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非接触・セルフレジに思う ‐ 消えゆく対話

日本経済新聞で読んだコラム。
コンビニレジ、ファミリーレストラン、
スーパー、、、、
身近な買い物がどんどんセルフレジに変わっている。

よく行くコンビニがセルフレジに変わった。顔なじみの店員さんとは、たわいない言葉を交わす程度だったが、一抹の寂しさを感じた。たまにしか行かないカレー屋ではマニュアルなのだろう、「○○のポイントカードはお持ちですか」が会計の際の挨拶代わりである。
▼こういうセリフこそ、機械の自動応答ですむような気がする。人手不足への対応は待ったなし、やむをえない。今に始まった話でもない。それでも人と人とのコミュニケーションが希薄になる様をみると、割り切れない思いが残る。他人との「非接触」を推奨するコロナ禍を経てそんな場面がさらに増えたようにも感じる。
▼ベビーカーと共に電車に乗り込んだお母さんが、乗客に押されて申し訳なさそうに肩をすくめている。空気を和ませようと赤ちゃんに顔を近づけてあやそうとしたら、険しい表情で子どもを守るようにベビーカーを引かれた。どんな「ばい菌」をうつされるかわからない。見知らぬ人との接近は危険でしかないのだろうか。
▼そんなこんなで心に疲れが積もった週末、映画の帰りにピッツェリアに立ち寄った。初めての店。若い店員さんの接客が気持ちよい。型通りではなく自分で考え答えているのがわかる。オーダーを追加しようと手を挙げたら、笑顔で手を振り返された。いや、そうじゃなくて。つられてゆるむ頰に、初夏の薫る風を感じた。

日本経済新聞  春秋(6月9日)より

「非接触」
コロナやインフルエンザが流行ってくると
奨励するのもいたしかたないかと思うし、
セルフレジも効率的だし、
何せ人手が足りないサービス業。
定員さんは余計な計算などをしなくてよいので
助かっているのだろう。

「なんと!お釣りは300万円でーす」
3円、30円のお釣りに、
わざと桁を増やしてお釣りをくれたのは
近所の八百屋さんだった。
かなり昭和なギャグではあったけれど、
お釣りをもらうとき、口元がほころび
暖かい気持ちになっていたのは確か。

こういうシーンも、もう見れないと思うと
少し寂しい気がする。


ヘッダーのイラストは
nakameguromtさんのイラストを使用させていただきました。
ありがとうございます。

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