PCR① 検査について
このコロナショックを通じて、コロナウイルスに感染可否かの検査としてかなり有名になったPCR検査。2020年3-4月のニュースをみると、PCR検査数が足りない、安倍総理や政権(厚労省を含む官僚)がちゃんと取り組んでない等々、色んな論評がありました(最近はこの論評少ない気がするけど・・・)。もちろん検査や医療体制が異なることから、各国での検査を活用した判断の仕方も異なり(あまり偽陽性・偽陰性、ということが語られず、PCR検査の陽性、陰性がほぼ絶対??といった国もあるのかな)、PCR検査の見方もなんか違う気がしております。
私みたいな素人は何もわかりませんが、『PCR検査数が増えない。日本政府の対処が遅い』という論評は既に多く散見されると思うので、ここは敢えて『PCR検査を増やせばよい、ではない』という論評を集めてみたい。私が見た感じだと、大きく2つの要素が散見されます。
①PCR検査の確率と偽陽性・偽陰性、という所謂犠牲になる方が多いこと
②物資的(検査試薬や医者が着用する備品)また人材的(検体採取の医者や検査技師)そして感染症検査のシステム(検査体制、高額ですぐには手に入らない全自動検査機器、また保健所と検査所の物理的な持ち運びや罹患者とのやり取り等々)というバリューチェーンでのボトルネックとなっている部分が多いこと
①の確率については、下記ビデオとリンク記事をご確認ください。端的に言うと、コロナっぽい症状だな、と専門家(ここでは医者)が判断して一定程度に有病率を上げてからのPCR検査でないと、偽陽性や偽陰性(犠牲)が多いよ、ということですね。
数字でいうと、例え『PCR検査が陽性になったとしても、実際に新型コロナに感染している確率はわずか6.5%、つまり15人中14人は、検査結果が陽性であっても、新型コロナではない、ということになります。逆に、新型コロナに感染しているのに検査結果が陰性になる人が30%もいます。』ですね。
②のバリューチェーン絡みの話が多くされている記事も数件下記のように見つけましたので、ご確認ください。長期的な意味でボトルネックを解消することは可能でしょうが、数か月でできるものは少ない、印象です。
最後にもう一つの論文をご紹介。コロナウイルス封込め度合の成功は,PCR検査を広く行うこととは必ずしも関係しない、という論文が出てきたそうです。要約は下記、論文はリンクをご確認ください。
『90ヶ国のCOVID-19の封じ込め成功度とPCR検査率の間には有意な相関があったが,GDPを説明変数に加えた重回帰を行うとPCR検査率の貢献は消えて,封じ込め成功度はGDPのみで説明できた.GDPはsocial distancingへの遵守度に関連すると推測される.個々の国を見ても,タイ,マレーシア,シンガポールの近接3国を見ると検査率が低いほど(前記の順番,タイが最低)封じ込めは成功しており,全く逆の関係にある.日本はPCR検査率の低さ(0.19%)を批判されているが,検査率2〜7%の欧米主要国と比べると,最新の封じ込め成功度において,日本は欧米での優等生国(フランス,スペイン,ドイツ,イタリア)に匹敵しており,英国,米国,スウェーデンなどよりもはるかに良い.封じ込めの成功はsocial distancingが主因であり,PCR検査を広く行うことは関係しない』
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