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「本を囲んだ語り部屋」2024/12/22櫻井将さん『まず、ちゃんと聴く。』

日曜朝のX(Twitter)スペース「本を囲んだ語り部屋」
12/22は櫻井将さんの『まず、ちゃんと聴く。』を取り上げました!

「聴いてもらえる時間が誰にとっても当たり前のようにある社会へ」というビジョンを掲げる、エール株式会社の代表である櫻井さん。昨今「聴くこと」の大切さは様々なところで語られていますが、一方で「聴くだけでは変わらないのではないか」と思う方も多いのではないでしょうか。本書では「聞く」と「聴く」の違いから始まり、聴く技術と聴く力について櫻井さんならではの洞察を通して書かれています。副題にもある<コミュニケーションの質が変わる「聴く」と「伝える」の黄金比>という点では、「聞く(伝える)」と「聴く」を整理した「Positive Intention(肯定的意図)マトリクス」の解説が非常にわかりやすく、印象的でした。「聴く」と「伝える」を使い分けながら両立していくことで、さまざまな関係性が変わっていくことを感じられる一冊です。

語り部屋では冒頭、モデレーターそれぞれが「聴く」について語り合いました。私自身もエールサポーターとして活動していますが、そのきっかけはbook laboで、自分の「聴く」に対して仲間が声をかけてくれたことでした。話すことに苦手意識があった私ですが、この時初めて、自分の「聴く」が強みかもしれないと思った瞬間でした。そして、たまたまエールサポーターという存在を知り、それ以降、「聴く」ことが自分の活動の軸になっています。

本書では「聞く」と「聴く」の違いを「自分の解釈が入るか、入らないか」という点で説明しています。相手の言動の背景に肯定的な意図があることを信じる状態で「聴く」ことが、「ちゃんと聴く」態度と定義されています。「withoutジャッジメント(判断せずに)」で関わることが「聴く」ことにつながりますが、語り合いの中では、相手がジャッジメントを求めている場合もあるという話がありました。その中で
櫻井さんの「Positive Intention(肯定的意図)マトリクス」は、withジャッジメントとwithoutジャッジメントの領域を非常にわかりやすく解説してくれています。また、モデレーター仲間がまとめてくれた「上司と部下に必要な4種類の対話」の整理を通じて、「聴く」と「伝える」にそれぞれ適したテーマを理解し、どちらか一方だけでなく、使い分けることが大切だと感じました。

また最後には、櫻井さんが書かれている「あの人のことを、まず、ちゃんと聴く前に、あなたがあなたのことを、まず、ちゃんと聴く」という点についても語り合いました。前回取り上げた本でも自分のことを「聴く」ことの重要性が書かれていましたが、まず自分がちゃんと満たされていることが「聴く」上では大切だと感じました。モデレーター仲間も、「聴く」に集中しすぎたときに友人から違和感を指摘された経験を話してくれました。相手の話をちゃんと「聴く」ためには、自分がきちんとケアされていること、そして「聴いてもらえる」相手がいることが大切だと改めて実感しました。「聴いてもらえる時間が誰にとっても当たり前のようにある社会へ」、自分なりに引き続き貢献していければと思います!


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