「CVN-69」フーシ派による米空母攻撃の嘘

2024年6月、「フーシ派が米空母を攻撃した」としてX(旧Twitter)上に様々な情報が拡散された。
その対象となったのは中東に派遣されていたニミッツ級航空母艦「CVN-69 ドワイト・D・アイゼンハワー」であり、空母が損傷したとする画像や映像も流れた。
しかし、過去の映像や加工された画像ばかりであり、今後の注意喚起のためにも、根拠と共に羅列したいと思う。



■デマ情報

●「アイゼンハワーを攻撃した」とする映像

判定:ゲーム内で撮られた映像

この映像は2024年1月にYouTubeに投稿された、ビデオゲームの「Arma3」を用いて撮られているシミュレーション映像です。
ニミッツ級とは異なる艦影や光源の当たり具合から判断できます。


●「アイゼンハワーがミサイル攻撃を受けた」とする映像

判定:強襲揚陸艦の火災映像

この映像は、2020年7月12日に米国カリフォルニア州のサンディエゴ海軍基地において、火災事故をおこしているワスプ級強襲揚陸艦「LHD-6 ボノム・リシャール」を映したものである。

また、LHD-6 ボノム・リシャールは2021年4月15日をもって退役し、解体処分されている。

米海軍船舶登録簿:

https://www.nvr.navy.mil/nvr/getHull.htm?shipId=2395


●「アイゼンハワーの甲板が損傷を受けている」とする映像

判定:加工された画像

この映像は、米国バージニア州ノーフォーク海軍基地の衛星画像に、穴あき加工を施したものを使っています。

ノーフォーク海軍基地(GoogleEarth)

穴あき加工の元画像

https://www.shutterstock.com/image-illustration/explosion-cracked-concrete-wall-bullet-hole-391084669


●「アイゼンハワーの船体に穿孔がある」とする映像

判定:設計上のもの

この映像は、Instagramに投稿された、米国バージニア州ノーフォーク海軍基地近くの映像です。
映像中における、反対側の見える空間は艦載機が格納されるハンガー部分であり、デッキサイド式エレベーターが飛行甲板からハンガー部分に下がっているため、奥まで見える状態になっている。

https://shipbucket.com/drawings/7737


●「アイゼンハワーが攻撃を受け修理中」とする画像

判定:ロシアの重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの衛星画像

この画像は、ロシアのムルマンスク州に停泊中の11435計画艦アドミラル・クズネツォフの衛星画像です。


■アイゼンハワーの状態

●6月7日  イタリア海軍の艦船と撮影


●6月25日  ギリシャのスーダ湾に到着


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