vol24.炭水化物マウスリンス効果について
こんにちは
今日は、炭水化物マウスリンスについて紹介していきます。あまり聞き馴染みのない言葉かと思われます。最近注目されている分野でもあるので、少し調べてみました。
○炭水化物マウスリンスとは?
炭水化物マウスリンスとは、炭水化物(主に糖質)を含んだ溶液で口を5秒から10秒程度すすぎ、その後その溶液を飲まずに吐き出すという方法です。体の中に、炭水化物が入るわけではありません。ですが、炭水化物マウスリンスが運動パフォーマンスに良い影響を与えているという研究が最近多くされています。
炭水化物マウスリンスが脳にどのような映像を与えるか調べるために、グルコース(甘い炭水化物)、マルトデキストリン(甘くない炭水化物)、人工甘味料(甘い)を用いて実験を行いました。その結果、炭水化物を含む溶液だけが、脳の報酬系に関わる領域を活性化させたと報告しています。
このことから、甘味の有無に関わらず、口腔内に炭水化物を受容する新たな受容体が存在する可能性が示唆され、炭水化物マウスリンスは、炭水化物受容体を介して脳の報酬系に関連する領域を活性化させる可能性が考えられています。
○炭水化物マウスリンスをいつ使うか?
炭水化物マウスリンスのポイントは、口の中に炭水化物を入れることです。そしてそれをお腹に入れなくても、脳が反応して、運動パフォーマンスが向上するのではないか、と言われています。
運動している時に、スポーツドリンクを飲むことがあると思います。その時に、流し込むように飲むのではなく、5秒〜10秒口に入れてから飲むのでも、効果が見られるのではないかと言われています。また、水を飲み過ぎて、あまり水分を取りたくない時もあります。その時に、炭水化物マウスリンスが使えると考えられます。
口の中に炭水化物を入れることが大事ということは、あめや、ガムでもマウスリンスと同じ効果が得られるのではないかと考えられます。
○炭水化物マウスリンスの効果
参考文献
Effect of carbohydrate mouth rinse on training load volume in resistance exercises.
炭水化物マウスリンスがレジスタンスエクササイズの総トレーニング量におよぼす影響
Bastos-Silva, VJ, Prestes, J, and Geraldes, AAR.
J Strength Cond Res 33(6): 1654–1658, 2019
これは運動継続時間の変化を見たものです。0%は炭水化物が入っていない溶液、6%、18%はその割合分炭水化物が入っていることを示しています。それぞれ10秒間口に含ませ、飲まずに出してもらいました。
グラフのように、運動継続時間が伸びたことが分かりました。
この実験で、ポイントになっている点は、血中のグルコース濃度が高くなった訳ではないのに、パフォーマンスが伸びたということです。
体に取り入れられて無いため、グルコース濃度は変わりません。しかし、パフォーマンスが向上したということで、やはり脳が関係していることが分かりました。
これは持久力に関する研究でしたが、他にも、筋力発揮が向上したというデータもありました。しかし、変化しないというデータもあり、その変化の大きさはあまり大きなものではないのかなと思いました。ですが、やらないよりはやったほうが効果は見られると思います!
○生活で活かすために
まずは、運動中に飲むスポーツドリンクは、口全体にドリンクを含ませて、5秒〜10秒待ってから飲むようにします。暑い日だと嫌かもしれませんが…笑。個人的には、口全体にスポーツドリンクがつくと、さらに喉が乾きそうで、水をいっぱい飲んでしまいそうです笑。
なので、炭水化物を含んだガムでの実験があったら面白いと思います。スポーツ選手で、試合中にガムを噛んでいる選手がいると思います。炭水化物の効果だけでなく、噛むことで、脳への刺激を与えられるため、ガムでの効果が実証されれば、アスリートに推奨されるべきものになるかもしれません。
非常に大きな効果が期待できる訳ではないかもしれませんが、やってみた方が良さそうなので、自分もスポーツドリンクを飲むときには、意識して飲んでみたいと思います。
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