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「ギャルソン」古着転売で書類送検『転売』と『せどり』は何がちがう?

こんにちは、事務局@スマート法律相談です。

先日転売で書類送検というニュースがありましたね!

あれはそもそも何がいけなかったのか?
という事を先生に聞いてみたいと思います!

また『せどり』は転売と何が違うの?
せどりも違法になっちゃうの?
去年、テレビでもせどりをされてる方に密着!という番組もありましたねー。

では、先生説明お願いします!

「古物営業」に該当する場合は許可が必要

上記ギャルソンの転売事例は、古物営業法違反という罪名で書類送検されています。

古物営業法
第二条 この法律において「古物」とは、一度使用された物品(鑑賞的美術品及び商品券、乗車券、郵便切手その他政令で定めるこれらに類する証票その他の物を含み、大型機械類(船舶、航空機、工作機械その他これらに類する物をいう。)で政令で定めるものを除く。以下同じ。)若しくは使用されない物品で使用のために取引されたもの又はこれらの物品に幾分の手入れをしたものをいう。
2 この法律において「古物営業」とは、次に掲げる営業をいう。
一 古物を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業であつて、古物を売却すること又は自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けることのみを行うもの以外のもの
(略)
(第2号には古物市場の経営、第3号には古物競りあつせん業が規定されていますが、自ら転売する場合は第1号が問題となります。)

「古物」というのは中古品というイメージですが、自分が使うために買ったものを中古品店に売ることは古物営業には当たりません(第2号の定義の中に「古物を売却すること~以外のもの」とあるため、単に古物を売却するだけの場合は古物営業ではありません)。

また、最初から転売する目的で店舗で買った新品は古物に当たりません。
なので、例えば日本のドラッグストアで買った新品の紙おむつを中国のバイヤーに転売する行為は古物営業には当たりません。

但し、第三者が買った未使用品を譲り受けて転売すると古物にあたります。
「自分が」新品として買ったものでないと古物に当たることになってしまいます。

法律にはそんなことどこにも書いていませんが、根拠となるのは警察庁の「古物営業関係法令の解釈基準等について」という書面です。

法第2条第1項中「使用のために取引されたもの」とは、自己が使用し、又は他人に使用させる目的で購入等されたものをいう。したがって、小売店等から一度でも一般消費者の手に渡った物品は、それが未だ使用されていない物品であっても「古物」に該当する。例えば、消費者が贈答目的で購入した商品券や食器セットは、「使用のために取引されたもの」に該当する。

「古物営業関係法令の解釈基準等について」
https://www.npa.go.jp/pdc/notification/seian/seiki/seianki19950911.pdf

せどりと転売の違い

もともと、せどりは「背取り」とも「競取り」とも言われ、意味があいまいですが、法律の適用という意味では、扱っているのが古物かそれ以外かが重要です。

古物に該当するなら公安委員会の許可が必要、古物に該当しないなら許可が不要ということになります。

一般的に、せどりという場合は中古品、転売という場合は新品を扱っているイメージですが、そういった用語で法的な取り扱いが変わるわけではありません。

なお、古物営業の許可は「業として」古物の売買等をする場合に必要なので、反復継続して古物の売買をしない場合は公安委員会の許可は不要です。

警視庁は、男が2017年1月以降、計452点を転売して約216万円の利益を上げたとみて解明を進める。

どのくらいの規模から「業として」に当たるかの明確な基準はありませんが、長期間反復継続していた場合には「業として」にあたる可能性が高いでしょう。

むしろ申告漏れで問題になるケースが多い

転売行為をしていると所得が発生しますから、確定申告が必要です。

しかし、「ばれないだろう」と思っていたり、そもそも申告が必要という認識がなかったりして、転売行為で得た利益を申告していないケースがあります。

逆に確定申告している人は古物商許可も取っていることが多いでしょう。

申告していない場合で困るのが、仕入れ値が分からない場合です。

販売したのがオークションサイトだったりすると、売値については証拠がバッチリ残っていることになります。

しかし、当該販売に対する購入をした際の領収書や交通費等の経費がないと原価を引くことができません。

そうすると、えげつない額の利益が発生していることになってしまいますし、それに対する延滞税も追加されることになります。

そういったトラブルに巻き込まれないよう、税理士さんや行政書士さんに確認したうえで、クリーンな営業をすることをお勧めします。

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リリース時に朝日新聞にも紹介されました!

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