資金繰りの悪化は避けられず
このような話を聞くと、最近も他でなかったっけ?と思いますが、別の案件でして。私の中では、安邦(Anbang)保険、そして海南集団(HNA)に次いでいる感じです。この度蘇寧(Suning)という、以前でいえば日本のビックカメラやエディオンのような家電量販店を中心に拡大していた企業体です。
同社はコロナ以前からの自転車操業に加えて、中国国内のEC利用の拡大、コロナによる店舗販売の不振もあり、資金ショートを起こし、創業家の持ち分の大半を国有物流企業に売却したそうです。(ちなみに以前はアリババ株も持っていたようですが、資金化の為売却したそうです)
2019年には仏大手スーパー、カルフールの中国事業を買収した。免税店大手、ラオックスもグループの傘下に持つ。…実質的な経営権は引き続き張董事長が持つという。国有企業の支援を受けて立て直しを急ぐ。同月28日には蘇寧の関連会社が保有する中国のプロサッカー1部「スーパーリーグ」の有力チーム、江蘇足球倶楽部が活動を休止すると発表した。中国メディアによると、同チームは5億元の負債を抱えているという。
また上記記事にはこんなことも書かれています。
先日江蘇蘇寧(Jiangsu Suning)から改名された江蘇FCは、イタリア・セリエAの強豪インテル(Inter Milan)も所有する、中国の小売り大手「蘇寧(Suning)」がオーナーを務めるクラブで、わずか3か月前に昨季の国内リーグを制したばかりだった。スーパーリーグでは、他に天津津門虎(Tianjin Tigers FC)も近日中に解散する可能性があるとされている。中国サッカー界は近年、海外の選手や指揮官の獲得に巨額の資金を投じて世界のトップを目指しており、江蘇FCも元イングランド代表監督のファビオ・カペッロ(Fabio Capello)氏のほか、ブラジル人選手のラミレス(Ramires Santos do Nascimento)やアレックス・テシェーラ(Alex Teixeira)らと契約を結んだ。
インテル買収など海外へのエクスポージャー増加や、中国国内では高額な放映権もあり、海外から優秀な選手を高く買取、優勝に導く、という手法でしょうが、やはり本業の核心事業ではないため、企業体の資金ショートの際には、スポーツはどうにもなりません。
一方日本の場合は、プロ野球のような長く続いているプロリーグもオーナー企業の変更を行ってきたことで、従来の電鉄オーナー主導から、IT系企業オーナーも増加、という形へ。同時にJリーグは100年構想の中で、地元に根付く運営と財務体質を常に問われていることもあり、それなりにサッカー全体の裾野を広げているかと。また従来の実業団支援型のソフトボールやバレーボール、陸上に加えて、バスケのBリーグや、卓球のTリーグ、ダンスのDリーグなど多くの様々な企業がスポーツのスポンサーに関わっており、スポーツ全体の魅力向上や新たなキャリア創造を助けるなど可能にしているのかと。
一時的な収益や魅力を追い求めることで得られる栄光も勿論あるでしょうが、スポーツリーグの全体にとってはもう少し着実に進めていくのも意味があることなんでしょうね。(そういう面では、ヴィッセル神戸に来たイニエスタ等は見る目があった!ということかな?)
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