「本を囲んだ語り部屋」2024/9/22ジル・チャン『「静かな人」の戦略書』
日曜朝のX(Twitter)スペース「本を囲んだ語り部屋」
9/22はジル・チャンの『「静かな人」の戦略書』を取り上げました!!
キャリア支援やリーダーシップ開発のため国際的に活躍している著者ですが、その対象は内向的なタイプの方です。著者自身も内向的人間を自認し、その中で内向型の読者に寄り添いながら、内向型のもの静かなタイプのまま仕事で成果を上げる方法を伝授してしてくれるのが本書です。内向型の強みを活かし、内向型を活かしていくためのヒントがたくさん詰まっています。
語り部屋の冒頭では、外向・内向について語り合いました。心理的タイプ論によると、心のエネルギーの方向が外界に向くのが外向、内界に向くのが内向とされています。そして外向か内向かは「利き腕」みたいなものとも言われるそうです。外向・内向どちらかという二社択一でもなく、入り口が外と内とどちらが先という話なのかもしれません。
モデレータ仲間はこちらの本を取り上げるにあたって、この外向・内向という二項対立で捉えることに対するモヤモヤがあったと語ってくれました。モデレータ仲間それぞれの外向性・内向性についてシェアする中では、それぞれが混ざり合いまさに「腕」のように場合によって使い分けていることに気づきました。
本書では「内向型には内向型の強みがある」というメッセージが印象に残ります。人間はついついできていないことに目が向いてしまう生き物でもありますね。他者との比較の中で、できない・不得意なことに目を向けてしまうことも多々ありますが、大事なことは自分の中にある自然にある資質に目を向けることだと思いました。一方で、環境に適応できるよう自分なりのやり方でじっくりと取り組むことも大事ですね。自分自身もかつて会社で何か発表する機会がある際には、スマホの録音機能を使って発表を録音して聞き返しながら練習してから臨んでいたことがあります。振り返ると比較的内省好きな内向傾向を自分なりの外向性につなげていた行動だったのかもしれません。
そしてタイプ診断やアセスメントにどう向き合うかという話にもつながりました。分類することでそれぞれのタイプを捉えることができる一方で、タイプというレッテルを貼ることにもつながってしまう可能性もあります。モデレータ仲間からは、タイプ診断やアセスメントを通じて多様なタイプの人がいるという理解のきっかけになるというお話がありました。その上で以前荒木さんがお話されていた「タイプ診断の本質は貼ることではなく剥がすことにある」という言葉も思い出しました。人は常に変化するものという前提のもと、とある光の当て方によってはそういうタイプであるという認識。逆を言えば、そうでない可能性が無限に広げっているとも考えられます。
本書では「内向」について書かれていますが「内向」のあり方も人それぞれ無限にありますね。それぞれの中にある自然な資質を受容しながら、自分らしさを深めていきたいですね。