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定点観測のすごみ ‐ 時代の鼓動を捉えるACROSSと渋谷・原宿・新宿のファッション定点観測

先日ahiragaさんの定点観測についての記事を拝見。

「定点観測」といえば、私の中ではPARCOの「ACROSS」
今日はそのACROSSをご紹介します。

東京、私たちの周りには、無数のファッションが溢れています。
特に、渋谷、原宿、新宿のような場所では、
若者たちが自分たちのスタイルを通じて、
自己表現の旗を高く掲げています。
彼らのファッションは、ただの衣服ではなく
街と、自己表現、時代の空気を色濃く反映しています。

1980年から続くPARCOのシンクタンク「ACROSS」の活動は、
まさにこの時代の鼓動を捉える試み、定点観測。
毎月、彼らは渋谷・原宿・新宿で若者たちのファッションを観察し、
その姿を写真に収め、彼らの声をインタビューを通じて伝えています。

これは単なるファッションの記録ではありません。
街と時代、若者たちの夢や希望、そして時には葛藤や挑戦が刻まれた、
生きたファッションと街のアーカイブです。

コンセプトは“ストリートファッション・マーケティング”。
The concept is "street fashion marketing”.
観察・研究の視点は、「ひと」×「モノ」×「まち・場」。

主な読者ターゲットは、AIを補完する、東京のリアルなトレンドが知りたい「カルチャー・クリエイテイブ」な人たちです。


(1)クリエイティブ・ピープル:あらゆるジャンルにおいて、主に若者をターゲットにした「ものづくり」に携わる人。
(2)マーケティング/リテールに関わる人:マスコミ、広告代理店、シンクタンク、リサーチ会社、百貨店、専門店、小売店などの現場の人。
(3)インテリジェント・コンシューマー:
消費行動に「能動的」に関わり、それをより深く考えよう、より広い見識を得ようとしている「賢い」消費者(生活者)、プロシューマー。

ACROSS HPより

過去の写真を見ると、
今では輝かしいスポットライトを浴びる芸能人やモデルたちが、
まだ無名だった頃の姿があります。
例えば、きゃりーぱみゅぱみゅもその一人。
ACROSSで取材された彼女の当時の写真は、
自分自身を大胆に表現し、
周りとは一線を画す
独自のファッションセンスを既に持っていたことを物語っています。

ACROSSの活動は、
会社の利益を超えた文化的な価値を創造しています。
かつて西武グループが商いを通じて文化と街を創り上げたように、
ACROSSもまた、渋谷・原宿・新宿という街の文化を見える化し
形作る重要な役割を担っているのです。

彼らの活動は、若者たちが自分を表現する場を提供し、
それを通じて新たな文化が生まれる土壌を育んでいます。

この「定点観測」をすると、
一体何が良い
のでしょうか?

異なる場所が持つ微妙な差異が、
あるいは異なる時間が織りなす
微妙な差異
が、よりハッキリと
見えやすくなる
のですよね。

ahiragaさんのnoteから出典

そうなんです。
ACROSSの写真を見ていても、
人々のファッションが少しずつ変わっていることに気付きます。
ジーンズの太さ、バッグの大きさ、
色の変化。

男性にも浸透したショルダーバッグはサイズの二極化が進行中
昨年急浮上した太いストラップでマチのあるポストマンバッグ型がマストレンドに。

ACROSS 2024年6月の定点観測タイトルより

私たちは、ACROSSのような活動を通じて、
人々の生き生きとした表現を見ることができます。
彼らのファッションは、ただの流行を追うものではなく、
自分自身を見つけ、世界に発信するための手段です。
それを1980年から継続して定点観測しているACROSSに
尊敬の意を覚えずにはいられません。


タイトルの画像は、
tokyosamplesaleさんのお写真をお借りしました。
ありがとうございます。


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