"データ"が将来の人質となりえるか
足元では米中二国間で、在米・ヒューストン中国領事館や在中・成都米国領事館の閉鎖を命令したり、とコロナ禍で”外交官”を通じた、両国間の外交軋轢が見られる。(一部では、米国留学の壁も、軋轢の副産物?と見る方もいるかと思いますが。)
その中、あまり注目を浴びてなかったようだが、2020年7月上旬に中国政府がデータセキュリティー法の草案を出した模様。目的は、テータ管理を通じた国家運営(管理、ともいわれる)である。また香港の国家安全維持法の際にもみられたような、外資規制となりえる項目も盛り込まれている模様。(上記記事からの抜粋)
どんな行為が「中国の国家安全や公共の利益」を損ねると判断されるかは不透明だ。外資系企業は、通信やエネルギーなど重要インフラのデータ、住民の安全に関わる災害や事件が発生した地域での自動車などの移動データや機械などの稼働データの扱いに配慮を求められそうだ。
中国の国民や組織の「合法的利益を損ねた場合」も責任追及されるため、規制がさらに広範に及ぶ不安もある。政府の判断基準も不透明で、外資系企業幹部は「一見、国家安保と関係ない宣伝や販売促進の活動も、中国当局や中国企業を刺激しないか注意する必要が出てくる」と指摘する。
また香港つながりの脈絡でみると、2020年7月に施行された国家安全維持法への対応措置として、香港の旧宗主国だった英国が出した、英国海外市民(BNO)旅券の発行緩和対応も見られる。もちろん中国政府は反対姿勢。
話をデータ・5Gなどの通信に戻すと、過去数か月での中国政府の(様々な領土/領海、香港や少数民族への人権問題への)様々な対応も大きなきっかけとなり、英国では導入予定であったファーウエイの5G製品の完全排除方針を決め、フランスもそれに同調する模様(今後はドイツ・イタリアの動向が注目される)。また懸念材料の一つとして、本当かどうかは分からないが、ファーウエイによる中国政府への個人データ提供の可能性があり、同政府の一連の態度も踏まえ、自国民のデータをちゃんと守れないのでは、という主張もある模様。そこに来て、中国国内のデータセキュリティ法草案である。一連のファーウエイ等の動向と全く関連がない、と言い切るには少し難あり、であろう。
この状況下で、下記記事のように、日本の富士通なりNECが代替製品をちゃんと提供できるのか、これこそ漁夫の利?!ではないが、それなりに大きなチャンスが日本企業に回ってきた、と思ってもよいのではないか。
同じような「個人データ」の流出懸念、という点では、下記投稿でも書いたように、中国企業Bytedance傘下のTikTokという人気アプリが、中国以外に売却することで、生き残りを目指す?みたいな流れと似ている。
今後も中国政府ー中国企業の関係、そしてそこに紐つく商品を通じた個人データ流出、といった関係性は、重要な軸の一つになるだろう。
従来は人命を掛けての争い、ということで「人質」と言われていたが、現代では、データをかけての争い、「データ人質」といったワードも出てきそうな予感もする。そういえば数年前には、データを活用して身代金を取ろうとする、ラムサムウェアとかいう、ウイルスもありましたね。。。
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