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「本を囲んだ語り部屋」2024/8/18マウンティングポリス『人生が整うマウンティング大全』
日曜朝のX(Twitter)スペース「本を囲んだ語り部屋」
8/18はマウンティングポリスの『人生が整うマウンティング大全』を取り上げました!!
著者は我が国のマウンティングリテラシーの向上に努めることを人生のミッションとして活動されているマウンティング研究の分野における世界的第一人者です。
本の帯には『大事なのは「マウントフルネス」』と大きく書かれているように、人間が持っているマウンティング欲求を理解し、マウンティングを「現代社会を生き抜くうえで必須の教養」であり「人生を切り開くツール」だと捉えるほうが得策ではないかというメッセージは痛快です。
冒頭はこの本の面白さについて語り合いました。自分が面白いと感じたのは一般的にはモヤモヤで終らしてしまうマウンティングについて文化人類学者のように収集し類型化する研究者的知的態度です。本の中では一流の人が実践するマウントのパターンとレシピとして「学歴マウント」「教養マウント」「達観マウント」「虎の威を借るマウント」にまとめられていました。またさりげないマウントスキル(=ステルスマウンティング)として「自虐」「感謝」「困った」「謙遜」「無自覚」に整理されていました。こうして体系立てられると日常生活の中でマウンティングを積極的に収集したくなってくるのが不思議です。
そもそもなぜ人間はマウントをしてしまうのかを考えると、人間の不可解さに気づきます。他者とつながり同質性を作ることによって自らを守りたい習性があるにも関わらず、なぜマウントによって他者との違いを生み出そうとしてしまうのか?。そしてマウンティングは単なる自慢とは異なり、他者の嫉妬心を掻き立てようとする行為でもあります。しかし前回の『嫉妬論』にも書かれていたように、他者の嫉妬は非常に恐ろしく面倒なものでもあり、その嫉妬を掻き立てるのは決して合理的ではありません。しかし非合理な行動をしてしまうとことに人間の面白さがあるようにも思いました。
そして組織の中におけるマウンティングの扱い方についても語り合いました。嫉妬心にもつながるマウンティング合戦は組織の中では避けたいものですね。一方でマウンティングしようとする人をコントロールすることは難しいことも事実です。とすればマウンティングされる側としてできることがあるかもしれません。本書でも「マウンティングをさせてあげるスキルが不可欠」とも書かれていますが、適度に熱を落としていくようなアプローチは大事だと思いました。マウンティングをしてくる相手のこだわりを受け止めつつ、うまく軸をずらしていくような「合気道的」スキルがイメージとして浮かんできました。
マウンティングを考えていると人間の自己顕示欲や承認欲求、また『影響力の武器』にも書かれている6つの武器などにもつながります。マウンティングは非合理な人間観察の貴重な機会と捉えて、積極的にマウンティングリテラシーを高めていきたいと思う楽しい時間となりました!