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【法令検索機能リリース】開発の経緯と今後考えていること

こんにちは。スマート法律相談の弁護士の勝部です。

本日、スマート法律相談内の弁護士向け機能として、「法令検索機能」をリリースいたしました。

開発の経緯

スマート法律相談は、わたくし勝部が、弁護士業の課題(と勝手に感じている部分)をシステムで解決したい、という想いをモチベーションにしています。

今回の法令検索機能は東大大学院ベンチャーのTDAI Lab様の研究成果を使わせて頂いているのですが。

検索機能を開発する際にお伝えしたイメージは、

思い出そうとした情報や、書籍の中で探そうと思った部分が一瞬で出てくるような検索エンジンがあったら、仕事がめっちゃはかどるのでは

というものでした。

私は弁護士の仕事と並行してシステム開発の仕事もしているのですが、扱う情報が大量(なのと加齢の影響)で、だんだんと思い出すスピードが遅くなってきたように感じています。

弁護士業をしているときであれば法令の文章や解釈に関するメモ、開発をしているときはコーディングするときのちょっとした記述や書き方など、「知っているけど念のため確認したい情報」にアクセスする機会は少なくありません。

これが仕事をする際にちょいちょい発生し、タイムロスにつながります。

仮に私が、記憶していることの細部まで写真のように記憶できて、それを瞬時に想起できるのであれば悩まないのだと思いますが。

世の中にある多くの検索エンジンは、「未知の情報」を検索することを前提にしており、かつ色々な人が使うことを想定したアルゴリズムなので、進化のスピードがそれほど速くありません。

仮に検索エンジンが不特定多数の利用を前提とせず、特定の個人(若しくは特定の職業の人間)の検索を前提として、AI学習によって極限まで強化できたとしたら、自分が思い出そうとした情報を一瞬で検索するような検索システムができるのではないか。

そしてそのようなシステムがあったら、仕事のやり方が劇的に変わるのではないか。それ以前に、学習のあり様も変わってくるのではないか。

そのような考えから、法令検索機能の開発プロジェクトはスタートしました。

リーガル・テクノロジーズでは主にインターフェース側を担当したのですが、関連する特許を出願済で、今後も追加で出願する予定です。

仕事だけでなく、学習のあり方も変えたい

リーガルテックと全然関係ないやん、と突っ込まれそうなのですが、この方向性の開発研究は、法律関係業務だけでなく教育分野にもインパクトを与えたいと考えています。

思い返してみると、私が今までに学習した3大コンテンツは、法律(司法試験)、英語(TOEFL)、プログラミングでした(付属上がりなので大学受験は経験せず)。

思い返してみると、学習時間の半分近くは「理解」ではなく「記憶」するために費やしていたと思います。

しかし、どのコンテンツも結局仕事のために使う情報なので、試験に合格した後は最終的には資料を見ながら仕事を進めます。

比較する方法がありませんが、たぶん試験準備で正確に記憶するというプロセスを経ていなくてもパフォーマンスに大差はないと思います。

むしろ場数や習熟度がネックになるのではないかと思います。

だったら、情報は「理解」だけすれば足り、記憶のためだけに時間を浪費する必要はないのではないかと思います。
(英語のみ理解だけでは使いこなせない気もしますが、究極どんな学習コンテンツでも最低限の理解を前提に場数を踏んでいけば身につくのではないかとも思っています。)

もともとは、すばやく正確な仕事をする(正確な仕事をするためには正確な情報を一つ一つ確認しながら進めることが重要になってきます)ことを突き詰めるために興味を持った開発分野ですが、人材育成にも応用できるのではないかと。

例えば司法試験の入門講座のテキストを全て検索可能な情報にして、実務についた後もそこにどんどん情報を追加していき、思い出そうとした情報は瞬時に抽出できるシステムに昇華させた上で、あとは死ぬほど現場経験を積ませる、という育成をすれば、短期間で多くの専門家を育成できるのではないかと思います。

かつては人が一生のうちに極められる専門分野は一つであるのが何となく当然の前提になっていたようにも思いますが、コンピューターという外部補助装置を使うことにより、習熟時間を短縮でき、複数の専門分野を持つこともできるようになるのではないかと考えています。

優秀な専門家の知見を集約したチャットボット

上記のような開発は、一見スマート法律相談という法律相談チャットボットの開発とは関係がないようにも見えますが、実は自分の中ではリンクしています。

人間の時間的リソースは有限なので、1から10まで人間の専門家に質問するというのは無駄であり、優秀な専門家の応対をサンプリングして、基本的な部分は自動的に回答が出るようにすれば、人間の専門家はより複雑な(人間にしか解決できない)問題に集中しつつ、基本的な情報が欲しい人はチャットボットを使って解決することができるのではないかというイメージで開発を進めています。それは弁護士業だけではなく、税務や会計、医療、行政サービス、CS業務などにも応用できるのではないかと考えています。

チャットボットアルゴリズムも検索アルゴリズムも基本は自然言語処理なので、少しずつですが、両者のシナジーも現れてきているように感じています。

リーガルテック単体だと規制や市場規模の関係で跳ねなそうな感じもしているので、今後は少し視野を広げていきたいと思います。

開発内容にご興味がございましたら、同業、異業種かかわらずお気軽にお問合せ頂ければ幸いです。

今後もこの分野の開発に力を入れていきたいと思います。

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