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脱炭素投資は長引きそう

脱炭素やカーボンニュートラルに代表される、昨今の気候変動へのイニシアティブを背景に、石炭火力へ大きな逆風が吹いておりますが、その一方で電力供給面で補完的役割を担うのは、LNG(液化天然ガス)と言われています。そのLNGの輸入需要は、1990年代から日本や韓国が主要プレイヤーとして率いていましたが、足元中国や東南アジア、またインド等、経済発展が著しい国へと移ってきています。

20年の世界のLNG需要のうち東南アジアは5%程度だった。これが30年には13%程度まで伸び、世界の需要をけん引するという。現在、世界需要の約2割を占める日本や、急速に調達を増やす中国にとっても無視できない存在になる。国際エネルギー機関(IEA)のリポートでも、東南アジアやインドなどの23年の合計輸入量は17年比で倍増する見通しだ。東南アジアの押し上げ効果が大きい。…東南アは今後、市況への影響力も強まりそうだ。需給を敏感に反映するLNGのアジア市場のスポット(随時契約)価格は、足元では2月の安値と比べると8割高い。

でもご理解いただきたいのは、LNGも要するにガスなので、炭素ですよ、というところです。経済発展の著しい国での脱炭素投資も今後増えるでしょうが、やはり先進国が歩んだように、まずは石炭からLNG・そのほかの電源へ、そして再生可能エネルギーへ、と時間がかかるのでしょう。

また日本では、株主への高い配当性向(自社株買いと配当)をキープし、エネルギー業界の優等生とされていた東京ガスが、英蘭の雄であるRDS(ロイヤルダッチシェル)のように、減配による脱炭素投資へ資金を回したい、ということが株主から反発を受けている、とのことです。

脱炭素投資に充てるために株主還元を減らすことだ。東ガスは2020年11月に株主還元方針の見直しを検討すると公表していたが株主の反発が強かった

一方で東京ガス(フィリピンやタイ向け)や西部ガス(中国向け)も行っているように、今や日本のガス会社はローカルにガスを提供するだけでなく、アジア諸国へのガストレーディングやノウハウの提供なども盛んに取り組んでおり、所謂既存ビジネスの横展開はちゃんと行っているようでもあります。

足元の日本は太陽光発電の容量は多くても、天候に左右され、また送電線や蓄電池も全然足りてないわけで。脱炭素投資への動きは以前より加速するのは間違いないでしょうが、思っているような速度で2050年のカーボンニュートラル達成!となるようなところまでは加速しないでしょう。。

天候に左右される再生エネが増えれば、全体の電力需給はより不安定になる。再生エネの適地は人口減が急速に進む地方部に集中しており、蓄電池のコストダウンや地域間を結んで電力を融通し合う送電網の整備が急務だ

ということで、今回もビデオで上記ポイントを纏めて話してみましたので、もし宜しければ、こちらもご確認ください。



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