情、出来事や経験を経て築いてゆく人間関係。

『ハイテク ハイタッチ』

「ハイタッチとは、自然や人間らしい感情、家族、宇宙、そして高次元の力にわが身をゆだねること。生と死の原始的なパワーを受け入れること。そして、人間よりも偉大な存在すべてに感謝することを大切にすることである。」「テクノロジーに支配された時代を、人間らしく生きるにはどうすればいいかを学ぶこと」

  この本を読んで
①実は対面でも大切だった事が書かれている。オンラインコミュニケーションだから特別ではない 
②オンラインコミュニケーションも言ってみればHOW(やり方)であり、著者が本でおっしゃっているWHY(意図)ではない
③ コミュニケーションはやはり人間的な行為であり、決して効率のみを求めるものではない

という事を再確認。
ただ、コロナ禍において個人の心理的安全性がかなり揺らいでいる時期であるし、『会って雑談』が出来る状況ではないので、やはりコミュニケーションにはいつもより慎重に相手を尊重する事や受け入れる事が必要なんだな、と痛感した1冊でした。

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