ハードとソフトの乖離
米中対立など国家間での(言い)争いの中で、テクノロジー寄りのニュースが最近多いな、と思う一方で、ハード面とソフト面での展開幅が違うな、とも感じました。
ファーウエイを含む通信の5G技術はこれから世界中の重要な通信インフラとして広まってきている。実際に中国はデジタルシルクロードや一帯一路という、国家戦略も相まって、中国企業の通信インフラ(ハード面)に関する展開に注力している。そこに纏わる市場競争(展開規模、価格と技術の優位性)、プライバシー保護の態度、紐付く様々なサービスや今後の経済展開の可能性など、米国や欧州など他国・経済圏が懸念している点であろう。(ファーウエイはどうも比較的安価で、壊れにくいみたいですが)
また一部のアプリ(Twitter, Facebook, Instagram, Tiktok等)はグローバルで展開、成功を収めており、それもあり様々な米中対立の火種的にもなっているが、基本的に他のアプリのサービス圏内はローカル化しやすい。
日本では配車アプリの米・ウーバーがいち早く上陸したが、サービスは白タク扱いに近くあまり成功とはいかなかった一方で、コロナ禍において、ウーバーイーツは好調の模様。ウーバーは中国でも展開していたが、最終的には中国発の配車アプリ、滴滴出行(ディディ)と合併した。
また上記記事の通り、その滴滴出行はDiDiモビリティジャパンを設立、日本でソフトバンクと一緒に進出。中国からのインバウンドを中心に拡大を狙っていたが、結局インバウンド利用も2割程度、コロナ時代に突入し、国内での需要減退もあり、2020年7月から提供規模を縮小すると決定した模様。似たような形で中国から来たレンタサイクル事業も進出しては撤退、となっております。中国のアプリが今後使用できるかはよくわかりませんが、かなりのローカライズが必要でしょうね。
滴滴はオーストラリアやメキシコ、ブラジルなどに進出しているが、現地企業との競争激化で思うように存在感を発揮できずにいる。ofoも海外約20カ国でサービスを展開したものの、相次ぎサービス停止に追い込まれた。日本と同様に「乗り捨て自由」な事業モデルが通用しなかったためだ。
中国発シェア企業が直面した2つ目の壁。それは、進出先の市場ニーズや規制を十分に踏まえずに、中国での成功体験をそのまま海外に持ち込む姿勢そのものだ。
最後に面白いな、と思うトレンドを一つ。Generation Zと呼ばれる、大学生から若手社会人の方々は、世界中のトレンドだとSNSを少しずつ使用しなくなっているとのこと。これもスマホネーティブの彼らの世代から見られるのが流行り廃りのトレンドを示しているような気がしました。