「突然相続」の恐怖
こんにちは、スマート法律相談です。
昨日、NHKのクローズアップ現代+で、ある日突然相続人になる、「突然相続」について特集をしていました。
「ある日突然、身に覚えの無い」という煽りは、まさに犯罪にでも巻き込まれたかのような言い草ですが、
相続は、もはや権利でもなんでもなく、義務であることを示唆しているのかもしれませんね。
相続の「負の側面」
番組で主に取り上げられていたのは、
税金を滞納したまま死亡したケース
相続後に多額の借金が発覚していたケース
家などの不動産を残したまま死亡したケース
上記のようなケースです。
滞納していた税金は相続人が支払うことになるのですが、相続放棄をすれば支払う必要はありません。
ただし、相続放棄の意思表示(申述)は、原則として、相続人が亡くなってから3ヶ月以内にしなければなりません。
手続きは家庭裁判所でしなければいけないので、不慣れな人にとっては大変な作業です。
相続後に借金が発覚したケースですが、相続人が相続財産の全部又は一部を処分してしまうと、相続放棄できなくなります。忘れたころに借金の督促が来たり、実は連帯保証人になっていて、請求が来て初めて気が付くといった場合があります。
最近は、相続放棄されないようにわざと請求を遅らせているのでは、と疑いたくなるような事例もあります。
家の相続は、最近よく問題になっている、「空き家問題」「負動産問題」です。
家は相続すると固定資産税が毎年発生します。取り壊すにしても100万円を超える費用が発生しますし、相続放棄をしても相続財産管理人の選任のために、やはり100万円単位の支出が必要になります。
音信がない親族、絶縁したはずの親族の負の遺産を突然負わされる、それが突然相続の怖いところです。
相続放棄サービス
番組では、取材協力をしていた司法書士事務所が、相続放棄代行のサービスを提供していたのですが、値段は10万~15万円と言っていました。
必要な作業の裏側を知っている身としては「高いな」と感じてしまうのですが、ユーザーのニーズをうまくとらえていると思います。間違えたら数百、数千万円の損害になることを考えると、経験が豊富なところに依頼するのが合理的な行動ですし、安心感もあります。
士業も、何ができるか、ではなく、何が求められているのか、を意識する時代だと思います。
顧客に「何ができるの?」と言わせるのではなく、「これができます」と提案できることが重要だということです。
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