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東スポ杯の回顧

東京芝はこの週からCコース。金曜にかなり雨が降ったにもかかわらず土曜は良馬場での開催。加えて以前の様な超高速馬場でレースが行われました。土曜はやや前目を進んだ馬が有利でしたが逃げ馬の連対は2頭。ある程度位置を取って速い脚を使える馬が有力でした。ジャパンカップ週は雨の影響がなければ今週と同等かそれ以上の超高速馬場で行われそうです。

東スポ杯

勝ちタイム 1分46秒5 (良)

12.3-11.2-11.8-12.0-11.8-11.6-11.7-11.7-12.4

前半1000M 59秒1  上り4ハロン 47秒4   3ハロン 35秒8

走破タイムランク E

レース振り返り テリオスルルがハナを切り、シュバルツクーゲルが2番手、3番手にシュトラウスが続いてその後ろはバラバラと続き縦長の馬群で進む。3~4コーナーで逃げたテリオスルルが2番手以降を4,5馬身ほど離し、2,3番手がポツンポツンと続いて少し離れて4番手以降が続き、全体的に少し差が詰まって直線へ。直線に入って残り200Mの手前でシュトラウスとシュバルツクーゲルが先頭に立つが、残り100Mほどでシュトラウスが前に出てそのまま押し切って勝利。2着は内で勝ち馬と一緒に上がっていったシュバルツクーゲル。3着は4番手から前を追ったファーヴェントが2着馬に迫ったがハナ差届かず3着まで。

レース短評 前半1000M通過が59秒1は超高速馬場を考えれば標準くらいのペースだが、2歳戦ということを考えるとやや速めで進む。ただ、ペースが上がらずそのまま進み、残り200Mからは12秒4と脚が止まっての我慢比べの様なレースに。持続力勝負になったのでゴールまで最短距離を通れる内、前が有利だったレース。

例年と比べてタイムが遅く、直線での切れも要求されないレースになってしまったのでいわゆるクラシック級の馬が出たレースではなかった。今後の成長いかんではあるが現状では過去の勝ち馬の様な大物はいない印象。

勝ったシュトラウス『正直なところコントロールするのが難しい馬ですが、今日は前半で前の2頭が速いペースで引っ張ってくれました。それに助けられました。今はまだ競馬を覚えている段階ですが、能力の高い馬です。将来性を含めてこれからが楽しみです』とモレイラ騎手。サウジアラビアラビアRCの時も行きたがっていましたが、今回も同様だったようですね。ただ、前が速いペースで進んだのでうまく3番手で収まったかな。そこからはちょっとモタれ気味ではあったけど押し切っての勝利。立ち回りは良かったと思うけど、偶然性が高いのであまり評価はできないかな。素質はクラシックで戦えるレベルだと思うけど、G1を勝てるか?と問われると少し厳しいようにも感じます。距離も1600Mがベストのように感じるので今後の買い時を考えたいかな。管理する武井調教師は初重賞制覇。それ自体は素晴らしいと思いますが、これからクラック戦線を戦っていくとなると少し経験不足のようにも感じます。人馬ともに成長を期待したいかな。

2着のシュバルツクーゲル『悔しいです。いいスタートが切れたし、前がいいペースで流れていましたが、この馬は自分のリズムで、リラックスしてバランスよく走れていました。まだ緩さが残るのでこれから成長していくと思います。今日は勝った馬が強かったです』と西村騎手。道中は離れた2番手を追走し、内々を立ち回ってしぶとく脚を使いました。瞬発力勝負にならなかった点や1番枠を存分に生かして最大限走り切った印象です。初戦は中山野芝2000Mで2番手から勝っていますが、同様の競馬で結果を出しました。距離はこのくらいが良さそうで、こういう持続力勝負が向きそうですね。クラシック級とは言えませんが、2000Mの重賞で2,3着に入ってきそうな印象ですね。今後もこういったやや人気薄での好走がありそうかな。

