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脱サラして探偵になった。 手に職をつけたかったからだ。 ブラック企業はもう真っ平。 ほとんど衝動的だったが案外馴染んでいる。 こういう職業をやっていると色々な人がやってくる。 人生色々なんだと毎度考えさせられる。 最も印象的な案件が何かと問われたら間違いなくアレだろう。 ”鶴子 ” 女性の捜索を依頼。 偽名だ。 結論から言えば、見つけられなかった。 今でも依頼者の落胆した顔が思い出される。 彼の顔は「絶望」の二字を示していた。 真の絶望を初めて見た