TENET(テネット)考察|種をまくアレポ、あるいは「ニールの父」をめぐる物語
TENETのネタバレしてます。でも、ネタバレじゃなくて妄想かもですがw
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テネット2回みたのですが、どうも頭がもやもやするので、
を書いた。
で、その後、今お風呂で「あれ、これってこういうこと?」というのがあったので、書いてみる。基本的な内容は、上のnoteが前提ですが、その発展で。
TENETという物語は、ニール(マックス)の三人の父をめぐる物語
という仮説です。それは、あるいは、
キャットをめぐる、三人の男に関する物語ともいえます。
ゴアの2枚の贋作と、トマス・アレポの存在の違和感に対して、こちらの方が、すっきりする感じです。
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昨日、ゴヤの2枚の贋作と、トマス・アレポに関して、noteしたあと、ツイッターでナオエさんから
等のヒントをいただきました。
ありがとうございます!
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ゴヤの2枚の贋作と、トマス・アレポに関する違和感を出発点としたら、こんな物語がみえてきました。
・ニール=マックスという仮説前提
・ゴヤの絵のモチーフは、親殺し。
・贋作は、ニールが、セイターの本当の息子ではないことを暗示。
・トマス・アレポが、ニールの本当の父(本物)
・セイターは、長年にわたる放射能の影響で、子供を作れない身体になっている(仮説)
・にもかかわらずできた子供(ニール)
・だから、不倫相手であるトマス・アレポは、主人公が恐喝されたように「喉に”玉”をつめられて」殺される
・セイターは、それでも、父として振る舞っている(二人目の父)
・セイターはそれが理由で世界に絶望し、世界を滅亡させようとしている。
・セイターが未来人からのミッションを遂行したのは、当初ゴールドを手にするためだけで、破滅のためではなかったはずだ(ちなみに、未来ではゴールドが安価になるという設定だと思うが、それは、『夏への扉』からもってきてるはず)
・しかし、ニールの件から、放射能で自分の身体という<環境>を破壊した世界への憎悪が生まれた。
・セイターは、ニールにとって、本当の父のカタキ(それを、ニールは将来キャットから知らされる)
・主人公(名もなき男)は、映画の外(後)で、キャットと結婚し、ニール(マックス)の父となる(三人目の父)
・主人公は、ニールにとって、母であるキャットの恩人(ラストシーン)
・ここで、ニールにとって、本当の父の仇であり母の自由を奪おうとした父と母の命の恩人である主人公(名もなき男)という二人の父をめぐる対立構造がうまれる(回転扉のような形対立型なのかもしれない)
・主人公(名もなき男)は、映画の前半で、マックスに疑いの目をかけており「殺す/殺される」の眼差しをもっていた(ゴヤの『我が子を食らうサトゥルヌス』の符号)
・主人公(名もなき男)は、マックスに対して、世界を救うことと、本当の父への復讐という2つのミッションを与えることになる。
つまり、TENETは、作中の回転扉のような二人の父をめぐる対立の物語であり
時間を超えた
・ある父(義父)と息子の親子の絆、友情の物語
と
・ある父(義父)への、息子と母の復讐の物語
なのではないか?と。
真の父と、過去からの父と、未来からの父(主人公はラストシーンで逆行した後に順行し、キャットとニールを見守っていた)という物語なのではないか?と。
(「時間を超え、自分の息子と友情を育む」という物語、実は世の中のお父さん等が好きな話だったりしませんか?)
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あと、こう考えたら、もう1つ、こうかな?ということがあった。
ここから先は、文法とか全くわかってないので、いわばこじつけであるw
ただ、意外や意外、わりとすっきりするので、こういう見方もあるかもな、という話。
にある、
「SATOR AREPO TENET OPERA ROTAS」
回文についてだ。
これは、上の考察にある主要な5つの単語の羅列ではない。
という立場だ。
よく考えてみてください。オペラがここにでてくるのは、おかしい。だって、単なる場所じゃないですか。セイターとの会話で、オペラというのがキーワードとはなったが、それはミスリードにbet!
そうではなく、こう考えられるのではないか?
セイター(SATOR)の意味は、登場人物のセイターではなく、
意味: 種をまく人、耕作者、創設者、先祖、農園主
の種をまく人なのだ。そうすると
SATOR AREPO(種をまくアレポ)
となる(形容詞的な働きがあるのかどうか謎だが)
また、オペラ(OPERA)は、オペラ会場ではなく
意味:働く、労働、気にかける、助ける
の働く=動くという意味ではないか?と
そして、ロータス(ROTAS)は、回転扉。
そうすると、こうなる
OPERA ROTAS(回転扉を回す)
だ(なんとなく意訳っす)
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つまり、この回文の解釈は、
テネットを真ん中にし、
SATOR AREPO(種をまくアレポ)
TENET
OPERA ROTAS(回転扉を回す)
という文章であるという解釈である。
「トマス・アレポが蒔いたニールという、セイターにとっての悲劇が出発点となり、あの回転扉が回り出した」という物語だ。
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思い返せば、ニールは、何度も映画内で、こういっていた
「起こってしまったことはしょうがない」
と。
自分の出自を顧みず、世界を救うために人生をかけたニール(マックス)と、(義理の)息子の命をかけて世界を救う主人公(名もなき男)たちの物語なのではないだろうか?
そして、それは、同時に
放射線によって自らの体を破壊され、「自分の子孫」を残す事ができなくなった男が、「未来人という共通子孫」からの世界の破壊というミッションを遂行する過程で、妻と(形式上の)息子らに殺される、悲しみの物語
でもあるのではないだろうか?
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これも書いてみた
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