知られていない過疎ソフト債はすごい
過疎債という言葉を聞いたことはありますか?
上の総務省のリンクに資料の最終ページに記載のある「過疎対策事業債(ソフト分)」というキーワード。
行政内では「過疎ソフト債」と呼んでいます。
今回は、過疎ソフト債についてのみご紹介いたします。
※過疎債についてはまた機会を見てご紹介させてください。
瀬戸内町は財政力指数が0.16と低い水準です(これがそもそも問題ですが)ので、この過疎ソフト債が毎年平均で1.2億円配分されています。
令和5年度新年度予算で組まれている瀬戸内町の歳入の過疎ソフト債事業一覧はこちらです。
この通り、かなり柔軟に様々な事業に充てることができます。
過疎ソフト債は、指定地域に対して国が元利償還の7割を見てくれる制度です。
よって、指定を受けた過疎地域にとっては、有難い制度です。
昨今、瀬戸内町が行う住民への説明会などで、このような話があります。
「町の手出しは少しでこれだけの事業(ハードやソフト事業)ができます」
仰る通り事実です。
しかし、切り抜きのような説明とも感じます。
「本来であれば、他の事業もこの過疎ソフト債を充当することができたけれども、この事業の優先度が高かった。なぜなら~」という説明が真摯な対応です。
なぜなら、過疎ソフト債は毎年上限があるのを忘れてはいけません。
上限があるということは、今年度見送られた事業があるということです。
例えば、
この中にある「ドローン活用によるスマートタウン推進事業:2千万円」
この事業自体をやめる。もしくは他の国県事業なども踏まえて、減額する努力をする。
昨年担当課長は、令和4年4月に行われた臨時議会にて、
「奄振の補正であったり,また,奄振の執行残があったりとかですね,いろいろ対応できるところが ありますので,そういったところで,なるべく早急にですね,そういった対応もしていきたいなと 思っております。」
と答弁をしておりました。
このやりとりから1年近くが経ちましたが、結局のところは、過疎ソフト債を活用したということになります。
もし令和4年4月の答弁を実現できたら、過疎ソフト債で使える予算枠が空いていたかもしれません。
もし予算枠に余裕が出れば、
敬老祝金や出産祝金、入学祝金を増額して、一人当たりの支給額を増やすことも可能です。
高齢者無料乗車・乗船資格証交付事業は80歳から無料ですが、例えば75歳から無料にすることなども検討できます。
そのほか、学校給食費負担軽減事業の予算を増やし、給食費の無償化を実現することも検討できます。
このようにほとんどの町民が知らない仕組みがあります。
過疎ソフト債や過疎債をどのような政策をもとに使っていくのかがとても大切です。
出産祝い金は瀬戸内町では商品券5万円分の支給です。何人産んでも1人の出産に対して商品券5万円です。
では極端ではありますが、この助成金制度を「第〇子から1000万円の祝金」にしてみてはどうでしょうか。
出生率に寄与しませんか。
さらには、1000万円を瀬戸内町で活用してくれるように単に商品券だけではなく、町にいかに経済が回るように町内事業者と話し合ってみたらどうでしょうか。
このように、過疎ソフト債はかなり柔軟に使うことができます。
皆様の知見になれば幸いです。