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「本を囲んだ語り部屋」2024/7/28澤田智洋さん『マイノリティデザイン』

日曜朝のX(Twitter)スペース「本を囲んだ語り部屋」
7/28は澤田智洋さんの『マイノリティデザイン』を取り上げました!!

人はみな、なにかの弱者・マイノリティだと著者の澤田さんは言います。マイノリティを起点に、世界をより良い場所にするのが「マイノリティデザイン」です。

2014年、ブラインドサッカー世界選手権のために「見えない。そんだけ。」というコピーを書かれた澤田さん。CMプランナーとして活動する中、ご家族の障害をきっかけに障害に関わる方に会いにいくことを思い立ちました。その中で障害当事者の生き方や暮らしそのもの、困難の乗り越え方や幸せの定義、それぞれの考え方を知り、障害当事者を含めた「マイノリティ」の課題や価値を自分の持つ「広告」の力で輝かせることができるのではないかと思うようになったと言います。

語り部屋では冒頭、そもそもマジョリティとは何か?という問いについて語り合いました。人間はつながりが大切な生き物です。つながるために他者との共通項を見つけようとする一方で、共通項を無理やり作り出してしまっている構造もあるのではという指摘がありました。共通項があることで感じる安心感の一方で、何かに縛られているような息苦しさ。そのように考えていくとマジョリティとマイノリティに線を引くことは難しいように思いました。

またマジョリティを生み出すインセンティブとしての競争という話にもつながりました。人間が生きていく上では競争は避けられない概念ですね。一方で競争は多くの人に共有される指標を通じてマジョリティを生み出すインセンティブがあるのではないかという指摘がありました。例えば教育では偏差値、ビジネスでは売上など誰もが分かりやすい指標を生み出すことによってその競争を共有する集団が形成されていきます。一方で単一の指標に縛られる息苦しさも感じます。多様な世界の中で多様な指標を持ちうる可能性を考えていきたいと思いました。

そして最後に自分の中になるマイノリティ性をどのように生かしていくかについて語り合いました。著者の澤田さんは「あなたが持つマイノリティ性=「苦手」や「できないこと」や「障害」や「コンプレックス」は、克服しなければならないものではなく、生かせるものだ」と書かれています。まずは自分の中にあるマイノリティ性を自覚することが大切なように思います。自分自身を振り返るとコミュニケーションに対する認知が変わった経験があります。ずっと苦手だと感じていたコミュニケーションでしたが、それを「話す」と「聴く」に分解したときに「話す」ことへの苦手意識=弱さが強いことに気が付きました。一方で「聴く」にフォーカスしてみると、意外に相手に喜ばれるコミュニケーションができることに気づけたことは大きく認知を変えられた経験でした。そしてその弱さの自覚があるからこそ、誰かの弱さに共感できる強みがあるように思いました。

「弱さを受け入れ、社会に投じ、だれかの強さと組み合わせる。」澤田さんのマイノリティデザインの考え方から多くの学びをいただきました!


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