NTT法改正〜政府保有株売却について〜

NTT法を見直す議論が政府で始まりましたね。今回、お届けする内容は以下の通りです。
①NTT法とは
②NTTの経営の安定性について
③NTT政府保有株の売却について

①NTT法とは、①政府が3分の1以上の株式を保有することを義務つけている。②NTTに全国に固定電話サービスを提供することや、通信技術の研究開発成果の公開も義務つけている。
まず、NTT法の1つ目のポイントである政府保有株式をどうするかという点について考えていきたいと思います。政府保有の株式の配当金等は、もちろん政府に収入として計上されているわけですよね。このお金を生む金融資産
を簡単に売却して手放して良いのかという問題がありますよね。個人でも、
株式の配当収入は非常に心強いものです。ある意味の不労所得ですよね。
この政府保有の資産を売却するすることによって、国の財政における影響
が心配ですよね。今年度でも、政府は、1500億円程度の配当収入を見込んでいるわけですよね。確かに、政府財政全体から見たら規模は小さいかも
しれませんが、防衛費に売却額を振り向けたときに、その費用対効果の検討も必要ですよね。売却は売ってしまえば終わりですが、売らなければインカムゲインが入り続けるわけですよね。この安心感は、国レベルでも一緒ではないでしょうか。もちろん現在のウクライナの戦争や中国、北朝鮮の問題などもありますので、総合的に判断しないといけないと思いますが、金融資産を売って防具を買うというところをどこまでのバランス感覚で議論を進めていくのかも大切ですよね。
NTT法の2つ目のポイントである、研究開発成果の公開義務は、今の時代に即していないような気がします。さらに、NTTは、2030年の世界的な普及を目指し、少ない電力で、大量の情報を高速伝送できる次世代の光通信技術「IOWN」の開発を進めています。国際競争が厳しい時代に、研究成果を開放せよというのは、日本の競争力確保のマイナスになる可能性がありますよね。法律のこの部分は、ぜひ、早急に改正すべきだと思います。

②NTTの経営の安定性について、政府保有株式が株式市場に開放されれば、
市場で自由に売買されるようになりますよね。この際に、気をつけておかなければいけないのが、株式を対象に買い占められてしまう事による経営の
不安定性です。NTTという会社は、日本の社会の基盤を支えるインフラ企業です。もちろん政治家や政府のみなさんも考えておられると思いますが、外資や投資ファンドなどによる、株式の大量取得による買収や経営への影響が懸念されますよね。経営の安定性を担保する為の企業防衛のノウハウや関連法規の整備なども必要だと思います。

③政府保有株式の売却については、売却方法についても入念に検討する必要があります。一気に売却すれば、もちろん株価は暴落します。そのため、長い年月をかけて、小分けにして売却する等の方法を検討する必要が出てきます。この売却方法の議論に関しては、詳しく次回以降の投稿で考えて見たいと思います。

NTTの政府保有株売却に関する議論を見てきましたが、僕自身は、企業の競争力強化や株式の売買といった事が総合的に学べるような気がするので、このテーマを追っかけていますが、ぜひ、みなさんもニュース等でチェックしてみて下さい。


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