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「本を囲んだ語り部屋」2024/9/15藤井青銅さん『トークの教室』
日曜朝のX(Twitter)スペース「本を囲んだ語り部屋」
9/15は藤井青銅さんの『トークの教室』を取り上げました!!
本書の著者はラジオ番組『オードリーのオールナイトニッポン』をはじめ、作家・脚本家・放送作家としてテレビやラジオの台本などを手掛けている藤井青銅さんです。本書では「トーク」について考えてきた著者が、現場の経験を通して培った方法論を整理して紹介しています。
要約では、トークにまつわるいくつもの「呪縛」、 トークの理想的な構造、「つまらない」にはワケがある、「切り口」と「語り口」と、トークに関する理論と実践についてのポイントが書かれていました。振り返れば日常は他者との会話に満ちています。トークの構造理解は日常をより豊かな時間にしてくれることを感じる1冊です。
語り部屋では冒頭、トークにおける切り口について語り合いました。ファシリテーションでも論点出しが大事なようにトークにおいては切り口が重要という話は印象的でした。青銅さんが相手の話をきいていく中ではギャップを深掘りしていくと言います。特に感情に対するギャップを深掘りしながら、相手が気にも留めていなかったその人だからこそのエピソードを切り口から括りだしていくといいます。日常の中では誰しも心が動く一瞬はあるものです。トークがうまい方はその心の動いた瞬間をちゃんと心に留めておきトークにつなげる力があると言えます。一方で、青銅さんのように相手の話をききながら、その心が動いた瞬間を括りだす力も大事ですね。切り口を意識しながら、自分や他者の心の動いた瞬間に興味関心を持つことが大事なように思いました。
またトークが弾む環境についても語り合いました。どんなテーマ、どんな設定、どんな人と一緒だとトークが弾むかを認識しておくことも大事ですね。モデレータ仲間の一人は、質問が来た設定にすると一人語りのトークが弾むという話をしてくれました。一人ひとりトークのスイッチが入る場所は異なり、またそれを構造化して理解しておくと自分らしいトークにつながるように思いました。そして自分が聴いていて心地よいトークはなぜ好きなのかを深掘りしてみることも大事かもしれません。自分はポッドキャストの「ゆる言語学ラジオ」が好きですが、堀元さん、水野さんの意表を突くメタファーを使ったアカデミックな世界を紹介するトークをいつも楽しく聴いています。自分の好奇心のスイッチを探しながら、自分なりのトークの型を形作っていくのがいいかもしれません。
そして最後には参加者の方からの書き込みを受けて、自分の感情とトークのつながりについて語り合いました。昔の経験を話す中では、自分の感情の捉え直しも起きるという話がありました。なぜ時間が経っても自分はそのエピソードを覚えているのか、なぜそれを誰かに伝えたいと思ったのかなども何度か伝える中でブラッシュアップされていきます。また感情は身体が覚えているということも言われており、トークを通じて自分の身体の記憶を思い出すことにもつながっていくのかもしれません。頭の記憶だけでなく、身体の記憶も合わせて組み合わさることで、トークはより鮮花やなものになっていくのかもしれませんね。またその身体感覚は相手にも伝わるのかもしれません。
改めて「面白いトーク」とは?を振り返る楽しい時間となりました。