3着のファーヴェント『夏の北海道でもコンタクトを取らせてもらったんですが、今日の返し馬含めて、やはり素晴らしい馬ですね。反面、外見が良すぎて中身はこれからだと思っていたんですが、それでも勝負になると思っていました。先生とも、位置取りはどうなるか分かりませんが、リズム重視でと話していたんです。ペースは流れていましたが、いいポジションで折り合って運べました。直線で脚いろが一緒になったのは良化の余地が残る分でしょう。体を使いきれず、左にモタれていましたからね。中身が良くなって動けるようになれば、今後相当な馬になると思います』と横山武騎手。道中4番手で進んで直線に入りましたが伸び切れず。展開が向かなかった感もありますが、そこまで切れる脚を使ったわけでもないのでまだまだ体が未完成という事でしょう。本格化は来年になってからだと思うのですが、現時点ではクラシック級とまでは言えないかな。それだけに今回賞金を加算できなかったのが少し痛い気もしますね。ひとまずは来年の成長に期待かな。素質的には勝ち馬と互角と見ています。

4着のショウナンラプンタ『能力は相当なものがあります。ただ、稽古ではゲートもいい発進だったんですが、今日はうまく切れず、道中も進みが悪かったです。距離が短いのかもしれません。直線でモタれる面もあったし、まだ良化の余地があります。いい馬なんですけどね』と鮫島駿騎手。スタートダッシュがつかずに最後方から。直線では内目を通って伸びてきましたが4着まで。上り3ハロン最速なのは評価できますが、とにかく不器用な感じかな。コメント通り距離も若干短い気もしますのでもう少し長めの距離で見てみたいけど、素質としては1,3着馬ほどではない印象かな。

5着のミカエルパシャ『久々の競馬で前半、出られませんでした。思ったポジションで競馬ができなかったですね。気にしていた折り合いは前を壁にしてつけられたので良かったです。最後は左にモタれて幼い面を見せていたんですが、それでいて差の無いところまで詰めているし、能力の高さを感じました。今日の相手に頑張っていますが、ポジションが良くなかったです』と松山騎手。スタートで出られず、隣のファーヴェントに寄られて後方からの競馬に。直線ではじりじりとしか伸びず、4着馬に競り負けるような形になりました。現状では逃げるか先行してもう一脚使うという形の方が良さそうかな。そういう競馬で改めて判断したいけど、重賞級ではないような感じがします。

6着のガイアメンテはこれまでカーッとなって走ることが多かったそうですが、今回は落ち着いて走れた模様。個人的には高速馬場よりも少し時計がかかる馬場で改めて判断したいと思ってます。

7着のシャンパンマーク『テンションは変わりなく、どっしりとしていました。精神面は良かったですね。追い切りでは一段上がったところがあったんですが、レースではもうひとつ変わってほしい結果になりました。センスのいい馬で、折り合って上手に走れているので、これからもう1つ2つ上がってくるといいですね』と戸崎騎手。道中は5番手を追走し、すぐ前に3着馬がいて直線に入りましたが突き離されてしまいました。上り3ハロンも34秒8と切れず物足りない結果になりました。初戦は2000Mで勝っていますが、いわゆる残り600Mからのヨーイドンの競馬で今回の持続力勝負は向かなかったかかな。まだ2歳のこの時期なので判断はつきませんがNHKマイルカップを勝ったシャンパンカラーの弟ということを考えると距離が長いのかもしれません。でも、素質的にはあまり見どころが無かったので過大評価にならないようにですね。

8着のフォルラニーニ『スタートから走り方が良くなかったです。ゲート裏でテンションが高く、中でもガチャガチャしていました。スタートで遅れて、そこからもハミを取ってくれませんでした』とルメール騎手。前走は2番手からの追走でしたが今回は出遅れて後方から。加えてテンションが高かったということでその後は見せ場なく終わってしまいました。参考外と考えたいですが、ちょっと負けすぎな気がしますし、今後もこういうことがありそうですね。少なくとも1番人気は過大評価だったし、クラシック級とは言えないかな。右回りで先行して押し切る形で見直したいけど、現状では1勝クラスの方が良さそうに感じます。


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